■「eSIM」が内蔵された通信機能や、同一車線内全車速運転支援システムの「トラベルアシスト」を標準化
4年ぶりにマイナーチェンジを受けたフォルクスワーゲン・ティグアン。2019年に91万1000台が生産され、ヨーロッパでベストセラーSUVに輝いています。
ここでは、内外装のデザインや装備をチェックします。
バンパーなどのフロントマスクが一新されたことで、ボディサイズは全長が15mm延び、全長4515×全幅1840×全高1675mmとなっています。さらに、ラジエターグリルが上側に拡大したことで、力強さが強調されています。
足元のアルミホイール(17、18、19、20インチ)のデザインも刷新されたほか、テールゲートの「VW」マーク下に「TIGUAN」の新しいロゴが配されています。
この車名ロゴは、アルテオン、パサートに続くデザインで、三菱エクリプスクロスも同じような車名ロゴを使っていて、流行といえるかもしれません。なお、以前お伝えしたように、新型レクサスNXには、「LEXUS」のロゴが配されています。
インパネでは、エアコンパネルがデジタル化され、タッチパネルとスライダーにより、指先で温度設定やブロア速度をスライドさせて操作できるなど、直感的なコントロールが可能になっています。
メーターも従来のアナログ式から大型ディスプレイのフルデジタルメータークラスターに進化。ナビ画面を大きく表示することもできるため、視線移動を抑制できるようになっています。
さらに、コネクティビティもアップデート。新たに「eSIM」が内蔵された通信機能により、常時接続ができるようになっています。
オンラインサービスの「We Connect」「We Connect Plus」により、ガソリンスタンドの価格情報や駐車場の満空情報などの入手が可能。さらに、専用アプリをインストールしたスマホを使えば、ドアの施錠や解錠、スピードアラート(設定以上の速度を知らせる)やエリアアラート(走行エリアを越えた際に知らせる)などの車両情報、スマホで検索した目的地をナビに送信できる機能などが使えます。
先進安全装備では、全車に標準装備される「Travel Assist(トラベルアシスト)」の採用がトピックス。パサートに続いて採用された同装備は、0〜210km/hまでの速度域で、ステアリング、ブレーキ、加速をシステムが担うドライバーサポートです。
アダプティブクルーズコントロール、レーンアシストがベースで、ハンズオフ(手放し運転)はできませんが、静電容量式タッチセンサーにより軽くステアリングを握っていれば、条件下なら作動を続けてくれる優れモノで、高速道路を使った同一車線内のドライブを文字どおりアシストしてくれます。
緊急時停車支援システムが日本向けのフォルクスワーゲン車として初採用されています。こちらは、ドライバーが急病などで意識を失うと、警告音と警告表示により注意を喚起したのち、ハザードとブレーキランプが点灯、さらにホーンを鳴らしながら同一車線内でクルマを減速、停止させる機能。
ほかにも、パサートに続き、LEDマトリックスヘッドライトの「IQ.LIGHT」が採用され、「TSI Elegance」以上に標準装備されています。32のLEDを個別にオン/オフすることで、対向車や先行車を幻惑せずに最適な配光が可能になります。
通常時615Lから最大時1655Lまで拡大する広々したラゲッジスペース、リヤバンパー下に足を入れる動作をすることでも開閉できるパワーテールゲートが搭載されるなど、高い利便性も新型ティグアンの魅力となっています。
(文・写真:塚田 勝弘)