■エントリーグレードの「スプリント」を両モデルに設定
アルファロメオは、2020年8月20日、Dセグメントのスポーツセダンである「GIULIA(ジュリア)」、プレミアムSUVの「STELVIO(ステルヴィオ)」の一部改良と、新グレードの「SPRINT(スプリント)」を設定、2020年10月3日(土)に発売すると発表しました。
「ジョルジオ」プラットフォームをベースに開発されたジュリア、ステルヴィオ。当初、FFで開発されていた同プラットフォームは、FR化(4WDにも対応)に変更するという力業で生まれたものの、現在の成功を考えると、その方向転換は正しい選択だったのかもしれません。
このほど受けた一部改良では、先進運転支援システムやインフォテインメント機能の充実、内装の質感向上がメインで、安全性、快適性などが引き上げられています。
●ACCや車線中央維持機能などを満載
インテリアには車両設定やスマホ連携が可能な「Connect」システムに、直感的な操作が可能な8.8インチタッチディスプレイを用意。また、新たにナビが搭載されるなど、利便性が高まっています。センターコンソロールまわりの素材や形状も変更され、インテリアの質感も向上。スマホのワイヤレスチャージングパッドも用意されています。
運転支援システムでは、前走車と一定の車間距離を保ちながら速度を合わせて追従するアダプティブクルーズコントロール(ACC)に、「ハイウェイアシストシステム(HAS)」が追加されたのがトピックス。システムが車線中央付近の走行を積極的にサポートし、ドライバーの負担を軽減する中央維持機能です。レーンキーピングアシストは、車線からはみ出しそうになった際、ドライバーに表示や音で注意を促し、必要に応じてステアリング補正を行うことで安全運転に寄与するとしています。
一般道を含む渋滞時には、ドライバーの負荷を軽減する「トラフィックジャムアシスト(TJA)」や、一般道や高速道路で道路標識を認識し、メーター内に表示する「トラフィックサインレコグニション(TSR)」「TSR」が検知した制限速度に応じてACCの速度設定を素早く切り替えられるインテリジェントスピードコントロール(ISC)などの先進的な運転支援機能が用意されます。なお、運転支援システムの一部は「ジュリア・スプリント」には装備されません。
加えて、ミラーの死角にある並走車を認識し、ミラー内の警告ランプによりドライバーに注意を促すだけでなく、危険な車線変更に対してステアリング補正を行う「アクティブブラインドスポットアシスト」や、ドライバーの注意力の低下を検知する「ドライバーアテンションアラート」も搭載され、安全運転をサポート。
さらに、ステルヴィオには、リヤバンパー下部へ足でジェスチャーを行うことで開閉できるハンズフリーテールゲートが採用されます。これにより、両手が塞がっていてもリヤゲートを開けることが可能。「ステルヴィオ・クアドリフォリオ」には、サンルーフが標準装備されます。
足まわりには、路面からの入力に応じて減衰力を最適化する「FSDショックアブソーバー」が新たに採用されるほか、グレードにより新デザインの18インチから20インチまでのアルミホイールを用意。
一部改良と同時に、ジュリアに新グレードの「ジュリア 2.0 TURBO SPRINT(ターボ スプリント)」が、ステルヴィオに「ステルヴィオ2.2 TURBO DIESEL Q4 SPRINT(ターボ ディーゼル Q4スプリント)」が追加されます。
この新グレードには、バイキセノンヘッドライトや18インチアルミホイール、ナチュラルレザーシート(6ウェイ電動調整機能付)、タッチディスプレイ付の「Connect」システム、デュアルゾーン式フルオートエアコン、アクティブブラインドスポットアシストなどが標準装備されます。
「ステルヴィオ 2.2 ターボディーゼル Q4 スプリント」には、ハイウェイアシストシステムやトラフィックジャムアシスト、トラフィックサインレコグニション、インテリジェントスピードコントロールなども装備されます。
価格は、「ジュリア」が460万 円〜1174万円。「ステルヴィオ」が589万円〜1232万円です。
ジュリアはスポーツセダンといえる高い運動性能が魅力で、SUVのステルヴィオも俊敏なハンドリング、強烈なストッピングパワーを備えていて、走りを重視する層に訴求するモデルになっています。
今回の一部改良で、安全性とナビ関連の利便性が向上し、エントリーグレードの「スプリント」も追加され、より拡販を狙う体制が整ったことになります。
(塚田勝弘)