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■80〜90年代に大人気のホットハッチ
お笑いコンビ「ロンドンブーツ1号2号」の田村亮さんが、自身のYouTubeチャンネル「田村亮のYouTube」で、愛車のトヨタ「スターレットターボS」を紹介する動画が人気です。
スターレットターボSといえば、1980年代後半から1990年代初頭に当時の若者を中心に大人気となったクルマで、49歳アラフィフの亮さんも若い頃に憬れた1台だったとか。
動画は、クラシックカー専門店で見つけ購入する回や、納車の回、お笑いコンビ「スピードワゴン」井戸田潤さんとドライブする回など、いくつかのバージョンがあり、いずれも亮さんがテンション超アゲアゲで、とっても楽しそうです。
また、視聴者からも「スターレット羨ましい」とか「見ててワクワクする」など、亮さんがはしゃぐ姿を自分のことのように喜ぶような反響が寄せられています。
亮さんはじめ、多くの視聴者の心を今でもグッとつかんでいる、スターレットターボSとは一体どんなクルマなのでしょうか?
●大衆FF車ベースのスポーツモデル
亮さんが購入したスターレットターボSは、トヨタの大衆車「スターレット」の3代目(1984年発売)をベースとしたスポーティバージョン。当時、大きな人気を博していた「ホットハッチ」と呼ばれるジャンルに属します。
ホットハッチとは、5ドアや3ドアなどのハッチバックのFF大衆車をベースとし、ターボエンジンなどを搭載することで、軽い車体と相まって優れた動力性能を発揮するクルマのことです。
主に1980年代から1990年代に日本で一斉を風靡したジャンルで、コンパクトカーがベースのため、比較的安く購入できたことも魅力。しかもワインディングやサーキットなどでは、高価な本格的スポーツカーに迫る俊敏な走りも発揮したことで、多くの若者が虜になりました。
ちなみに、当時ホットハッチと呼ばれるモデルは、スターレット以外にも数多く存在。ホンダの「シビック」や「シティ」、マツダ「ファミリア」、日産「パルサー」などをベースとしたスポーツ仕様が人気で、別名「ボーイズレーサー」とも呼ばれ親しまていたほどです。
●「韋駄天ターボ」の名に偽りなし
それらの中でも、スターレットターボSは、「スタタボ」の愛称で親しまれたホットハッチの代表格といえるモデルです。ベースは、前述の通り、先代までのFR駆動からFF駆動となった3代目スターレットで、1986年に「1300ターボS」の名称で発売されました。
大きな特徴は、1.3L・直列4気筒エンジンにインタークーラー付きターボを搭載したこと。3ドアハッチバックの軽量コンパクトな車体に、当時としては大パワーの105馬力を発揮するエンジンを組み合わせたことにより、その走りは軽快そのものでした。
また、過給圧を高低2段階に調整する「2モード・ターボシステム」の装備などで、街乗りからサーキットまで、幅広く対応する走行性能も魅力でした。
このモデルには、当時CMなどで「韋駄天ターボ」といったペットネームが付けられていましたが、まさにその売り文句に偽りなしの速さを発揮し、大きなセールスを記録しました。
なお、亮さんが購入した車体は、1988年式の5速MT車。エンジンなどにチューンを施しているのは、前々オーナーがレースにも出ていたからのようです。
ですが、修復歴はなく、車体下回りにもサビがないことから、この年代のクルマとしてはかなり状態がいいようです。
走行距離は13万kmで、購入価格128万円。10万km超えの古いクルマでも結構しますね。でも、こうした1980年代から1990年代のクルマは、これから乗れなくなる一方。MT車自体も減っていますしね。
そう考えると、好きな人にとっては、むしろ安いのかもしれません。
(文:平塚 直樹)