新型スイスポは、欧州ホットハッチと真っ向勝負するために誕生しました!【新型スズキスイフトスポーツのすべて/インプレッション編】


近年スズキは、欧州市場での展開に力を入れています。特に先代のスイフトから、欧州でも通用する走行性能を作り込んできました。そしてホットハッチとして登場したのが、車名にスポーツを冠する「スイフトスポーツ」で、今回が2代目になります。

まず新型スイフトスポーツが(個人的に)最も偉いと感じるのは、MT優先で開発したところで、5速から6速に進化してきました。

実は、このモデルが搭載する1・6ℓエンジンは、「低回転域のトルクもそれなりに強い一方で、4000rpm以上はさらに活発さを増す」という、意外にも高回転域を得意とする性格。こうしたキャラクターの心臓の“パワーゾーン”を「7200rpmに引かれたレッドラインまで引っ張れば、その上位ギヤに5000rpm以上でバトンタッチ」という繋がりの良いステップ比が刻まれた6速MT が、効率良く探り当ててくれるのだ。


もちろん4ATから変わった新搭載のCVTも「出足が良くて滑り感が少ない」、走り優先のセッティングになっているとのこと。さすが抜かりないですね。

フルアクセル領域ではきちんとエンジンのレッドラインまで回転を引っ張ることが可能である点。「そんなのは当たり前でしょ?」と言われるかもしれないが、実はCVTの大半は回転レッドラインの遥か手前でどんどんとアップシフトを行ない、結局エンジンのポテンシャルをフルに引き出すことはできないのが常だった。

また足回りでは、ショックアブソーバーにモンローを採用。ボディ剛性も要所要所を固め、コンパクトカーながらも17インチの偏平タイヤを履きこなしてきました。

ショックアブソーバーはモンロー製で、新たにフロント側にはリバウンドスプリングを内蔵。各部の剛性アップなどの効果と相まって、旋回時のロール角は15%減、ヨー応答性は30%の向上を果たしている。

振り返ると、かつて全盛を誇った日本のテンロクは、もはや数えるほどになってしまいました。スポーティー仕様はありますが、今のところ「本格派」と言える程研ぎ澄まされてはいません。激戦区の本場欧州に挑む本格派ホットハッチのスズキ・スイフトスポーツ、「VWポロに負けるな!」と「日の丸魂」丸出しでエールを送りたいと思います。

(拓波幸としひろ)