■初心者にもやさしい、気軽に参加できるダートラの世界
30年近い歴史を持つ「ダート4時間耐久シリーズ」が、4月10日(日)に開幕しました。
全6戦が予定されているこのシリーズは、福井県にあるオートパーク今庄で毎年開催されており、今年の開幕戦は、当初3月13日(日)に予定されていましたが、まん延防止等重点措置のために開催を5月8日(日)に延期されました。そのため、4月10日(日)に開催されたこの第2戦が先行して開催となり、実質の今季開幕戦となりました。
今回は18台が参加。参戦車両は、スズキ・スイフトやマツダ・ロードスター、デミオ、ベリーサ、さらにはトヨタ・ヴィッツにファンカーゴ、そしてパッソにカローラIIといった車両です。
このシリーズでは、4点式以上のシートベルトが必要となりますが、スピードレンジも低くロールケージも推奨ということで、装着の義務はありません。
そのため、リーズナブルな中古車を見つけてきて参戦するというチームも多く、レースに参戦する車両というとMT車のイメージですが、AT車も多いようです。
それでもダートラですから、無理なレース展開をすれば、接触であったり、コースアウトであったり、それなりに車両のダメージを負うこととなってしまいます。そういったことが頻発するダートラの世界ですから毎戦車両が変わってくるチームもあります。
ただ、耐久レースは最後まで車両をきちんと走らせなければならないわけで、そのためには、ムキにならず、無理をせず、要所要所で引くことも必要とトップチームの関係者は語ってくれました。
耐久レースにつきもののピット作業ですが、このシリーズでは車両の排気量によってピットインの義務回数が決められています。最も少ないのは排気量~1000ccの5回、最大では排気量1501cc~1600ccの8回となります。
1回のピット滞在は最低2分。作業時間は1分半ほどになり、この時間でドライバー交替と、フロントウインドウの清掃やラジエター前部の泥取りといった車両のメンテナンスを各チームが行うことになります。
午前10時10分過ぎにスタートしたレースは、散水をしてもすぐに乾いていってしまうため、都合4回の散水車が入りました。散水の際にレースは中断され、レースは同一周回の場合、リセットされます。
前を急ぎつつ、でもクラッシュをしないよう。また団子状態になったトラフィックとは距離を取りつつ、と難しい駆け引きを要求されます。もちろん、変わっていく路面状況も見ながらの的確なドライビングテクニックも必要で、ダートラの奥の深さを実感できるレースとなります。
4時間を無事に走り切って総合優勝したのは、エキスパートクラスに参戦したトヨタ車体の社内チーム「クルーザーズ」の「#2 TABクルーザーズ・1号車」のヴィッツ。今回このクルーザーズは2台の車両を持ち込んだものの、もう一台のファンカーゴは41周目のクラッシュでリタイア、と明暗が分かれることとなりました。
スポーティングクラスを優勝したのは「#66チームワンダーランド」。総合優勝から1周差の206周を走り、スポーティングクラス優勝でかつ総合3位となりました。
こちらは大阪のダートラチームであるワンダーランドが若者にもダートラの機会を設けようということで参戦をしているもので、今回もチームOBらとともに若者と一緒に参戦しました。
このもっと門戸を広げようという思いは、オーガナイザーにもあり、ダートラに挑戦してみたいという向きに向け、格安でダート耐久へ参戦できるよう、車両のレンタルによる参戦の用意もしているといいます。
また、まずはダートラを見てみたいという人向けのオフィシャル・スタッフも同時に募集しているので興味があれば問い合わせをしてみてください。
次戦は本来の開幕戦、5月8日(日)にこの同じオートパーク今庄で開催となります。
(青山 義明)