世界で一番売れているミニバンは中国の上海GM製です。

中国のメディアである「人民網」が、米メディア「フォーブス」発表の2011年世界自動車販売ランキングに中国内での販売数を併記するカタチで発表しています。

その中で、世界ランキング1位はトヨタ カローラ102万台(中国では17万台。カローラEXを加えると29万台)、2位はヒュンダイ エラントラ(中国では30万台)と、ともにセダンタイプの乗用車となりますが、3位にミニバンである上汽通用五菱汽車の「五菱之光」(Wuling Sunshine)がランクイン。

「五菱之光」は、その販売台数はなんと94万3000台。その全てが中国国内での販売数です。中国で最も売れている車は、世界で最も売れているミニバンということになるわけです。

「五菱之光」というクルマ、中国専用車なので日本には全く馴染みがありません。
簡単に紹介すると日本の軽自動車のホイールベースを少し延長したくらいのボディーに、1.2リッターエンジンを積んだ6人乗りのミニバン、ということになります。
日本で近い車種と言うと、スズキのエブリランディやダイハツのアトレー7、スバルのドミンゴということになります。どれも日本では生産終了の車種ですが、グローバルに見れば圧倒的な市場があったということになりますね。

中国国内に特化したつくりでかなりコストダウンが図られているようで、新車価格は日本円で50万円前後。新興国向けの戦略車種としてGMではインドでの生産も考えているとか。

このクルマ以外にもセレナサイズのミニバンも売れているようで、そのおかげかGMは2011年の中国シェアトップとなっています。
世界シェアもトップですから中国での成功はかなり効いているようです。

こういう車種を見ていると、日本メーカーの新興国向け戦略って大丈夫なのかなぁ、という気になってきます。ハッチバックのコンパクトカーばかりですからね。むしろ「五菱之光」というスーパーカブ的使い勝手のクルマが求められているのではないでしょうか?

人民網 2011年自動車販売ランキング
http://j.people.com.cn/94476/7701260.html

(北森涼介)

この記事の著者

松永 和浩 近影

松永 和浩

1966年丙午生まれ。東京都出身。大学では教育学部なのに電機関連会社で電気工事の現場監督や電気自動車用充電インフラの開発などを担当する会社員から紆余曲折を経て、自動車メディアでライターやフォトグラファーとして活動することになって現在に至ります。
3年に2台のペースで中古車を買い替える中古車マニア。中古車をいかに安く手に入れ、手間をかけずに長く乗るかということばかり考えています。
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