新型「BMW M5」「M550i xDrive」が登場。先進安全装備やテレマティクスを大幅に進化【新車】

■よりレーシーな新型「BMW M5 Competition」も新設定

以前お伝えしたように、2020年9月28日にマイナーチェンジを受けたばかりのBMW 5シリーズ(セダン/ツーリング)。翌29日に新型「M5」「BMW M550i xDrive」も発売されました。

デリバリーは2020年10月からの開始とアナウンスされています。

BMW M5
新型BMW M5、M5 Competition、BMW M550i xDriveが日本上陸

よりモダンでスポーティになったエクステリアは、ベース車と同様にヘッドライトのデザインをL字型のLEDライトとすることで、BMW伝統の4灯ヘッドライトを表現。BMW伝統のL字型リヤコンビネーションランプもより立体的なデザインとなり、周囲をブラックアウトすることで、精悍さが醸し出されています。

さらに、「ダブルバー・キドニーグリル」やボディ側面のエアブリーザーに装備された「Mギル」が採用されています。

BMW M550i
BMW M550i xDriveのエクステリア

一方のインテリアは、モータースポーツ由来のアグレッシブなデザインとラグジュアリーな優雅さを兼ね備え、BMW M社の新たな最上級モデルに相応しいキャビンに仕立てられています。

「Mレザー・ステアリング・ホイール」に装備された赤色のMボタンとセンターコンソールの赤色のスタート/ストップ・ボタンをはじめ、新デザインのセレクターレバーにはMのロゴが刻まれ、Mモデルカラーのステッチが施されています。

新開発のスポーツシートは立体的にデザインされ、両脇のサイドボルスターや肩まわりは大きくせり出す形状になっていて、高いフォールド性が得られるそうです。

■快適なロングツーリング性能とスポーツ性能をブラッシュアップ

ベース車同様、新型「BMW M5」「BMW M550i xDrive」には、高性能3眼カメラとレーダーによる検知に加えて、高性能プロセッサーによる高い解析能力の最先端運転支援システムが標準装備となっています。これにより、高速道路での渋滞時において、ドライバーの運転負荷を軽減し安全に寄与する運転支援システム「ハンズオフ機能付き渋滞運転支援機能」が装備され、同条件下でステアリングから手を離しての走行が可能になります。

BMW M5
BMW M5のリヤビュー

ほかにも、「アクティブ・クルーズ・コントロール(ストップ&ゴー機能付)」「レーン・チェンジ・ウォーニング(車線変更警告システム)」「レーン・ディパーチャー・ウォーニング(車線逸脱警告システム)」「ステアリング&レーン・コントロール・アシスト」「サイド・コリジョン・プロテクション」、衝突回避被害軽減ブレーキ(事故回避ステアリング付)、「クロス・トラフィック・ウォーニング」が装備されています。

BMW M5
BMW M5のインテリア

さらに、「パーキング・アシスタント」も標準装備されています。車両が直前に前進したルート最大50mまでを記憶し、その同じルートをバックで正確に戻ることが可能になるリバースアシスト機能を採用。狭い道での対向車とのすれ違いに困った際など、安全かつ正確に、元のルートに復帰することが可能です。

こちらもベース車と同じく、コネクティビティも大幅なアップデートが図られています。対話型のインフォテイメントシステムが搭載され、「OK, BMW」と話し掛けることで、車両の操作、目的地の設定などができます。

「Apple CarPlay」への対応、「BMWコネクテッド・ドライブ」の標準化により、スマホで事前に検索した目的地を車両に送信するなど、使い勝手の向上が図られています。さらに、リモコンキーを持っていなくてもiPhoneをドアハンドルにかざすことで、車両のロック、アンロック、エンジンの始動もできます。

BMW M5
BMW M5のフロントシート

「M5」「BMW M550i xDrive」といえば、圧倒的な動力性能が魅力。新型M5には、BMW M社製のV型8気筒Mツインパワー・ターボ・エンジンが搭載され、ドライブロジック付き8速Mステップトロニック・トランスミッションが組み合わされています。

駆動方式は、スポーツモデルらしく後輪駆動を重視した4輪駆動システム「M xDrive」を搭載。最高出力600PS(441kW)/6000rpm、最大トルク750Nm/1800-5600rpmを実現すると共に、0-100km/h加速は、3.4秒でクリアします。

BMW M5
BMW M5のエクステリア

標準装備されるインテリジェント4輪駆動システム「M xDrive」は、高性能エンジンから発生したトルクをフロントとリヤに無段階かつ可変的に振り分け、さらに「アクティブMディファレンシャル」の搭載により、2つのリヤホイール間のトルクが最適化され、振り分けられます。

新型M5では、ダイナミックスタビリティコントロール(DSC)の介入は極端な状況のみに限定されていて、エンジンから発生するエネルギーを推進力としてほぼ無駄なく利用できるそう。

「M xDrive」は、後輪駆動が重視されていて、リヤホイールに優先的に駆動力を振り分け、車両が安定性を保つために必要なタイミングを見極めて、フロントホイールに駆動力を供給。デフォルトの「4WD」モード、ほぼ後輪駆動に近い「4WD SPORT」モード、DSCをオフにし完全な後輪駆動走行となる「2WD」モードから選択できます。

新型「BMW M550i xDrive」には、最高出力530PS(390kW)/ 5500rpm・最大トルク750Nm/1800-4600rpmを発揮するV型8気筒ツイン・ターボ・ガソリン・エンジンが積まれています。0-100km/h加速は3.8秒。

BMWのインテリジェント4輪駆動システム「BMW xDrive(エックス・ドライブ)」や、「Mアダプティブ・サスペンション」「Mディファレンシャル」によって、悪路でも安定したコントロールとスポーティな走りを実現することができます。そして、Mパフォーマンス・モデル専用色となる「セリウム・グレー」をキドニーグリル、エアインテーク、エアブリーザー、ミラーキャップに採用されています。

ほかにも、BMW Mモデルの特徴でもある、エンジンレスポンス、ステアリング、サスペンション特性を任意に設定変更できる機能に、新たにブレーキシステム設定の変更が追加されました。

加えて、センターコンソールに「M MODE(Mモード)」ボタンが追加されたことで、メーターパネル、ヘッドアップディスプレイの表示方法や、運転支援システムの介入レベルを「ROAD(ロード)」「SPORT(スポーツ)」いずれかのモードに変更することが可能となっています。

「ROAD」は、基本設定としてすべての運転支援システムが有効になり、「SPORT」は任意に設定した情報に基づいて、前車接近警告、衝突回避被害軽減ブレーキを除く、すべてのブレーキやステアリングシステムへの介入を無効にすることが可能になっています。

ブレーキシステムの強化も盛り込まれています。標準の「M専用インテグレーテッド・ブレーキ・システム」は、アクセル全開時の高負荷条件下でも優れた安定性を実現するように開発されたそう。ブレーキの作動、ブースター、ブレーキ制御の各機能をコンパクトに統合すると共に、非バキューム式のブースターを採用することで約2kgの軽量化も図られています。

ブレーキ圧は、電動アクチュエーターによって生成され、より素早く正確な制御が可能になっているそう。快適性重視の「COMFORT」モードと、素早い反応を重視した「SPORT」モードの2種類のペダルモードも設定され、車両を減速させるのに必要なブレーキペダルの踏み込み量を変更することが可能になっています。

■ハードコアモデル「BMW M5 Competition」も設定

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「BMW M550i xDrive」のリヤビュー

上記2モデルに加えて、よりハードな仕様である新型「BMW M5 Competition」も設定されています。エンジンからデザインまで、特別なセットアップが施され、「Competition」モデル専用に開発されたV型8気筒エンジンは、車両構造部との接続部をより強固にする極めて硬い専用のエンジンマウントが採用されたそう。

これにより、より直接的な動力伝達が可能になっており、最高出力は625ps(460kW)/ 6000rpmを発生、0-100km/h加速は3.3秒という圧倒的な加速を実現したとしています。

新型M5 Competitionのエクステリアは「ハイグロス・ブラック」のキドニーグリルとバッチ、ドアミラー、リアスポイラーが装備され、よりアグレッシブなデザインになっています。そして、新型BMW M5に初めて採用の「Mモード・ボタン」では、新型BMW M5の「ROAD(ロード)」「SPORT(スポーツ)」に加えて、運転支援システムの快適性と安全性に関するすべての機能が無効になる「TRACK(トラック)」モードが装備されています。

価格は「BMW M550i xDrive」が1319万円、「BMW M5」が1792万円、「BMW M5 Competition」が1877万円です。ハンドル位置は、「BMW M550i」が右ハンドル。「BMW M5」は左/右ハンドル共に用意されます。

(塚田勝弘)

この記事の著者

塚田勝弘 近影

塚田勝弘

1997年3月 ステーションワゴン誌『アクティブビークル』、ミニバン専門誌『ミニバンFREX』の各編集部で編集に携わる。主にワゴン、ミニバン、SUVなどの新車記事を担当。2003年1月『ゲットナビ』編集部の乗り物記事担当。
車、カー用品、自転車などを担当。2005年4月独立し、フリーライター、エディターとして活動中。一般誌、自動車誌、WEB媒体などでミニバン、SUVの新車記事、ミニバンやSUVを使った「楽しみ方の提案」などの取材、執筆、編集を行っている。
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