■MC12の後継車、MC20を好調なスーパースポーツカー市場に投入
2020年9月10日(日本時間)、イタリアのモデナで開催されたイベントと同時に日本でも新時代のマセラティを象徴するスーパースポーツカー・MC(マセラティコルセ)20がワールドプレミアされました。
現在、フェラーリ、ランボルギーニ、マクラーレン、アストンマーティンといった2000万円超のスーパースポーツカー市場は盛況となっています。この好調なマーケットにマセラティが投入するのが車両本体価格2650万円のMC20です。
MC20は2004年にマセラティがレースシーンにカムバックしたMC12の後継車で、マセラティはこのMC20でレース界への復帰を予定しています。また、マセラティのレーシングDNAを受け継いだMC20は100%メイド・イン・モデナ、100%メイド・イン・イタリアで、マセラティ初のバタフライドアを採用しているのが特徴です。
MC20に採用されているカーボンモノコックボディは57種類のパーツで構成され、ボディを設計するのはレーシングカーの設計におけるトップ企業であるダラーラ。そしてカーボンなどの部品を製造するのはイタリアの企業TTAアドラーです。
ボディエクステリアには、目立ったエアロパーツは装着されていません。唯一リアに控えめなスポイラーが装着され、床下からのアップウォッシュダウンフォース効果を向上させています。
サスペンションは、前後ともにダブルウィッシュボーン式で、旋回時においてタイヤに安定した接地をもたらし、高い横加速度が保証され、あらゆる挙動ならびに速度域において思い通りにコントロール可能なセミ・バーチャル式を採用しています。
リアミッドに搭載されるエンジンは「ネットゥーノ」と名付けられた新開発の3L V6ツインターボ。ドライサンプ式を採用し、最高出力630ps・最大トルク730Nmを発生。
組み合わされるミッションは8速DCTで、最高速度は325km/h以上、0-100km/h加速は2.9秒以下というハイパフォーマンスを発揮します。今回の撮影車両にはモックアップのエンジンが搭載されていました。
インテリアはドライバーが運転に集中しやすい環境を第一に設計されており、2つの10インチスクリーンを採用しているのが特徴です。1つはコクピット用、もう一つはマセラティ・マルチメディア・システム(MIA)用となります。
また、カーボンファイバーで覆われたセンターコンソールには、ワイヤレス・スマートフォン充電器やドライビングモード・セレクターそして2つのギアシフト用ボタンなどが配置されています。
MC20はスーパースポーツカーながら、ラゲージルームはフロント150L、リア100Lを確保し、高い実用性も実現しています。マセラティの最新技術が投入されたMC20。今後はオープンボディやフルEVも登場する予定。いち早く手に入れたい人は予約をお早めに。
(文/写真:萩原文博)