目次
■旧車の燃費とガソリンに関する調査
国産旧車のブームが続いています。特に、最近は日産「スカイラインGT-R」のR32型(1989年発売)やR34型(1999年)、マツダ「RX-7」の3代目FD型(1991年発売)など、1980年代から2000年代前半に生産されたスポーツモデルの需要が世界的に高く、中古車価格も高騰。
なかには1000万円を優に超える価格で取り引きされている車体もあるほどです。
そんな人気の旧車ですが、よく現行車と比べると「燃費は劣る」といわれていて、特にガソリン価格が高騰する昨今では、かなりランニングコストも掛かることが伺えます。
また、旧車の中で人気が高いスポーツカーなどには、ハイオクガソリン指定のモデルも多いのですが、旧車愛好家の人たちは愛車にどんな油種を入れている人が多いのでしょうか?
旧車に特化した買取サービス「旧車王」を運営するカレント自動車では、旧車に興味のある男女159名を対象に、旧車の燃費とガソリンに関する調査を実施。
その結果、愛車にハイオクガソリンを入れている人は全体の66.0%、愛車の燃費は9km/L以下が最多であることなどが分かりました。
●旧車ファンにはスポーツカー乗りが多い!?
今回の調査は、2022年1月7日〜2022年1月13日の期間、前述した旧車に興味のある男女159名を対象に、アンケート形式で行われたものです。なお、ここでは「2010年式以前のクルマ」を旧車と定義しています。
まず、アンケートでは、「現在所有している、または過去に所有していた旧車の燃料」について質問。結果は以下の通りです。
1位:「ハイオク」 66.0%
2位:「レギュラー」 26.4%
3位:「軽油」 7.5%
「ハイオク」と回答した人が全体の約2/3と圧倒多数ですよね。やはり旧車と呼ばれる領域で人気のある車種はスポーツタイプのクルマが多いのでしょう。こうした傾向は、旧車に乗っているユーザーならではなのかもしれません。
また、7.5%が「軽油」と答えていますが、古いディーゼル車は首都圏などでは規制があり乗れない車種もあります。
一方、最近は、たとえばトヨタ「ランドクルーザー」の旧車なども人気で、特に1980年発売の60系や1989年発売の80系は中古車価格もかなり上がっているといわれています。
おそらく、「軽油」と答えた人は地方在住で、ランドクルーザーのような昔のクロスカントリー系モデルに乗っている人が多いことが伺えます。
●燃費「10km/L以上」も28.3%
調査では、また、「現在所有している、または過去に所有していた旧車の燃費」についても聞いています。結果は次のようになりました。
1位:「7〜9km/L」 38.4%
2位:「4〜6km/L」 28.3%
2位:「10km/L以上」 28.3%
4位:「3km/L以下」 5.0%
「7〜9km/L」が38.4%で最多ですが、「10km/L以上」も「4〜6km/L」と並んで2位に入っています。
旧車は、現行の車種に比べて燃費の良さに重点を置いて作られていないとか、前述のようにスポーツカーが多いといわれますが、調査では旧車の中にも「10km/L以上」の好燃費を記録する車種もあることが分かります。そうしたクルマは、特別に燃費が悪すぎるというわけではないでしょうね。
ただし、逆の見方をすると、やはり「10km/L以上」と回答した人は全体の約30%程度。70%の人が持つ旧車では、最新の新型車や高年式車ほどの燃費性能ではないことがいえます。
このように、旧車オーナーの多くは、燃費が現行車などより悪くても、愛車にハイオクを入れる傾向にあるようです。
せっかく所有している貴重なクルマですから、高いからといって燃料も妥協しないのでしょうね。ハイオク指定のクルマでは、レギュラーを入れるとエンジンの調子が悪くなるなど、故障の原因にもなりますしね。
●旧車好きが利用するガソリンブランドは?
ちなみに、今回の調査では、旧車好きのユーザーがよく利用するガソリンブランドも聞いていますが、1位は「ENEOS」の44.0%で、2位となった「昭和シェル石油」の18.9%を大きく引き離したそうです。
調査を行ったカレント自動車によれば、「国内で最も多い店舗数を誇るガソリンスタンドなので、多くのユーザーがENEOSを利用していることが伺える」と言及。
また、今回の調査では、愛車にハイオクを入れる旧車ユーザーが多かったのですが、カレント自動車では「ハイオクはブランドによってオクタン価が変わってくるなど走行性能にも影響してくることから、そのような観点でガソリンブランドを選択しているユーザーもいるのではないかと推察できます」といった分析をしています。
(文:平塚直樹 *写真はすべてイメージです)