■ぜひ欲しいサイドステップとエアサスペンション(110は標準装備)
ここでは、新型ランドローバー・ディフェンダーの装備や後席、荷室の使い勝手などについてチェックしていきます。
ディフェンダー110(ワンテン)の日本仕様値は、全長4945×全幅1995×全高1970mmというサイズです。なお、欧州仕様は全長5018(スペアタイヤ含む)mm、全幅2008(ミラー 格納時)、2105mm(ミラー展開時)、1967mm(ルーフアンテナ装着時) ですから、5m級の全長、ミラー展開時は2.1m級の横幅があります。最小回転半径は6.1mです。
使い勝手の前に、このボディサイズが収まる駐車場や自宅周辺などの道路事情も考慮する必要がありそうです。なお、3ドアの90(ナインティ)は、全長4510×全幅1995×全高1970mm、最小回転半径は5.3m。
この差は、全長とホイールベースで、90の方が全長が435mmも短く、ホイールベースは110が3020mm、90が2585mmとなっています。新型ディフェンダーのスタイリングや悪路対応力を含めた走りに惚れて、でも110の取り回しが気になる方は、90を検討する価値もありそうです。
110の美点は、ロングホイールベースと2240kgという車両重量、標準装備のエアサスペンションによる乗り心地の良さに加えて、後席もの十分な広さ。身長171cmの筆者がドラポジを決めた後ろの座席には、膝前に拳が縦に3つ近く、頭上には2つ半ほどの余裕があります。
ただし、3mを超えるホイールベースほどの「広さ感」まではないのは、ボリューム感のあるボディとフロントオーバーハングによるものかもしれません。それでも前後席共にシートサイズは大きく、後席の快適性は十分。
前席座面はかなり前後長が長いため、足が長い方でもしっかりと太もも裏まで支えてくれそうです。
110のラゲッジスペースをチェックします。最大積載容量は1列目後方(5シート/5+2シート):ドライ1,946L/1,826L。ウェットは2,380L/2,233L。2列目後方(5シート/5+2シート):ドライが857L/743L、ウェットが1,075L/916L。7人乗りの3列目後方はドライが160L、ウェットが231L。
なお、ドライとはVDA準拠のブロック(200mm×50mm×100mm)を使用した容量の測定値。ウェットはラゲッジスペースを液体で満たしたと仮定した場合の容量の計算値。
横開き式のリヤゲートであるものの、全開させるには、後方に余裕が必要です。思ったよりもリヤゲートが大きく、重く感じられます。
最低地上高はエアサスペンション(110に標準装備)は、218mmで、-40mm~145mm内で車高を変えることができるものの、最も低くしてもこれだけのロードクリアランスを確保することもあり、荷室床面は少し高く感じられます。
乗降性では、オプション設定(4つのパック)のサイドステップがあるとないとでは大違いで、サイドステップがないと、よじ登るように乗り降りする必要があります。
お子さんなどがいる場合はとくに、サイドステップがあると重宝しそうですし、筆者でもありがたみを感じました。
装備では、前席左右間のキャビンウォークスルータイプとフロントセンターコンソール(アームレスト付)から選択でできるのも大きな違い。ウォークスルーを使うのなら前者を、大きなコンソールボックスが備わる後者は収納性に優れています。
ほかにも、いわゆる電子ミラーの「ClearSightインテリアリアビューミラー」の採用もトピックスで、後席に背の高い人が座ったり、荷物が満載で後方が見にくかったりする場合でも、同ミラーであれば視界を妨げることはありません。
そのほか、「カントリーパック」「アーバンパック」「エクスプローラーパック」「アドベンチャーパック」がニーズに応じて用意されています。
90は499万円〜739万円、写真の110は589万円〜820万円という価格設定で、決して安価ではないものの性能や装備を考えるとリーズナブル(適正)といえる価格設定ではないでしょうか。
(文/塚田勝弘 写真/井上 誠)
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