宇宙一のポルシェ911 GT3 RS×宇宙一の68歳・清水和夫、シルバーストーンでの至福の3LAP。「言葉が無いくらい凄い!」

■宇宙一のポルシェ「911 GT3 RS」を宇宙イチの68歳・清水和夫がシルバーストーンで堪能する、その走りが凄い!

●最後の手段? 最新の911 GT3 RSは空気の力で速さを得た

PORSCHE911 GT3 RS×清水和夫
PORSCHE911 GT3 RS×清水和夫

9月末、国際モータージャーナリスト・清水和夫さんが「3年振りの海外試乗だよ!」とウキウキ出かけた先は、シルバーストーンで行われたポルシェ911 GT3 RSの国際試乗会。

PORSCHE911 GT3 RS×清水和夫
PORSCHE911 GT3 RS×清水和夫68歳。とにかくこの走りを見て欲しい!

「エンジンも軽量化もやり尽くした。じゃどーすれば?となって、空力性能を上げたんだね」(清水)。

「ポルシェ911 GT3 RSはすべてのモデルを試乗しているよ」という清水さんだからこそ分かる、その進化の過程。

雄叫びとため息に満ちたこの試乗動画。見ているだけで気持ちイイですよ!


●レーシングカー以上のロードカー、それが最新の911 GT3 RS

PORSCHE911 GT3 RS×清水和夫
シルバーストーンを全開するPORSCHE911 GT3 RS×清水和夫

「オ~~~ホホォ~♪」

さて、ポルシェ911GT3 RS、シルバーストーンで試乗です。すごいね、車載カメラの数!

あ~~~凄いな!! いや~ステアリングが生きているみたいだね。

もうね、これレーシングカー。いや、レーシングカー以上!

PORSCHE911 GT3 RS×清水和夫
カルガモ走行によるシルバーストーンアタック

スゲ~な、やっぱり。もうレーシングカー以上のクルマだね。舵が効くし、サスペンションもすごい!

フォ~~~! アハハッ!! 軽く200km/h超えてるね。もう言葉が無い。

220km/h…240km/h! スゴイ横Gだよ!!

いや~~~、とにかく本当にスゴイ!

(※いやマジで、清水さんはこれしか喋っていないんです(汗)。ニヤニヤ、ウキウキと全開ドライブするだけで大満足だったようで!)

●ポルシェスペシャリストは全開アタックでも平然としている

PORSCHE911 GT3 RS×清水和夫
元ポルシェワークスドライバーであり、現在、ポルシェのアンバサダーのヨルグ・ベルグマイスターさんのドライビングは実にスムーズ

清水さんが堪能した3LAPに続き、動画は2003年、911 GT3 RSにてデイトナ24時間レースを制した元ポルシェワークスドライバーであり、現在、ポルシェのアンバサダーを務めるヨルグ・ベルグマイスター(Jörg Bergmeister)さんドライブによるスーパーラップへと続きます。

この方のドライビングがまた、なんの苦労もなく(見える)手足のように911 GT3 RSを扱う…惚れてしまいそうです♪

●『頑固一徹学校』で語られた、ポルシェ911 GT3 RS試乗とポルシェ社上場の話

このポルシェ911 GT3 RS国際試乗会から帰国後すぐの、毎週金曜日20時よりYouTubeで生配信されている『頑固一徹学校』の9月30日配信回では、試乗会のこと、そしてポルシェ社上場の話が語られています。


PORSCHE911 GT3 RS×清水和夫
3LAPのタイムアタックは、Porsche Track Precisionアプリによりモニター上に表示される。ちなみにアプリの使用はレーストラックなどのクローズドコースでのみ許可されています

「GT3」で思い起こすこと、最初に996水冷のGT3が出たのは確か2003年かな。その時、ル・マンの本物のGTブロックを使った凄いGT3でした。

当時はトラコンくらいはあったけど、横滑り防止装置っていうものは付いていなくて、ABSと最小限の電子制御のクルマでした。それを、確かイタリアのサーキットで試乗会があったので、最初のGT3の試乗会の思い出っていうのはすごくありますね。

PORSCHE911 GT3 RS×清水和夫
あ、このハーフスピンは清水和夫さんではありません!

その後ポルシェは、996前期/後期、997前期/後期、991前期/後期、992前期、という風に、必ずGT3は出してくるんですけど、そのGT3にはさらにその上のRS(Renn Sport/英語ではレーシングスポーツ)というモデルがあって、こっちはもうロールバー付きで軽量化もされて。

そういうクルマ(GT3、GT3RS)の国際試乗会にばかりを、ここ20年くらい行っています。

PORSCHE911 GT3 RS×清水和夫
DRS(ドラッグリダクションシステム)は、多数の炭素繊維強化プラスティック(CFRP) 製コンポーネントによる一貫した軽量設計がされている

今回は本当に凄かった! ついにDRS(ドラッグリダクションシステム)が付きました。

エンジンと軽量化には限界がありますから、これ以上速くするためにはもう空力特性を生かす、というところにきたんですね。このDRSが付いているので、やっぱ凄いクルマになっています。

●ポルシェ社が正式に新規株式公開、時価総額は10兆円で世界第4番目(くらい)へ

ちょうどシルバーストーンで911 GT3 RSに乗っているさなか、9月29日にフランクフルト証券取引所において、ポルシェが正式にIPO(新規株式公開)、上場しました。

PORSCHE911 GT3 RS×清水和夫
PORSCHE911 GT3 RSのフロントビュー
PORSCHE911 GT3 RS×清水和夫
PORSCHE911 GT3 RSのリヤビュー

最初の価格で時価総額10兆円。ちなみに、テスラが100兆円超えていて、トヨタが60とか70兆円で2番目、3番目くらいにフォルクスワーゲンかGMがいて、ポルシェは4番目くらい。

PORSCHE911 GT3 RS×清水和夫
車高変えて更に車高短にするのか?と思ったら、油圧リフトシステムフロントを40 mm持ち上げ、縁石やスロープ、駐車場入り口に対応させるそうです

ポルシェが上場したことによって当然、その株を持っている親会社と言われるフォルクスワーゲンにもお金が入るんですけど、でも、フォルクスワーゲンの社主は、またその上に『ポルシェ家』、元々フェルナンド・ポルシェの妹さん系と長男系のふたつの家があるんですけど、徳川で言うところの水戸と紀州、みたいな感じで。

このふたつのポルシェ家がまたフォルクスワーゲンをホールディングしていますから、そういったところに資金も入っていくんでしょう。

●ポルシェは最後までエンジンを作り続けるので、ご安心を!

PORSCHE911 GT3 RS×清水和夫
タイヤサイズはフロント275/35ZR20/リヤ335/30ZR21。ホイールの中には宇宙一のブレーキシステムが収まる

今回の試乗会でエンジニアといろんな話をしたんですけど、ポルシェという自動車メーカーは、タイカンとかEVと言っていながら、エンジンを作ったエンジニアは「自分はNA専門家だ」と。で、やっぱり社内にはターボ専門家もいると。もちろん、EV専門家もいる。

だから、「EV、EV」とは言いながらも、やはりこよなく9000rpm回るエンジンを作り続けて、それを楽しむ。だから2面性を持っているんですね。

PORSCHE911 GT3 RS×清水和夫
ブラックのコクピットもいちいちカッコイイ♪

これだけ電動化みたいなことを言われていて、「エンジン車はどうなるんだ?」って聞いたら、なるほどな!というような微妙な言い方をしていました。

「この世の中で、最後のエンジン車は911になるだろう」と。

他が全部バッテリーEVでも、911は最後までエンジンにこだわり続けていくよ、ということ。でも「その先は?」って聞くと、「ン~…」という言い方をしていました。

PORSCHE911 GT3 RS×清水和夫
PORSCHE911 GT3 RSはレーシングカー以上のレーシングカー

ですから、ポルシェの本音は、やっぱり911とかボクサー、ケイマンのようなフラット6のエンジンを作り続けていきたいんだな!というのは、もうヒシヒシと伝わってきましたね。

ということで皆さん、ご安心ください! というかですね、ポルシェはそう簡単にエンジンは止めないと思います。


気持ち良くシルバーストーンを全開でテストする清水和夫さんの動画を見たら、「やっぱりエンジン車の凄いの、バンザイ!」と叫びたくなりますよ!

(試乗:清水 和夫/動画:StartYourEnginesX/アシスト:永光 やすの

PORSCHE911 GT3 RS×清水和夫
PORSCHE911 GT3 RSの主なスペック

【SPECIFICATIONS】
ポルシェ911 GT3 RS
全長×全幅×全高:4572×1900×1322mm
ホイールベース:2457mm
トレッド(前/後):1630/1582mm
車両重量:1450kg
乗車定員:2名
エンジン種類;水平対向6気筒
内径×行程:102×81.5mm
総排気量:3996cc
最高出力:386kW(525ps)/8500rpm
最大トルク:465Nm/6300rpm
燃料タンク容量:64L
駆動方式:後輪駆動
ミッション:7速PDK
サスペンション形式(前/後):ダブルウイッシュボーン/マルチリンク
ブレーキ(前/後):ベンチレーテッドディスク/ベンチレーテッドディスク
タイヤサイズ(前/後):275/35ZR20/335/30ZR21
最高速度:296km/h
0-100km/h加速:3.2秒
0-160km/h加速:6.9秒
0-200km/h加速:10.6秒
車両本体価格(税込):31,340,000円

【関連記事】

この記事の著者

清水和夫 近影

清水和夫

1954年生まれ東京出身/武蔵工業大学電子通信工学科卒業。1972年のラリーデビュー以来、スーパー耐久やGT選手権など国内外の耐久レースに参加する一方、国際自動車ジャーナリストとして活動。
自動車の運動理論・安全技術・環境技術などを中心に多方面のメディアで執筆し、TV番組のコメンテーターやシンポジウムのモデレーターとして多数の出演経験を持つ。clicccarでは自身のYouTubeチャンネル『StartYourEnginesX』でも公開している試乗インプレッションや書下ろしブログなどを執筆。
続きを見る
閉じる