2022年に乗りたい! ツーリングに最適な新型の国産バイク5選

■1100ccから250ccまで新型ツアラーをピックアップ

まだまだ寒い時期が続きますが、あと1カ月ちょっともすれば、バイク好きが待ち望む春のツーリングシーズンが到来します。そして、2022年は、ツーリングに最適な新型バイクも目白押し。

ツーリングに最適な2022年新型の国産バイク5選
スーパースポーツのエンジンを搭載する注目のツアラーがスズキ・GSX-S1000GT

ここでは、発売したばかりの新型車から近日登場の注目モデルまで、バイク旅に最適な最新バイクをピックアップして紹介しましょう。

●スズキ・GSX-S1000GT

まずは、スズキが2021年9月に世界同時発表した新型の1000ccスポーツツアラー「GSX-S1000GT」から。

ツーリングに最適な2022年新型の国産バイク5選
スズキ・GSX-S1000GT

このモデルは、フルカウルのストリートバイク「GSX-S1000F」を全面改良した全く新しいコンセプトのスポーツツアラーです。

注目は、スーパースポーツ「GSX-R1000」譲りの999cc・水冷4サイクル直列4気筒エンジンを搭載すること。

元々パワフルなエンジンを低速域からでも使いやすいスムーズなトルク特性に調律し、高揚感のある加速性能と扱いやすさを実現しています。

最高出力は112kw(約152.2ps)/1万1000rpm、最大トルクは106N・m(10.8kgf-m)/9250prmを発揮。欧州仕様車では、最新の排ガス規制「ユーロ5」にも対応しています。

また、最新の電子制御システム「S.I.R.S.(スズキ・インテリジェント・ライド・システム)」も採用し、高い安全性や快適性を実現します。

主な機能には、出力特性を3つのモードから選択できる「SDMS(スズキドライブモードセレクター)」や、制御量を5段階から選択できる「トラクションコントロールシステム」、クラッチレバーを操作しなくてもシフトアップ/ダウンできる「双方向クイックシフトシステム」などを搭載します。

さらに、スロットルの操作不要で設定速度を維持する「クルーズコントロールシステム」も新採用し、高速道路などでの高速巡航走行でライダーの負担軽減に貢献します。

ほかにも、走行風を低減するフロントスクリーン、スマートフォンと連携できる新型メーターなども装備。車体サイズは、全長2140mm×全幅825mm×全高1215mmで、ホイールベースは1460mm。装備重量は226kgです。

日本への発売時期は未定ですが、すでに海外では2021年10月から発売されている注目モデル。

国内の販売価格も現時点では分かりませんが、イギリス仕様が1万1599ポンド(約176万円)ですから、日本でも近い価格になることが予想されます。登場が楽しみですね。

●ホンダ・NT1100

こちらも、ホンダが海外で先行販売していた1100cc・2気筒エンジン搭載のスポーツツアラーで、2022年3月17日(木)に国内でも発売されます。

ツーリングに最適な2022年新型の国産バイク5選
ホンダ・NT1100

ベースとなったのは、アドベンチャーモデルの「CRF1100Lアフリカツイン」。

オン/オフ両方で高い走破性を実現する人気モデルのエンジンやシャーシを採用し、長距離ツーリングなどでの快適性を追求した装備が光ります。

外観デザインには、シンプルながらキャラクターラインを強調させるデザインを施すことで、引き締まった印象と軽快さを演出。

ライダーの好みにあわせて高さと角度を5段階に手動で調整可能な大型ウインドスクリーンの採用などで、ツーリング時の疲労度も軽減します。

エンジンには、動弁系にユニカム形式を採用した排気量1082cc・2気筒を搭載。トルクフルなアフリカツインの大排気量エンジンをベースに、吸排気系を専用設計することで低速から豊かで幅広く使えるトルクと高回転までスムーズに回る特性を実現します。

動力系では、ほかにも、クラッチレバーとチェンジペダルによる変速操作をなくし自動化する機構「DCT(デュアル・クラッチ・トランスミッション)」を標準装備。

いわばクルマのATのようなシステムで、スロットル操作などほかの車体操作に集中できることで、より確実で安心感あるライディングを楽しめます。

ちなみに、運転するときの免許はAT限定大型免許でもOKで、より幅広いライダーが楽しむことができます。

ツーリングに最適な2022年新型の国産バイク5選
NT1100のサイドビュー

ほかにも、走行状況に応じた出力特性を選択できるライディングモードも設定。タンデム走行などでの快適な加速感を重視した「ツアー」、オールラウンドな特性の「アーバン」、雨天時などの走行に適した「レイン」、自分好みのモード設定が可能な「ユーザー」の4タイプを用意し、さまざまな天候や道路状況に対応します。

さらに、メーターには、6.5インチタッチパネル式TFTフルカラー液晶のマルチインフォメーションディスプレイを採用。

Apple CarPlayやAndroid Autoにも対応するため、スマートフォンをUSBケーブルで接続すれば、メーター内でスマホのアプリを使うこともできるほか、ブルートゥース接続も可能です。

車体色は「マットイリジウムグレーメタリック」と「パールグレアホワイト」の2色。価格(税込)は168万3000円です。

●ホンダ・CRF1100Lアフリカツイン

ホンダのアドベンチャーモデル「CRF1100Lアフリカツイン」は、オンロードはもちろん、悪路走行も含めた幅広いフィールドでのツーリングに最適なモデル。2022年には、そのマイナーチェンジモデルも発売されます。

ツーリングに最適な2022年新型の国産バイク5選
ホンダ・CRF1100LアフリカツインDual Clutch Transmission<s>

特徴は、まず、上で紹介したNT1100にも搭載されている1082cc・2気筒エンジン。市街地や未舗装路面での扱いやすさと、高速道路でのロングツーリングでも快適な余裕の走りには定評があります。

また、6.5インチタッチパネル採用の液晶メーターや、オプションのトップボックスにも対応したアルミ製リヤキャリアなど、実用性が高い装備も魅力です。

日常の足から高速道路、最近人気のキャンプなど、さまざまなシーンに対応する使い勝手のよさが光ります。

ラインアップには、スタンダード仕様の「CRF1100Lアフリカツイン」、電子制御サスペンション仕様の「CRF1100Lアフリカツイン アドベンチャースポーツES」を用意。

また、それぞれに、クラッチ操作と変速操作を自動化しオートマチック車のように乗れる「DCT(デュアル・クラッチ・トランスミッション)」仕様も設定することで、豊富なバリエーションを誇ります。

その2022年モデルでは、全タイプがブルートゥース接続によるアンドロイドオートに対応。従来からライン接続によるアップルカープレイにも対応していたことから、より幅広いスマートフォンを使うことが可能となり、より利便性が向上しました。

また、ヘッドライトには、デイタイムランニングライトを採用することで、昼間におけるフロントビューの存在感と高い被視認性を実現します。

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ホンダ・CRF1100Lアフリカツイン アドベンチャースポーツES

加えて、今回のマイナーチェンジでは、ロングストロークサスペンションの採用で、よりオフロード性能を高めた「CRF1100Lアフリカツイン<s>」と「CRF1100Lアフリカツイン アドベンチャースポーツES<s>」も設定。

各タイプにはDCT搭載タイプも用意し、それぞれ受注期間限定で発売します(受注期間は1月13日(木)から3月31日(木)まで)。

価格(税込)は、CRF1100Lアフリカツインのスタンダードが163万9000円、DCT搭載タイプが174万9000円で、それぞれ4月21日(木)に発売。

CRF1100Lアフリカツイン アドベンチャースポーツESは、スタンダードが194万7000円、DCT搭載タイプが205万7000円で、1月27日(木)よりすでに発売中。

受注期間限定モデルでは、CRF1100Lアフリカツイン<s>は、スタンダードが163万9000円、DCT搭載タイプが174万9000円。
CRF1100Lアフリカツイン アドベンチャースポーツES<s>では、タンダードが194万7000円、DCT搭載タイプが205万7000円で、5月20日(金)に発売されます。

●ヤマハ・FJR1300AS/A

お次は、ヤマハの1300cc大型スポーツツアラー「FJR1300AS」と「FJR1300A」。

発売から20周年を迎えたロングセラーモデルですが、2022年2月10日に発売される特別仕様「20thアニバーサリー・エディション」を最後に、国内仕様は生産終了となることが発表されました。

ツーリングに最適な2022年新型の国産バイク5選
ヤマハ・FJR1300AS「20thアニバーサリー・エディション」

FJR1300は、欧州などで高い人気を誇ったヤマハの高速ツアラーです。1984年発売の「FJ1100」、1991年発売の「FJ1200」の直系モデルとして2001年に登場。

当初は、欧州など海外向けのみの販売でしたが、日本でも高速道路2人乗り解禁などによりツーリング指向が高まったことで、2013年に国内仕様が正式導入されました。

現行モデルのエンジンには、最高出力147ps/8000rpm・最大トルク14.1kgf-m/7000rpmを発揮する1297cc・水冷4気筒を採用。

高速道路などでの余裕ある走りと、WMTCモード値16.6km/Lという優れた燃費性能を両立します。

また、電動で上下130mmの間でスライド可能なスクリーン、ライダーの好みに応じて3段階・前後30mmの範囲で調整可能なハンドルポジションなどにより、快適な高速走行性能も実現します。

加えて、数々の電子制御システムを採用。たとえば「YCC-T(ヤマハ電子制御スロットル)」は、ECUがライダーのアクセル操作を検知し、最適なスロットルバルブ開度を瞬時に演算することで、滑らかなトルク特性を実現します。

ほかにも、長距離ツーリングや市街地での扱いやすさを重視した「Tモード」、パワー感やスポーティな走行フィーリングなどが楽しめる「Sモード」から選択できる「D-MODE(走行モード切替システム)」も装備。

これらにより、ワインディングから高速道路まで、幅広い道路状況で走りを堪能できます。

ラインアップには、スタンダードのFJR1300Aと、クラッチ操作不要でシフトチェンジが可能な「YCC-S(ヤマハ電子制御シフト)」を装備したFJR1300ASを用意。

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ヤマハ・FJR1300A「20thアニバーサリー・エディション」

特に、ASは、まるで4輪のオートマ車のように、アクセルやブレーキ操作に集中できることで、長距離走行などでも快適なイージーライディングが楽しめます。

そんなFJR1300AS/Aの最終モデル、特別仕様の「20thアニバーサリー・エディション」では、ボディカラーにブラックメタリックXを採用。

「FJR」ロゴや前後ホイール、タンク天面の20周年記念エンブレムにはすべてゴールドをあしらうことで、特別感を演出します。

また、専用ステッチ&エンボス加工を施した専用シートも装備。フューエルリッドやレバー、フートレストには、ブラックのコンポーネントカラーも採用しています。

価格(税込)は、FJR1300A 20thアニバーサリー・エディションが165万円で、FJR1300AS 20thアニバーサリー・エディションが198万円。なお、現行モデルのFJR1300AとFJR1300ASも継続販売されます(154万円〜187万円)。

●カワサキ・ヴェルシスX250ツアラー

ここまでは、大排気量のツアラーモデルを紹介してきましたが、初心者やリターンライダーには、扱いやすい250ccモデルもおすすめです。

2022年の新カラーが2月1日から発売中のカワサキ「ヴェルシスX250ツアラー」もそんな1台。気軽にバイク旅を楽しむにはもってこいのモデルです。

ツーリングに最適な2022年新型の国産バイク5選
カワサキ・ヴェルシスX250ツアラー

このモデルは、アドベンチャースタイルのツーリングバイクで、オンロードをはじめ、オフロードでも高い走破性を実現することが魅力です。

エンジンには、248cc・水冷4ストローク並列2気筒を搭載。最高出力は33psで、スムーズなパワー特性と低回転域での粘り強さにより、初心者などでも快適な走りを味わえます。

足まわりには、ロングストロークのフロントサスペンションとリンク式リヤサスペンションを採用。軽量な車体と組み合わせることで、様々な路面状況で高い安定性を実現します。

また、パニアケースやエンジンガードなど、数多くのアクセサリーも標準装備。日常使いからツーリングまで、幅広いシーンで高い利便性も誇ります。

ツーリングに最適な2022年新型の国産バイク5選
ヴェルシスX250ツアラーのサイドビュー

そんなヴェルシスX250ツアラーのカラーバリエーションには、新色として2色が用意されています。

「キャンディライムグリーン×メタリックフラットスパークブラック」はカワサキらしさが満点、「メタリックオーシャンブルー×パールロボティックホワイト」は鮮烈なイメージを演出します。

価格(税込)は、いずれのカラーも72万6000円です。

(文:平塚直樹

この記事の著者

平塚 直樹 近影

平塚 直樹

自動車系の出版社3社を渡り歩き、流れ流れて今に至る「漂流」系フリーライター。実は、クリッカー運営母体の三栄にも在籍経験があり、10年前のクリッカー「創刊」時は、ちょっとエロい(?)カスタムカー雑誌の編集長をやっておりました。
現在は、WEBメディアをメインに紙媒体を少々、車選びやお役立ち情報、自動運転などの最新テクノロジーなどを中心に執筆しています。元々好きなバイクや最近気になるドローンなどにも進出中!
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