働く車の中でも比較的目にする事の多いクルマが、高所作業車。
業界ではバケット車と呼ばれる事の多いこのクルマは、電気工事や塗装工事、建築現場など多方面で活躍する車両です。
高所作業車には様々なタイプがあり、一番ポピュラーなブームが伸縮する直伸式、途中で折れ曲がる屈伸式、両方を兼ね備えた、直屈式などがあります。
そんな高所作業車の中でも珍しいのが新明和工業のスカイムーバ―。
アウトリガと呼ばれるジャッキ部分にローラータイヤが装着され、なんと作業床から運転出来てしまうスゴイクルマ。
しかもバケット部分が一定の角度、又は長さまでなら上がった状態でも動かすことが可能です。
このスカイムーバ―の用途は、電柱間で連続した作業の多い通信工事。そのため、通信工事で良く使われる作業床高さ、9.9M仕様となっています。
一度上がってしまえば作業終了までバケット部分から降りる事無く作業効率をアップさせるために生まれた車両です。
時速は約1.5km/hと、歩くよりも遙かに遅いですが、安全面を考えると妥当な速度かも知れません。当然上部の操作パネルにはホーンボタンもついています。
作業床から操作できるのは前後だけでなく、フロント側の操舵も可能で、右左折をする事も出来ます。
但し、このクルマを公道上で使用する場合、道路使用許可(パイロンを初めとする保安設置と交通誘導員の配置が許可条件)が必要になる上、操作に関しては9.9M仕様なので高所作業車特別教育または高所作業車技能講習修了証が必要になります。さらにクルマの移動には中型自動車運転免許(8t限定でも可)以上が必要になります。
基本的には安全装置が付いているので、勾配のある場所、でこぼこの多い場所では移動は出来ませんが、舗装された平坦路であれば有効に使える車両です。
なかなかお目にかかる事の出来ない珍しいタイプの作業車ですので、街中で走っている姿を見るのは激レアかも知れません。
■移動式高所作業車「スカイムーバー」(新明和工業)
http://www.shinmaywa.co.jp/truck/products/height/h_1.htm
(井元 貴幸)