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■教習所ではニュートラルで駐車するけれど…
皆さんはバイクを停めるときに、ギヤを入れているでしょうか。
おそらく教習所では、N(ニュートラル)で停めるように教わったと思います。ギヤが入った状態でセルを回すと、バイクが飛び出してしまうこともありますから、そう教えるのは当然の話です。
ですが、自分は1速に入れて、ハンドルを左に切って、停めるようにしています。
なぜ、そうするようになったのかといえば、「ギヤを入れて停めておくほうが、安定する」という話を複数のライディングスクールで聞いたから。
ライディングスクールでは、サイドスタンドを立てた状態でポジションの確認をしたりすることもありますが、そうしたときには1速に入れておくよう指示があります。
また、ベテランライダーの方から「台風や地震でもギヤを入れておくと倒れなかった」という話を聞くことがあります。
●ギヤが入っていてもスタンドを立てているとセルが回らない
つまり、ギヤを入れておくことはバイクが倒れづらいというわけです。
それでも、ギヤを入れたまま誤ってセルを回してしまうと事故の元、という指摘もあるでしょう。
しかし、最近のバイクは、サイドスタンドが降りた状態でギヤが入っていると、セルは回りません。エンジンがかかっている状態でも、ギヤが入ったままサイドスタンドを降ろすと、クラッチレバーを握っていたとしても、エンジンが止まるように設計されています。
つまり、誤ってセルボタンを押しても、セルモーターは回らないのです。ですから、安心して駐車時にはギヤを入れておけるというわけです。
●センタースタンドよりサイドスタンドのほうが安定する
筆者が所有しているバイクは、いずれもサイドスタンドしか装備していないので選択肢はないのですが、モデルによってはセンタースタンドを備えていることもあるでしょう。
これまたライディングスクールなどで聞いたところ、意外にも、センタースタンドよりサイドスタンドのほうが安定していて、地震や強風には強いということです。
たしかにセンタースタンドで立てておくと、リヤタイヤが浮いているので、シーソーのように車体が揺れてしまうことがあります。最初は安定していても、何度も揺れているうちにだんだん動きが大きくなるのは自然な物理現象ですから、揺れようのないサイドスタンドのほうが安定しているというのは、理にかなっているように思えます。
このあたり、自分で確認したことはないので伝聞情報でしかないのですが、たしかにサイドスタンドでもしっかりとハンドルを左に切っておけば、跨って休んでいても安定しているのは実感できるでしょう。
●クラッチをブレーキ代わりに使えるのも便利
ちなみに、個人的には駐車時に1速に入れておく理由は、もうひとつあります。
ギヤの入っている状態で取り回しをするときには、クラッチレバーを切っておく必要があり、それは面倒にも感じますが、逆にレバーを戻してクラッチをつなぐことで、ブレーキの代わりに使えるからです。
筆者は身長165cmと小柄なため、大型バイクの押し引きで目いっぱい左にハンドルを切っていると、右手がブレーキレバーに届かないこともあります。そうしたときに、クラッチレバーでブレーキをかけることができれば、不意の立ちごけを防ぐことができるので、ギヤを入れたまま押し引きするようにしています。
そのままスタンドを立てますから、自然とギヤを入れて駐車するというのがルーティン的になっているというのも、自然と1速に入れたまま駐車するようになったのかもしれません。