日産「スカイラインクーペ」デビュー。325万円~356万円のプレミアムスポーツクーペ【今日は何の日?2月6日】

■余裕と走りを追求したプレミアムスポーツクーペが日本上陸

2003年にデビューした「スカイラインクーペ」
2003年にデビューした「スカイラインクーペ」

2003(平成15)年2月6日、1月にデビューしたAT車に続いて日産自動車「スカイラインクーペ」MT車がデビューしました。

11代目「スカイライン(V35型)」のスポーティな2ドアクーペで、米国では前年の11月に「インフィニティG35・スポーツクーペ」として人気を獲得していました。


●日本で最初のクーペはプリンス自動車「スカイラインスポーツ」

クーペとは、当初は2ドア2人乗りの車高が低いスタイリッシュな車を指しましたが、ある時期から拡大解釈されるようになり、4人乗りでも5人乗りでもスタイリッシュでスポーティなスタイリングであれば、クーペと呼ばれるようになりました。

1962年に登場したスカイラインスポーツクーペ
1962年に登場したスカイラインスポーツクーペ

日本初のクーペは、プリンス自動車(後に日産に吸収合併)から発売された「スカイラインスポーツ」とされています。スカイラインスポーツは、1960年にトリノショーで初披露され、1962年に発売されました。その後クーペは、日野自動車の「コンテッサ1300クーペ」、いすゞ「ベレット1600GT」、トヨタ「2000GT」、日産の初代「シルビア」などが続き、若者から人気を獲得するようになりました。

さらに、1980年代にはトヨタ初代「ソアラ」、ホンダ3代目「プレリュード」や日産5代目「シルビア」、などのデートカーやスペシャリティカーと呼ばれたクーペが、一世を風靡しました。

●ベースはプレミアムスポーツセダンの11代目スカイライン(G35型)

スカイラインクーペのベースとなった11代目スカイラインは、2001年6月にデビューしました。

スカイラインクーペのベースとなった2001年にデビューした11代目「スカイライン」
スカイラインクーペのベースとなった2001年にデビューした11代目「スカイライン」

11代目スカイラインは、世界に通用する“21世紀に向けた理想のプレミアムスポーツセダン”を目指して登場。特徴は、エンジンを前車軸後方に配置する新世代“フロントミッドシップ(FM)パッケージ”で、スポーティな走りと高級サルーンの乗り心地を両立させたことです。

スタイリングは、これまで長く採用されてきた丸型4灯のテールランプではなく、ボディもシャープな印象から丸みを帯びたデザインに変更され、従来のイメージが一新されました。

搭載エンジンは、従来の直6からV6に変更。260PSを発揮する3.0L V6 DOHCエンジンと215PSを発揮する2.5L V6 DOHCの2機種、トランスミッションは3.0Lエンジンに5速ATおよび2.5Lエンジンに4速ATが組み合わされました。

●G35型セダンをスポーティに変貌させたスカイラインクーペ

「スカイラインクーペ」のリアビュー。スカイライン伝統の丸目が復活
「スカイラインクーペ」のリアビュー。スカイライン伝統の丸目が復活

セダンから約1年半後に登場したスカイラインクーペは、“スタイリッシュ&高性能”をコンセプトに流麗なスタイリングの高性能2ドアクーペ。注目は、セダンと共通のL字型テールランプながら、その中にLEDを丸形に配列して、セダンとは異なるスカイライン伝統の丸形テールランプを復活させたことです。

パワートレインは、セダンよりハイパワーの280PSを発揮する3.5L V6 DOHCエンジンをFMレイアウトにしたFRで、トランスミッションは先に登場した5速ATに続いて6速MTが用意されました。

スカイラインクーペ搭載の3.5L V6 DOHC(VQ35DE)エンジン
スカイラインクーペ搭載の3.5L V6 DOHC(VQ35DE)エンジン

車両価格は、325万~356万円。スタイルも性能も優れたスカイラインクーペでしたが、日本市場では大きなインパクトを残すことはできませんでした。

この頃、スカイライン自体の人気に陰りが見え始めていましたが、一方で前年に「インフィニティG35・スポーツクーペ」の車名で投入された米国では、“カー・オブ・ザ・イヤー”に輝く評価を得られたことが、日本投入を後押ししたのです。


1970年代~1980年代はクーペスタイルの車が一大ブームとなりましたが、バブル崩壊によって市場から消え去りました。しかし、最近になってクーペのようなスタイルのSUVやセダンが急増しています。かつての人気が復活するのか注目です。

毎日が何かの記念日。今日がなにかの記念日になるかもしれません。

Mr.ソラン

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Mr. ソラン

某自動車メーカーで30年以上、自動車の研究開発に携わってきた経験を持ち、古い技術から最新の技術までをやさしく解説することをモットーに執筆中。もともとはエンジン屋で、失敗や挫折を繰り返しながら、さまざまなエンジンの開発にチャレンジしてきました。
EVや燃料電池の開発が加速する一方で、内燃機関の熱効率はどこまで上げられるのか、まだまだ頑張れるはず、と考えて日々精進しています。夢は、好きな車で、大好きなワンコと一緒に、日本中の世界遺産を見て回ることです。
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