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■3代目スイフトのマイナーチェンジでエネチャージを採用し燃費向上
2013(平成25)年7月17日、スズキは3代目「スイフト」の燃費を向上するため、「エネチャージ」を搭載した新しいグレードを設定しました。
高効率・高出力のオルタネーターを使った、減速エネルギー回生システムのエネチャージ。これによってスイフトは、1.2L以上のガソリン車トップの燃費を実現したのです。
●軽自動車ベースで驚きの低価格で登場した初代スイフト
2000年に「カルタス」の後継車として登場した初代スイフトは、軽自動車「Kei」のプラットフォームを流用し、トレッドを広げたボディに、排気量1.3Lのエンジンを搭載した5ドアハッチバックとして仕上げられました。
軽自動車も下回るほどの79万円という低価格が売りでしたが、コンパクトカーにも関わらず軽自動車のイメージが強すぎたため、人気を獲得することはできませんでした。
専用部品に設計し直して軽のイメージを一掃したのは、2004年発売の2代目スイフトでした。計画段階から世界戦略車として開発され、国内外でスイフトと認知されたこの2代目こそ、スズキの実質的な世界戦略車第1号と位置付けられています。
軽量かつ高い剛性のボディと、トーションビーム式リアサスペンションによって、スポーティで力強い走りを実現した2代目は、人気モデルへと飛躍しました。
●3代目は、マイナーチェンジで高効率のデュアルジェットエンジンとエネチャージを採用
2010年、スイフトは2度目のフルモデルチェンジによって、3代目へと移行。基本的には先代のキープコンセプトですが、軽量・高剛性である新たなプラットフォームによって、先代よりも30kg程度軽量化されました。
その後も、アイドルストップの採用や足回りの強化など、進化を続けてきたスイフトは、2013年のこの日、マイナーチェンジを実施。変更のポイントは、熱効率を改善した「デュアルジェットエンジン」と、減速エネルギー回生システム「エネチャージ」を採用した新しいグレードが設定されたことでした。
デュアルジェットエンジンは、吸気ポートや燃焼室形状の最適化や1気筒あたり2つのインジェクターの装着、フリクションの低減などを実施した高効率エンジンです。
●エネチャージによる燃費改善
スズキは、2010年に次世代環境技術「スズキグリーンテクノロジー」を展開。その第1弾として、従来の減速エネルギー回生システムを改良したエネチャージを、2012年発売の5代目「ワゴンR」に採用。それを3代目スイフトにも適用しました。
減速エネルギー回生とは、減速時にオルタネーターを発電機として電気を発生させ、同時にオルタネーターが発電するときの回転抵抗を制動力として利用するシステムです。
エネチャージは、既存の鉛バッテリーに加えて、高効率のリチウムイオンバッテリーを追加。高効率・高出力のオルタネーターを装備して、より多くの減速エネルギーを回生、その電力を点火など電気系統の動作に使って燃費を改善する手法です。
そのほかにも、アイドルストップなどを組み合わせて、3代目スイフトの燃費は、1.2L以上のガソリン車でトップの26.4km/L(JC08モード)を達成しました。
エネチャージは、その後オルタネーターの代りにISG(モーター機能付発電機)を使ったマイルドハイブリッドのS-エネチャージ、さらに48Vマイルドハイブリッドへと進化しています。近々、新型(5代目)スイフトがデビューする予定ですが(2023年7月17日現在)、どのような電動システムが採用されるのか楽しみですね。
毎日が何かの記念日。今日がなにかの記念日になるかもしれません。
(Mr.ソラン)