目次
■全42レースとなる新シーズンで王座奪回なるか?
ヤマハ発動機(以下、ヤマハ)は、インドネシアのジャカルタで、2輪最高峰レースMotoGPの2023年シーズンに参戦するワークスマシン「YZR-M1」の新カラーリングを公開しました。
ワークスチーム「モンスターエナジー・ヤマハMotoGP(Monster Energy Yamaha MotoGP)」が投入する2023年型YZR-M1は、2022年型のカラーリングを踏襲しながらも、カモフラージュ柄を採用するなどで各部をアップデート。
メインスポンサーであるアメリカ清涼飲料メーカー、モンスターエナジー社のイメージグラフィック「モンスター・クロー(爪)」などと、ヤマハのレーシングカラーであるブルーとのコントラストにより、より精悍でワイルドなイメージとなっています。
●細部をアップデートしたカラーを採用
2023年1月17日(現地時間)に行われた発表会に登場した、2023年型YZR-M1。
カウリングなど主な外装は、2022年シーズンのマシンと大きく変わっていないように見えますが、カラーリングは細部がアップデートされています。
まず、前述の通り、カモフラージュ柄を新採用。
2022年型マシンでは、サイドカウル前方からシートカウルの後方にかけて、ブラックとブルーの直線的ラインが入っていましたが、それにグレーを追加し、不規則にラインが流れる新しいグラフィックとなっています。
ちなみに、ブルーはヤマハのレーシングカラー、ブラック地にモンスター・クローと呼ばれるグリーンの爪はモンスターエナジーのイメージグラフィック。ヤマハとメインスポンサーであるモンスターエナジー、両方を象徴するカラーリングを採用しています。
ほかにも、2023年型では、フロントのウインドウスクリーンに工具メーカー「ベータツールズ(Beta Tools)」のロゴも追加。オレンジ地にブラックのロゴがアクセントとなり、全体的によりマッシブな印象をもたらしています。
●ライダーにはクアルタラロ選手とモルビデリ選手を起用
2023年シーズンのMotoGPでは、2022年シーズンまでのサテライトチーム「WithUヤマハRNF・MotoGPチーム(WithU Yamaha RNF MotoGP Team)」が継続参戦しないこととなり、ワークスチームであるモンスターエナジー・ヤマハMotoGPの1チーム2台体制となります。
ライダーには、2022年シーズンと同様、フランス人ライダーのファビオ・クアルタラロ選手と、イタリア人ライダーのフランコ・モルビデリ選手を起用。
特に、クアルタラロ選手は、2021年シーズンにフランス人として初のMotoGPチャンピオンに輝いた実力者。2022年シーズンも途中までランキングトップとなっていましたが、残念ながら年間ランキング2位に終わり、新シーズンは王座奪還を狙います。
また、2021年シーズンに負った大けが以降、あまり成績が振るっていないモルビデリ選手。2022年も年間ランキング19位で残念なシーズンとなりましたが、2020年シーズンには、当時のヤマハサテライトチーム「ペトロナス・ヤマハSRT(PETRONAS Yamaha Sepang Racing Team)」で年間ランキング2位を獲得した実力者であることは確か。
2023年シーズンは、復活に期待したいライダーのひとりだといえます。
ちなみに、2023年のMotoGPは、全21戦42レースという新スケジュールで開催されます。これは、2022年までは主に土曜日までが予選、日曜日に決勝だったのに対し、土曜日にスプリントレースが追加されたためです。
開催サーキットも2022年の20ヵ所から21ヵ所となったことで、大幅にレース数が増えたことになります。
新スケジュールとなった最初のシーズンで、ヤマハワークスのマシンやライダーたちがどんな活躍をするのか、今から楽しみです。なお、開幕戦は2023年3月24日〜26日のポルトガル大会が予定されています。
(文:平塚 直樹)