目次
■ガソリンスタンドによってハイオクのオクタン価はどこまで違うのか?
●オートセレクト澤23率いるオクタン価Gメンが実際に測ってみた
2023年6月9日にクリッカーで公開した『ガソリンスタンドによって「ハイオク」は違う?「オクタン価Gメン」がどれくらい違うかチェック!! 【その1】』には、「やったれ~!」「やっぱマジやったんか」「数値待ってます♪」と、各方面からの反響が! やはり皆さん、ハイオクガソリンのオクタン価の違いに興味ありありのようですね~。
ってことで、さっそくその2、いってみましょう! ついに実測しましたよ!!
●コトの起こりは原因不明のノッキング
2022年12月。大阪のチューニングショップ・オートセレクト澤さん(通称:AS澤23[サワニーサン])は、お客様の車両(R35 GT-R)でECUチューニングを行っている際に、原因不明のノッキングに悩まされました。
「ノッキングレベルが閾値(しきいち)を超えると、ECM(Engine Control Module)内のプログラムにより点火時期が遅角される。いくら調べても車両にもデータにも問題はなく、試しに別のガソリンスタンド(以下GS)のハイオクを給油すると過剰なノッキングが直ちに収まったので、『ハイオクのオクタン価が低いせい』と結論づけました」(AS澤23)。
それまでは、粗悪ハイオク(低オクタン価)によるトラブルはごく稀にあるもので、GSによって多少の差はあってもオクタン価は概ね安定している、と考えていたとのこと。
その後も、各社ハイオク、各車両、各チューニング度合い(ノーマルも含む)でいろいろと計測、セッティングしていくなかで、「あかん!」なほど、チューナー・澤23の長年の経験と鋭い感性により、オクタン価の違いを体感していました。
●お客様相談室の回答に納得できず…オクタン価テスター導入!
ある日AS澤23は、大阪府下のとあるGSで、ベテランらしき従業員の方に「ハイオクのオクタン価が下がってない?」と率直に質問してみたら、「そんな事はない!」と否定。「近隣の大部分のGSが同じ製油所から配送されてくるハイオクをそのまま販売しているので、ウチだけが低品質ということはあり得ない」と。
また、ガソリンの品質に関して質問してみると、「お客様窓口に相談してみては?」
ってことで、AS澤23はE社のお客様相談窓口にさっそく連絡。
「E社お客様相談窓口では、エンジンチューニングを生業としていること、最近どうもオクタン価が低いと感じること、オクタン価にばらつきがあると困るので何とかして欲しい…と伝えました。
品質管理の担当の方が直ちに動いてくれ、翌日に当該店舗の調査を行い、すぐに結果報告の連絡がありました。
担当の方によると、『ガソリンの品質に問題はなく、オクタン価はE社基準の99.5だった』とのこと。
ちょっと釈然としないながらも、お客様相談窓口がそういうなら…」(AS澤23)。
直後、そのGSで給油してみたところ、確かに一昔前と同じ品質のハイオクのように感じられました。が、数日後、同じGSで給油したときには、また微妙なクオリティのハイオクに戻っているように感じたのだとか。
●オクタン価テスターを導入し、実測!
このままではらちがあかないと思い、一念発起してオクタン価を測定する機械「オクタン価テスター」を購入。早速、100近くの高オクタン価を謳っている近くのGSで入手したハイオクを測定したところ、96.5辺りの数値が出ました。
「ンなアホな、低すぎやんけ~!」と、当初は測定機のキャリブレーションが狂っているのかと思いマニュアルや設定を見直してみましたが、何も問題はありませんでした。
ちなみに、携行缶に入れるガソリンを購入する際には、2020年2月1日から、『消防法第三章および危険物の規制に関する政令の規定/ガソリンスタンド事業者は購入者が本人であることや使用目的を確認すること』と決められたため、GSには「オクタン価検査のため」との使用目的を提示し、購入しています。
その後、計測した近隣数ヵ所のGSも同様の結果。さらに、友人知人にも協力してもらい、大阪府下以外の各所GS、高速のSAなどなど、あれこれ測定。
すると、どこも概ね96.5〜97程度でした。
先述のE社の品質管理担当の方にその旨を伝えたところ、「測定方法、環境や保存状態によるものではないかと」との回答が。
はぁ~~~、知らんがな。
●オクタン価計測、結果がコレ!
友人知人の協力のもと集めたガソリン、数社・数種類。
GS店員「使用目的は何ですか?」
オクタン価Gメン「オクタン価検査です」
そして、計測したハイオクガソリンのオクタン価の数値がコレ↓↓↓。数値の高い順に並べてみました。
注目は、『ハイオクガソリンとは、アンチノック性を示す指標となるオクタン価が96以上ないとハイオクとはいえない』こと(レギュラーは89以上)。
・O府 A-GS A店=97.8
・O府 A-GS B店=97.7
・O府 E-GS A店=97.4
・T県 A-GS A店=97.4
・A県 E-GS A店=97.4
・A県 A-GS A店=97.3
・O府 I-GS A店=97.3
・T県 E-GS A店=97.3
・T県 J-GS A店=96.5
・A県 E-GS B店=96.2
・A県 E-GS C店=96.2
・A県 E-GS D店=95.6
・A県 A-GS B店=95.3
・A県 A-GS C店=95.2
・A県 E-GS E店=95.2
このように、ちょっと計測しただけで各社/GSごとによって数値が違うことが判明しました。しかも、96以上ないとハイオクとは言えないオクタン価が96以下であっても売っているところがある…ということも分かってしまったのです。
ちなみに、以下は参考値です(同条件計測ではないため)。
・HKSドラガス=107.0
・H県 C高速N-SA=97.4
・M県S市 E社=97.4
・関東某所=96.5
・O府 A-GS C店=96.4
・W県 E-GS A店=96.3
・W県 ノーブランドGS=96.0
・K府 某GS=95.8
もうひとつちなみに、O府 E-GS 某店のレギュラーガソリン(レギュラーのオクタン価は89以上)を計測してみたら、なんと94を記録! 優秀なレギュラーガソリンもある、ということも分かりました。
●個人でやってても限界あり…
オートセレクト澤23は「しかし、個人で証拠や情報を集めるには限界がある。集めて計測したところで、どうなるものでもないしね」と。
「まず大前提として、残念ながら現在、各社の製油所は共通で全て同じガソリン。つまり、E社もA社もC社も、今は同じガソリンのはず。
しかし、そもそも同じ県の同じE社で、なぜこんなにオクタン価が違うのか? 違和感がありますよね。よ〜く見ると、今回計測したハイオクガソリンを大きく分けると、3種類に分類できる気もする?
97.5前後、96.5前後、95.5前後です。
それと、今回いろいろ計測してみて、気づいたことがありました。
あれ? 色が違う!」(AS澤23)
オクタン価Gメンたちの計測は続く…。その3の報告はまた。いつかは…知らんけど。
(協力:オートセレクト/文:永光 やすの/画像:オートセレクト ※イメージ画像含む)
【関連リンク】
AUTO SELECT JAPAN CO.,LTD
https://www.autoselect.co.jp/ja/
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