スズキ・アルトエコがなんだか凄い。ガソリンタンクもアレなんです

ダイハツ・ミライースへのスズキからの刺客、アルトエコ。そんなアルトエコってなんだか凄いことになっています。

まずすごいのは燃費。

JC08モード燃費は、ミライースの30.0km/Lを超えてなんと30.2km/L。おいおいランボルギーニ・カウンタック VS フェラーリ512BBかよっ!

 

でも、もっと凄いのは車体の作り。

見た目は普通のアルトと同じように見えるけど、空力性能向上のためにフロントバンパーのデザインが変わり(軽量化で肉厚も落としてある)、全面投影面積を小さくするため車高も15㎜ダウン。エンジンは新しいR06型を搭載し、そのためにエンジンルーム付近のフレームは新設計しているというから恐れ入りますね。

アルトに対する改良点は1000ヵ所にも及び、開発期間と関わったスタッフの数は「新型車開発に匹敵する」というんだから、単なる追加モデルとはもう気合いが違います。

 

で、なかでも凄すぎるのがガソリンタンク。

普通のアルトは30Lは入りますが、アルトエコは20Lしか入りません。

実はこれ、車両重量を軽くすることでJC08モード燃費測定時に換算が有利になるようにするための「小技」。とにかくいろんなことをやって、ガソリン車トップの燃費を実現している「エコ」というより「エボ」なのですね。

そうそう、「ガソリンタンクが20Lなんてけしからん!」とお怒りの人も世の中にはいるようですが、実燃費が20km/Lだったとしても、航続距離は400キロを確保。

400キロでも足りないという人は、いったい軽自動車でどこへ行くつもりなんでしょうね?

(工藤貴宏)

 

 

 

この記事の著者

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工藤貴宏

1976年長野県生まれ。自動車雑誌編集部や編集プロダクションを経てフリーの自動車ライターとして独立。新車紹介、使い勝手やバイヤーズガイドを中心に雑誌やWEBに執筆している。現在の愛車はルノー・ルーテシアR.S.トロフィーとディーゼルエンジンのマツダCX-5。
AJAJ(日本自動車ジャーナリスト協会)会員。
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