初代以来、日本でも数多くのファンを獲得しているアウディTTですが、オーストリア南部のヴェルター湖で公開するのは、「アウディTTウルトラ クワトロ コンセプト」と呼ぶ軽量コンセプトカーです。
この初公開の場は、フォルクスワーゲングループが避暑地として名高いヴェルター湖で毎年開催している「Worthersee Festival(いわゆるGTIミーティング)」で、以前にもW12気筒エンジンをミッドシップに押し込んだ「ゴルフW12-650」や「シロッコGT24」などモンスター系のチューニングモデルが披露されています。
「アウディTTウルトラ クワトロ コンセプト」は、Bピラーやルーフ、センタートンネル内などにCFRP(炭素繊維強化プラスチック)を使い、量産のアウディTTよりも299kgものダイエットに成功したというから驚き。シートも22kg軽くなるなど、軽量化の余地というのは残されているんですね。
エンジンは2.0LのTFSIで、最高出力310ps、最大トルクは400Nm/1900〜5000rpm。クランクケースやクランクシャフト、オイルパンなどを改良し、エンジンも25kgもの軽量化に成功しています。パワーウエイトレシオは3.63kg/psで、ポルシェ911カレラS(991型)の3.54kg/psには及びませんが、0-100km/hは1.3秒短縮の4.2秒、最高速は280km/hに到達するなどリアルスポーツカーに匹敵するのは間違いありません。
(塚田勝弘)