知床満喫の旅、今回は知床峠を羅臼側にちょっと下りたあたりから始まる登山道に分け入り、羅臼湖を目指します。
この羅臼湖および一の沼〜五の沼が発見されたのはおよそ50年ほど前だそうで、羅臼湖トレッキングがメジャーになったのも近年のこと。観光地化されていないのは魅力のひとつですが、登山道入り口には駐車場がないので知床峠駐車場(無料)に停めて約30分歩くか、バスまたはハイヤーを利用しなくてはなりません。
バスの場合、斜里バスまたは阿寒バスが羅臼〜ウトロ間を運行しています。無料でクルマを置ける場所は『知床自然センター』『知床峠』『羅臼温泉バス停』で、それぞれバス停があります(『羅臼ビジターセンター』は羅臼温泉バス停から約200m)。
登山道入り口のバス停留所名は『羅臼湖入口』で、羅臼→ウトロ行きだと登山道入り口のすぐそばなのですが、ウトロ→羅臼行きでは登山道入り口から約700mほど知床峠側にバス停があります。
わたしは初めてなので『知床ネイチャーオフィス』さんにガイドをお願いしました(大人一人7,000円)。そうすれば羅臼湖トレッキングの必需品である長靴も貸してくれますし、登山道入り口まで送迎もしてもらえます。ネイチャーガイドは複数の会社で様々なプランを用意していますよ。
下界では曇りで心配していたのですが、トレッキングを開始後どんどん天候にも恵まれて、羅臼岳もバッチリ見えたし素晴らしかったのですが…うっかりデジイチを忘れてしまいまして…ケータイで写真を撮りました(T▽T)
二の沼から羅臼岳を望む。雲のかかりかたが絶妙!このあたりはまだ雪が残っているところがあり、高山植物も春〜夏の花が一気に咲くので今からでもエゾコザクラ、ミツバオウレンなどが見れるかも。
三の沼から羅臼岳を望む。羅臼岳の頂上まで沼面に入らないのがニクイ。
羅臼湖、3枚の写真をくっつけてパノラマ風にしてみました。ここでもたまにヒグマが目撃されるそうですので、ヒグマを誘引しないように登山につきもの?の飴やおにぎりなどの食べ物の持ち込みは禁止です。飲み物も甘い匂いがするものは避け、水かお茶がベスト。
羅臼湖トレッキングは往復約3時間。おおむね平坦で、それほどアップダウンはありません。ぬかるみが多いのですが、水たまりを除けて草むらに足を踏み入れるのはNG。植物保護のためにも必ず長靴を着用してください。
『知床自然センター』では長靴のレンタル(500円)、『羅臼ビジターセンター』では『バードウォッチング長靴』という柔らかくて折り畳める長靴を販売しています(3,990円)。この3日後にもデジイチを持って一人で行って来たのですが、このバードウォッチング長靴を購入しました。一般的な長靴よりも足にフィットしてグリップも効くので歩きやすかったです。
余談ですが、トイレは知床峠駐車場にしかありません。登山道の途中に携帯トイレ専用のテントが1張だけ設置されていて(携帯トイレは持参してください)、使い終わった携帯トイレは登山道入り口にある専用ポストへ捨てることができます。
トレッキング後、帰りのバスの時刻まで2時間近くもあり途方に暮れてしまったのですが、人生初のヒッチハイク(しかも居合わせた方が停めてくれた)で羅臼温泉まで乗せていただきました。この場を借りて、御礼申し上げます。
■羅臼湖を訪れる皆様へのお願い(知床国立公園ホームページ)
http://www.env.go.jp/park/shiretoko/guide/rule_1/rule_rausuko.html
■斜里バス
http://www.sharibus.co.jp/rosenbus_shiretokosen.html
■阿寒バス
http://www.akanbus.co.jp/localbu/senra.htm
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羅臼温泉から約500mほど知床峠方面に覆道があり、その脇から『熊越えの滝』への遊歩道入り口があります。そこから滝まではたったの400mなんですが、うっそうとした森の中なので熊よけの鈴はお忘れなく。わたしは鈴を持っていないので、定期的に手を叩いたりしています。
300mほどで、滝壷方面(左)と展望台(右)への分帰路にさしかかります。まずは展望台の方へ登ってみました。展望台には狭いながら木製のテーブルと椅子が設置されていますが、ちょっと遠いうえに木々が生い茂っているので、滝を眺めながらのんびり休憩…とはいかず。
また分帰路に戻って、今度は滝壺方面に向かいます。途中、写真のように川の端を歩いて行くのですが、この木道がちょっと傷んでいて安定していないので足下に注意です。
遊歩道の入り口近くに流れる小川はとっても綺麗な清流でバイカモが青々と茂っていたのですが、この付近には温泉が湧出しているせいか、一部分が茶色く淀んでいます。
こちらが『熊越えの滝』。下流からでもあまり近づけないのが残念です。今にして思えば長靴を履いていたんだから、川の中をじゃぶじゃぶ歩いて行ってもよかったんですよね(^_^;
案内板によると、むかし猟師がこのあたりに親子熊を追いつめたところ、母熊が小熊だけでも助けようと滝の上に押し上げようとする姿を見て、撃つのをやめたのだそうです。そしてそれ以来、羅臼の熊は人を襲わなくなったと言い伝えられているそうです。
『熊越えの滝』から羅臼温泉街方面に1kmほど下った森の中に、無料の温泉『熊の湯』があります。道向かいは『羅臼温泉野営場』で、温泉ファンはもちろん羅臼岳登山や釣りを楽しむ方の憩いの場となっています。男性露天風呂は森の散策路から丸見えという、かなり野趣あふれる秘湯です。
『熊の湯』から羅臼温泉バス停まで約1km強。『熊の湯』前の国道334号沿いに、普通車7〜8台分くらいの駐車スペースがあります。
■知床ネイチャーオフィス
http://www.sno.co.jp/
■知床自然センター
http://www.shiretoko.or.jp/
■羅臼ビジターセンター
http://rausu-vc.jp/
(松本しう周己)