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■日比谷と丸の内にパーキングメーターによる有料の路上駐車場を設置
1959(昭和34)年1月26日、東京都が日比谷と丸の内の路上に、日本の公共駐車場として初めてパーキングメーターを設置しました。
設置されたパーキングメーターの駐車手数料は10円/15分でした。現在の価値に換算すると200円~250円/15分ですので、およそ3倍ほど高かったことになります。
●パーキングメーターは、基本1時間以内の路上駐車設備
パーキングメーター(「時間制限駐車区間」)は、都市部を中心に街中に設置された路上駐車設備ですが、一般的なコインパーキング(「時間貸駐車場」)に比べて数が少なく、設置されている場所も限られています。都市部や繁華街など駐車場が少ない場所で、それを補う目的でパーキングメーターが設けられているケースが多いです。
パーキングメーターでは、道路の脇に白線で囲まれた駐車スペースが設けられ、白線内にクルマを駐車すると傍のパーキングメーターが感知するため、メーターに通常は300円(100円硬貨で)/60分を投入します。
チケットを窓に貼り付けるタイプの場合は、やはりに近くにあるチケット発給機で同様に手数料を支払い、そのパーキングチケットを外から見やすい車内のどこかに置きます。
なお駐車時間は、センサーが検知してからの時間なので、手数料を支払わなかったり、規定時間を超えると、駐車違反になるので注意が必要です。
●パーキングメーターを初めて設置したのは米国
パーキングメーターは、1935年に米国オクラホマシティーのカール・マジーによって発明されました。初期型は、硬貨投入口、開始スイッチとしてのダイヤル、残り時間を示す針と文字盤などから構成されていました。この構造は2連方式のものや異なった材質の使用など、外観の一部変更を除き40年以上も継承されました。
1980年代中期に、針と文字盤や機構部分を電子部品(回路板、キーボード、ディスプレイ)に置き換えたデジタル版が登場。1990年代初頭までには世界各国でパーキングメーターが導入されましたが、最近は新しい徴収方法や電子マネー方式を導入するところも増えました。
ちなみに、2008年度には全国で2万882基あったパーキングメーターですが、2018年度には1万5056基に減少しています。現在は、利用が少ない都道府県では1基もない場所もあるそうで、パーキングメーターを見たことがない人がいても不思議ではありません。
●パーキングメーターの違反行為が散発するか
現在、日本で利用されている一般的なパーキングメーターは、100円硬貨投入による先払い式で手数料は300円/60分です。しかし、先払い式というもののコインを入れなければ駐車できないわけでないので、実際には59分以内であればどのタイミングでも支払うことができます。
言い換えると、59分以内まで手数料を支払わず(未納ランプは点灯)に、パーキングメーターを利用することも可能と言えます。もちろん、これは駐車違反の対象になりますが、メーターでは100円硬貨しか利用できないことから、両替でその場を離れる場合もある(言い訳はいろいろ考えられる)ことから、厳密に59分以内であれば取り締まっていないのが実状のようです。
このように手数料を支払わずに利用している人が散見されることも、パーキングメーター運用上の課題のひとつとなっています。
パーキングメーターは、現在も減少傾向にあります。短時間の駐車なので利用率が低く、さらに上記のような不正利用も横行していることが廃止の理由のひとつにあるようですが、自動運転車の普及が進んだ社会にむかえば、ルールを守ってさらに効率よく運営できるように思いますが、どうでしょうか。
毎日が何かの記念日。今日がなにかの記念日になるかも知れません。
(Mr.ソラン)