■標準化された給電機能で災害時も日常でもアウトドアでももっと便利に
トヨタの国内生産拠点であるトヨタ自動車東日本は、東北からヤリスやヤリスクロス、アクア、シエンタなどの開発、生産を担っています。トヨタの東北における、モノ作りの拠点といえるでしょう。
2021年7月30日、トヨタ自動車東日本の岩手工場で生産される新型アクアのラインオフ式がオンラインで開催されました。
初代アクアも岩手工場で生産されていました。岩手工場は東日本大震災で被災し、38日間生産がストップ。生産準備と重なった初代アクアは、トヨタ自動車東日本の設立と共にあり、非常に重要な記念すべきモデルでした。ラインオフは絶対に遅らせないという想いから、関係者全員で工場の復興とアクアの生産準備を成し遂げ、地域の人々に「東北復興の星」と呼んでもらえるクルマとして世に送り出しています。
初代アクアは、140万台を超える保有台数となり、トヨタの日本市場においてプリウスと共にハイブリッドを代表するモデルに成長したのは、ご存じのとおり。
トヨタ自動車東日本の宮内一公社長は、新型アクアも東北の未来を作る存在であり続けるとしています。
ビデオ出演したトヨタ自動車の豊田章男社長は「マスタードライバー」として、「とにかくいい感じだった」と語っています。
トヨタ自動車の社長としては「アクアといえば東日本大震災を思い出します。新型も東北復興の星であることに変わりなく、10年経って2代目が岩手で立ち上がることを本当にうれしく思います。新型は、初めて給電機能が全車に付いています。災害が起きた時、お客様が助かるだけでなく、回りの人の助けになるかもしれません。そんな方に出会えたらとてもいい気持ちになれる気がします」と、CMでも使われている「いい」というキーワードを使いながらラインオフ式にコメントを寄せています。
また、ラインオフ式には、新型アクアの企画担当者や新型アクアを試乗したトヨタ自動車東日本の女性従業員3名が参加し、「新型アクアのここがいい」という問いに「スタイルとカラー、走りがいい」。生活感を抱かせず、落ち着きのある「内装がいい」。「給電機能の標準装備がいい」とコメント。
給電機能の標準化に触れた方は、東日本大震災で被災し、寒さの中、携帯電話の充電やガソリンの残量を気にしながら過ごしたそうで、新型であれば災害時などでも簡単に給電機能を使うことができます。
最後に、「生産者一同、高い品質とこだわりをもって1台1台心を込めて作っていきます」とアクアへの想いが込められたラインオフ式でした。
(塚田 勝弘)