マツダのクリーンディーゼル「SKYACTIV-D」が、日本の燃焼研究で最も権威のある日本燃焼学会より、平成24年度日本燃焼学会「技術賞」を受賞したそうです。
この賞は、燃焼応用技術の研究・開発に顕著な功績を残した個人またはグループに贈呈されるもので、前年度の「高圧縮比ガソリンエンジンの燃焼技術の開発」に続く、2年連続の受賞ということです。
マツダ独自の新世代クリーンディーゼル「SKYACTIV-D」といえば、2012-2013日本カー・オブ・ザ・イヤーを受賞したCX-5や、マツダのフラッグシップであるアテンザに搭載されている4気筒ディーゼルターボエンジン。
このSKYACTIV-Dにおいては、低圧縮化が難しいとされるディーゼルエンジンながら、世界でもっとも低圧縮比となる14.0を実現したことがキーテクノロジーといわれています。それにより、NOx(窒素酸化物)やPM(粒子状物質)をエンジンアウト・レベルで抑制し、高価な後処理装置を用いずに、現時点で世界最高レベルに厳しい日本のポスト新長期排出ガス規制をクリア、リーズナブルな価格を実現しています。
今回の受賞理由は、その低圧縮比を実現するためのアイデアが特に評価されたということのようです。
たとえば、吸気行程で排気側バルブを制御することで高温の排出ガスの一部を燃焼室に取り込む可変バルブリフト機構、一回の燃焼において最大9回の燃料噴射制御が可能な10穴ピエゾインジェクターの採用、このふたつは低圧縮比におけるエンジン始動性や始動直後の暖機運転モードにおける安定した燃焼につなげているとのことです。
また、予混合型(PCI/Premixed Compression Ignition)燃焼技術やインジェクターから噴射された燃料を拡散するエッグシェイプ燃焼室技術などにより混合状態を理想に近づけたことも評価されたということです。
■関連リンク
日本燃焼学会 webサイト
(山本晋也)