リヤカーゴのスピーカーの上に鎮座めされます金の鯱(しゃちほこ)が、なんと日本刀の刀掛けとなっているこのMARCH“ONDO”、ベース車輛のマーチK11から、日本の文化がぷんぷんとしてきて、いいねえ。日本に本当のクルマ文化が根付いてくれるためには、はったりであっても(このカスタムカーはまさに現実ですが)こういうアピールしてくれなけりゃ、またまた欧米諸国に追従するばかりの動きになりかねません。いえいえこれは政治的団体ではありません。寄ってらっしゃい見てらっしゃいと『寅さん』がお客引き込みに出て来ても似合うでしょう、きっと。
エンブレムやハンドルに菊の御紋を使っていたりはしますが、あくまでも象徴としての使用、あなた様の家紋で対応してくれるかもしれません。分る人には分る、独逸(ドイツ)の経済新聞がオートサロン会場で取材していったとのことです。
車内には、ダッシュボードに鳳凰がデザインされている。一目見て、あれれこれ『欄間』だあ、と日本の建築で使われている鴨居と天井との間にある装飾デザインをマイカーに適応だ、いいね、とうなずけます。メーター類の表示も日本語漢字、シフトレバーも昭和30年代頃に高級レザーのバッグや財布によく使われていた背鰐の革で覆われ、サイドブレーキレバーは日本伝統の日本刀の握りやすさを極めた柄(つか)なのだ。シートの色合いはまさに金襴緞子を彷佛とさせる文様織り、リヤには鶴もいるのです。
日本の若者たちのクルマへの興味が右下がりにカブクことのないように、歌舞伎的な見得を切っているこのONDO、ヨッ音頭屋、待ってましたAVANZARE:亜覇無津阿麗!ということで、これにてご免。
(游悠齋)