「日産の海外生産比率はなんと77%! 長期円高で空洞化(海外シフト)が進む自動車産業」でもお伝えしましたが、日本の自動車メーカーの海外生産シフトが本格化しています。
先回の日産に続き、海外シフトが進んでいるとされるホンダの状況について調べてみました。
同社の発表によると、8月度の国内生産は6.9万台(+23.3%)、海外生産は26.3万台(+28.2%)と、総生産33.2万台(+27.1%)に対して海外生産が大きく上回っていることが判ります。( )内は前年同期比。
ホンダの海外シフトを2002年からの推移でトヨタと比較してみると、その差が歴然としており、2008年秋に発生したリーマンショック以降の円高に合わせて50%台から徐々に海外比率上げて昨年60%台に乗せたトヨタに対して、ホンダはそれまでの60%台から70%台へ更に海外シフトを進め、2011年には既に76%にまで達しています。
前述の最新実績となる8月生産では実に79%に達しており、もう直ぐ80%を超えそうな勢い。
さらにホンダ、日産、トヨタ3社の海外生産比率推移を一堂に比較してみると、ホンダと日産の壮絶な海外シフトの現状が鮮明に。急上昇ぶりでは日産が一枚上手でしょうか。
ちなみにホンダの8月度海外生産26.3万台の内訳は北米が56.6%、アジアが34%、その他6.6%、欧州が2.8%で、北米生産のボリュームが圧倒的。
総生産のうち45%が米国生産で、軽を含む国内生産が21%程度の現状を考えれば乗用車の品揃えが米国ナイズドされている現状も「納得」といったところでしょうか。
いずれにしても、急激な右肩上がりを示すこれらのグラフを見て懸念されるのは海外生産シフトの勢いがどこまで続くのかが読めない点。
国内雇用維持を第一に考えて石橋を叩くトヨタと、相対するホンダ・日産のシフト・スピードが改めて浮き彫りとなりました。
■日産の海外生産シフトの現状 https://clicccar.com/2012/10/02/200301
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