『日産の海外生産比率はなんと77%!長期円高で空洞化(海外シフト)が進む自動車産業』の記事の中で、トヨタが国内生産(300万台/年)維持を前提に長引く異常な円高(為替差損)対応として海外生産比率を段階的に上げていく意向を示し、それを裏付けるように「8月の世界生産比率が従来の50%台から62%まで上がっている」という話題をお伝えしました。
そして10月3日、日経新聞が上記に関連する興味深いニュースを伝えています。
『トヨタ、カローラ全量を現地生産 為替リスク回避 ホンダも主力車移管を加速 』」と題したニュースがそれで、「歴史的な円高水準が続くなか、為替相場に左右されない生産体制を構築する為、現在20万台規模で国内生産している「カローラ」の輸出車を2014年にもすべて現地生産に切り替える検討を始めた」というもの。
さらにホンダについても米国向け「フィット」の生産を2014年に日本からメキシコに全面移管すると伝えています。
「どこまで進む? ホンダと日産が海外生産シフトを加速 !」でお伝えしたとおり、、ホンダの海外生産比率は2011年に既に76%に達しており、本年8月単月では79%、一方の日産も8月で77%と、トヨタ(62%)とホンダ・日産の海外シフト・スピードには大きな開きが有るのも事実。
むしろ、この機にカローラを全面的に現地生産へ移行するというシナリオをトヨタが採択しても何ら不思議では無く、グローバル展開車種は現地で生産、技術レベルの高いHVやPHV、Lexusのような車種は国内にも残すというやり方のほうが本来の姿と言えそうです。
現在の中国市場のごとく、政治情勢次第では大幅な減産を強いられるといったリスクも有る訳ですが、円高で目先の収益が大きく圧迫されている現状を考えれば心配ばかりしていてもらちがあかないといったところでしょうか。
トヨタは本件について、まだ正式なアナウンスはしていないようですが、今後の動きが大いに注目されます。