目次
■ジャガーは、「Eタイプ」に代表される美しい流線型のシックな高級スポーツカーとして人気
●ランドローバーのフラッグシップであるレンジローバーは、豪華なSUVとして圧倒的な存在感
ジャガー・ランドローバーは英国の自動車メーカーですが、単独での事業展開が難しいため幾多の経営統合を繰り返し、現在はインド・タタの傘下に入っています。
紆余曲折しながらもブランドを守り続けているジャガー・ランドローバーのこれまでの歩みについて、解説していきます。
●会社概要と業績
・会社名:ジャガー・ランドローバー・リミテッド
・CEO:ラルフ・スペッツ博士
・創立:2008年
・資本金:15億ポンド(2019.3)
・従業員数(2018.12現在):4万3507人
・売上高:242億ポンド(2018.4~2019.3)
・販売台数:56万台(2019.1~2019.12)
●起源
ジャガーの創始者ウィリアムズ・ライオンズは、オートバイのサイドカーを作るために1922年にスワロー・サイドカー社を設立しました。その後、1931年にクルマの製造を始めSS1を完成させました。
ブランド名としてジャガーが使われたのは、1935年からです。
ランドローバーは、第二次世界大戦後にローバー社が製造したランドローバー・シリーズ1に始まります。最初は車名であり、それが会社名となったのは1978年でした。
●メーカーとしての歩み
ジャガーは、スポーツモデルを中心にラインナップを充実させ、モータースポーツにも積極的に取り組みました。1951年には、ル・マン24時間レースに初参戦で初優勝を飾りました。
1966年に「ブリティッシュ・モーター・コーポレーション」と、その後「レイモンド・モーター・カンパニー」と統合を進め、「ブリティッシュ・レイランド・コーポレーション(BLMC)」となりました。その後もジャガーは、高級スポーツカーとサルーンで人気を得ましたが、1989年にフォード傘下になります。
ランドローバーの親会社は、ブリティッシュ・レイランドから、ローバー・グループ、ブリティッシュ・エアロスペース、BMWへと目まぐるしく変わりました。しかし、BMWは1989年フォードにランドローバーを売却しました。
その後、2008年にはフォードの不振からジャガーとランドローバーはともにインドのタタグループに売却されました。
●往年の代表的なモデル
・1948年、流麗なボディの2シータースポーツのXK120を発売
・1950年、重厚で高級感あふれる4ドアセダンのマークVII発売
1959年までにCタイプ、Dタイプというネーミングのレーシングカーを発売。1961年には、ロードモデルのスポーツカーのEタイプを発表しました。
・1968年にはヒットモデルとなるサルーンのXJ6、1975年にはスポーツカーのXJ-Sが誕生
ランドローバーは、ローバー社が同社の乗用車をベースに1948年に作り上げたシリーズIが最初のモデルです。ランドローバーは社名でなく、車名でした。シリーズIは、シリーズII、シリーズIIIと進化しました。
・1970年にレンジローバーが登場、初代は1996年まで生産
●最近の代表的モデル
1975年に経営不振から国産化されたジャガーですが、1984年に再び民営化され1989年にフォードに買収されました。2008年に親会社がフォードからタタに変わった後、ジャガーらしさを取り戻しました。
・2011年にEタイプの後継となるFタイプ、2014年にはXEを発表
・2016年、ジャガー初のSUVのFペイスを発売
20世紀は、ランドローバーにとって多くの新型車を発表する時期になりました。
・2003年、3代目レンジローバー、2005年レンジローバースポーツ、2011年レンジローバーイヴォークを発売
・2017年には、5代目となるディスカバリーに続いてレンジローバーのヴェラールを発売
ジャガーは、古くはル・マン24時間レースに参戦して数多くの優勝を果たしました。またランドローバーは、ラリーレイドのアドベンチャーイベント「キャメル・トロフィー」を長らく支援していました。
現在も、ジャガーは高級車とスポーツタイプのブランドとして、ランドローバーは豪華なSUVブランドとして存在感を示しています。
(Mr.ソラン)