ヨーロッパでは9割以上がディーゼル! その背景にあるものは?【BMW X5 xDrive35d BluePerformance】

ディーゼルというと、すぐに石原都知事の黒いススを手にしたパフォーマンスがいまでも思い浮かばれます。

やや効き目があり過ぎた感はありますが、当時から将来的には高圧噴射+後処理は必要だろうと専門家は申しておりました。

つまり、違っていたのはそこに至るまでに、日本ではディーゼル乗用車が根絶されるたかどうかって気がしてます。

しかし、根絶させられたほうはたまったもんじゃありませんよね。特に国産メーカーは、日本にはないマーケットのエンジンを開発していかなければならなかったんですよね。プロが給料をもらえない丁稚として働くようなもんでしょうか。

以前はゴルフ、メルセデスベンツ、BMWなどもディーゼル車が日本の道を走っていましたが、すっかり見なくなってしまいました。

けれど、ヨーロッパのディーゼル排ガス基準と日本のそれがほぼ一緒(ややヨーロッパのほうが厳しいとか)になり、やっと日本でもヨーロッパでもほぼ同じ仕様のディーゼル車が販売できるようになったようです。

そういうと石原都知事のやったことがただのイジメのようにも聞こえますが、なるべく輸送コストを下げたい運送業者などとの癒着を断ち切らねばならないことを考えると、やむを得ない副作用だったのかも知れません。

しかし、その副作用の影響はご存知の通りいまも日本に残っており、原油を精製して出て来た軽油は輸出しているという事実もあります。

BMW X5の海外でのディーゼル比率は以下のようです。

ヨーロッパでは主要国で9割以上がディーゼルとなっています。ガソリン車は「余程マニアックなガソリンエンジン好き」が買うようなイメージだとか。。。

このような傾向は、以前のような国境の感覚が無くなってから顕著になったとのことです。

そうして増えていったディーゼル比率は、最近のヨーロッパでは安定して来ているそうです。例えば日本的なプレミアム感でステータス性を持ってディーゼルが選ばれてるのかな、と思ったらそうでもなく、それよりも実質的な燃費の良さ、長く乗れば元が取れる、当然の選択として選ばれているんだとか。

 

さて、そんな環境で育て上げられた、「New X5 xDrive35dBluePerformance」は素晴らしいデキでした。

乗った印象はまた改めてお届けします。

(小林和久)

 

この記事の著者

小林和久 近影

小林和久

子供の頃から自動車に興味を持ち、それを作る側になりたくて工学部に進み、某自動車部品メーカへの就職を決めかけていたのに広い視野で車が見られなくなりそうだと思い辞退。他業界へ就職するも、働き出すと出身学部や理系や文系など関係ないと思い、出版社である三栄書房へ。
その後、硬め柔らかめ色々な自動車雑誌を(たらい回しに?)経たおかげで、広く(浅く?)車の知識が身に付くことに。2010年12月のクリッカー「創刊」より編集長を務めた。大きい、小さい、速い、遅いなど極端な車がホントは好き。
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