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■取り付け角度など表示方法を規定
クルマのナンバープレートの取り付け位置など、表示方法に関する基準が変わることをご存じでしたか? 本来は、2021年4月1日から新基準が全面適用されることになっていたのですが、国土交通省は、新型コロナウイルス感染拡大の影響を理由に2021年10月1日以降に延長しました。
適用が延長はされたものの、新しい基準が設けられることに変わりありません。ここでは、実際にどのように取り付け方が変わるのかご紹介します。
●フレームやボルトカバーにも新基準
今回の新基準は、平成28(2016)年4月1日に施行された「道路運送車両法および自動車検査独立行政法人法の一部を改正する法律(平成27年法律第44号)」、それにナンバープレートについて表示する位置や方法の詳細について定めた「道路運送車両法施行規則等の一部を改正する省令および関連告示」によるものです。
内容は、ナンバープレートの取付け角度や装着するフレーム・ボルトカバーの大きさなどについて、明確な基準を定めたもの。基準はすでに施行されていますが、猶予期間として当初は2021年4月1日以降に初めて登録などをするクルマに対し適用する予定でした。
ところが、国土交通省は、3月9日に新型コロナウイルスの感染拡大により、国内の自動車購入需要が停滞したことなどを考慮して、猶予期間を延長することを発表。2021年10月1日以降に初めて登録などを受ける自動車に適用することに変更されました。
ちなみに、猶予期間を延長する告示は以下の通りです。
・「自動車登録番号標等の表示の位置および表示の方法の基準を定める告示(平成27年国土交通省告示第1265号)」
・「自動車登録番号標、臨時運行許可番号標、回送運行許可番号標又は車両番号標に取り付けることのできる物品を定める告示平成27年国土交通省告示第1266号)」
●上下・左右の角度が決められた
では、実際にどのような基準に変更されるのでしょうか。
新基準では、前後ナンバープレートを取り付ける位置の角度などについて、細かな数値が定められています。
クルマの場合、前側のナンバープレートは、上下角度が「上向き10°~下向き10°」、左右の角度は「左向き10°~左右向き0°」。
後ろ側の場合は、上下角度がナンバープレートの上端が1.2m以下の場合で「上向き45°~下向き45°」、ナンバープレートの上端が1.2m超の場合で「上向き25°~下向き15°」。左右の角度はいずれも「左向き5°〜左右向き0°」となります。
バイクの場合は、上下の角度が「上向き40°~下向き15°」、左右の角度は「左右向き0°」と規定されています。
また、ナンバープレートに装着するフレームについても、細かい基準が定められています。幅が上部10mm以下、左右18.5mm以下、下部13.5mm以下。厚さは上部6mm以下(上部の幅が7mm以下の場合は10mm以下)、そのほかは「30mm以下」で、いずれも「脱落する恐れがないもの」とされています。
ナンバーフレームは、メーカーが純正オプションで設定しているほか、アフターパーツでも様々なサイズやタイプが出ていますが、今後はこういった基準に合うものを装着する必要があります。また、バイクについてはフレームの装着自体が禁止されました。
さらに、ボルトカバーについてもサイズなどが定められました。「直径28mm以下で番号に被覆しないもの」「厚さが9mm以下」「脱落するおそれのないもの」といった基準が設けられています。
これら基準は、あくまで「2021年10月1日に初めて登録するクルマ」に関して適用されるものですから、それ以前に登録するクルマには基本的に適用されません。
ただし、国土交通省では、2021年9月30日までに登録・検査・使用の届出があるクルマについても、「自動車の運行中番号が判読できるような見やすい角度によりナンバープレートを取り付けること」を必要としています。
また、フレームやボルトカバーについては「番号を被覆せず、脱落するおそれがなく、自動車の運行中番号が判読できる」ものであれば装着できるとしています。
ナンバープレートは、道路運送車両法成功規則第八条の二により「自動車の前面および後面であつて、自動車登録番号標に記載された自動車登録番号の識別に支障が生じない」ように取り付ける必要があります。
つまり、前後の見やすい位置に確実に装着する必要があるのです。またフレームやボルトカバーなどで番号や文字が見にくくなることも禁止されています。
いずれにしろ、新基準によりナンバープレートに角度を付けて装着するステーなどで、極端に下向きになるものなどは違反となり、取付が可能なフレームやボルトもある程度限定されることになります。
違反して「ナンバープレートの判読が困難」だと判断されると、「番号表示義務違反」となり50万円以下の罰金となる場合もありますので、今から十分注意しましょう。
(文:平塚 直樹 *写真は全てイメージです)