電磁誘導の公開実験/交通信号設置記念日/スバルが2代目レックス発表!【今日は何の日?8月20日】

■日本で本格的な交通信号機が設置「交通信号設置記念日」

電磁誘導の基本原理
電磁誘導の基本原理

1831年(天保2)年の8月20日、M.ファラデーが電磁誘導の公開実験を実施。コイルの中に磁石を出し入れすることで、コイルに繋いだ電流計の針が動き、電気が発生していることを証明しました。実験を見た人が、“それが何の役に立つのか?”と質問したのを受け、ファラディーは“生まれたばかりの赤ちゃんが何の役に立つと思いますか”と切り返したという逸話が残っています。クルマでも、点火装置や発電機、非接触充電器など多くの電気系装置に活用されています。

信号機
信号機

また今日は、「電気信号設置記念日」です。1931(昭和6)年のこの日、東京の銀座や京橋の交差点など34箇所に、3色(青・黄・赤)灯の自動信号機が設置されたことにちなんで制定されました。日本初の自動信号機は、1930年に東京の日比谷交差点に設置した米国からの輸入品ですが、翌年のこの日から本格的な信号機設置が始まりました。それ以前は、なんと「止まれ」「進め」の文字が書かれた標板を警察官が手動で回す仕組みだったそうです。

さて、クルマ界の今日は何があったのでしょう?

●富士重工のスバル・レックス2代目でRRからFFへ!

1981(昭和56)年のこの日、富士重工(現、スバル)が「スバル・レックス」の2代目を発表しました。

1981年発売の2代目レックス
1981年発売の2代目レックス
1979年発売の初代アルト
1979年発売の初代アルト。

その2年前の1979年、「軽ボンネットバン(軽ボンバン)」という新しいジャンルを開拓したスズキの新型車「アルト」が、衝撃の47万円という低価格で大ヒットします。軽ボンバンとは、物品税がかからない安価な乗用車スタイルの商用車のこと。これが空前の一大ブームとなり、各メーカーがこぞって軽ボンバンを市場に投入、富士重工もこのブームに乗り、1981年にレックスを軽ボンバンにモデルチェンジしたのです。

初代レックスは、1958年にデビューした名車「スバル360」→1969年発売の「スバルR-2」と、その流れを継いで1972年に登場しました。モデルチェンジした2代目レックスの最大の特長は、軽ボンバンのメリットを生かすために伝統的に採用してきたRR(リアエンジン・リアドライブ)を、FF(フロントエンジン・フロントドライブ)に変更したことです。最初に、リッターカー並みの室内空間を実現した軽ボンバンの「レックス・コンビ」を、その1ヶ月後に軽乗用車の「レックス・セダン」を発売。スズキ「アルト」とダイハツミラ」の2強を脅かす存在にはなりませんでしたが、その後、持ち前の富士重工らしいパートタイム4WDやターボモデルを追加し、個性的な軽自動車として注目を浴びました。

1984年発売の2代目レックス(4WDターボ)
1984年発売の2代目レックス(4WDターボ)

2代目レックスは、スバル伝統のRRからFFへの変更によって、室内空間を拡大してスペース効率を高めたことが画期的でした。その上で4WDやターボ化といった独自性の強い技術を採用、この頃からすでにスバルらしい個性的なクルマづくりが始まっていたのですね。

毎日が何かの記念日。それではまた明日!

Mr.ソラン

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Mr. ソラン

某自動車メーカーで30年以上、自動車の研究開発に携わってきた経験を持ち、古い技術から最新の技術までをやさしく解説することをモットーに執筆中。もともとはエンジン屋で、失敗や挫折を繰り返しながら、さまざまなエンジンの開発にチャレンジしてきました。
EVや燃料電池の開発が加速する一方で、内燃機関の熱効率はどこまで上げられるのか、まだまだ頑張れるはず、と考えて日々精進しています。夢は、好きな車で、大好きなワンコと一緒に、日本中の世界遺産を見て回ることです。
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