【令和6年能登半島地震】日本海沿岸・新潟現地で体験した恐怖。地震発生時の安全確保と、愛車を守る走り方とは?

■令和6年1月1日に突如、発生した能登半島を襲った地震

広範囲で地面が陥没、地下水に埋まった車両
新潟市でも広範囲で地面が陥没、地下水に埋まった車両などの被害も

発生から1週間が過ぎようとする現在でも多数の安否不明者が出ており、石川県内では2万8000人もの方々が避難所に身を寄せています(1月8日現在)。一部では復旧は進んではいるもののまだまだ道半ばであり、被災した皆様には心よりお見舞い申し上げます。

液状化で車庫の支柱が埋まってしまった
液状化で車庫の支柱が埋まってしまった

最大震度7という猛威は、北陸地方の広範囲に被害がおよび、日本海側沿岸であるここ、新潟県新潟市にも爪痕を残しています。

そこかしこで発生していたのが液状化現象です。新潟市街地の土壌は、埋め立て前は砂丘、湿地など地質はさまざまで、その微妙な境目を狙ったように液状化が発生している模様です。

●車をも飲み込んでしまう液状化の恐ろしさ

歩道がまるごと陥没してしまった
歩道がまるごと陥没してしまった

ある地域は激しく地盤沈下、道路の陥没、アスファルトが大きくめくれたりと深刻な状況ですが、かたや通りを1本はさんだだけで、そこには平穏な空気が流れていたりします。自然の残酷さを感じます。

突如発生した段差に、歩くことすらできない
突如発生した段差に、歩くことすらできない

液状化で車庫の柱が沈み、車を出すことが出来なくなっている家屋がありました。

自力での脱出は不可能だ
自力での脱出は不可能だ

ある郵便局の駐車場では地面が大きく沈み、噴き出した地下水に車両前半分が浸かってしまっています。運良く乗員はいなかったようですが、もし乗ったままならパニックになったことでしょう。

●路肩には危険がいっぱい。よろめく歩行者に注意

路側帯も危険な状態だ
路側帯も危険な状態だ

路肩が大きく陥没している箇所もありました。地割れやそれによって発生したガレキが散乱していると車両にとっても歩行者にとっても危険極まりないポイントです。

路肩は崩れ、水道管破裂により路面はウエットに
路肩は崩れ、水道管破裂により路面はウエットに

路肩がボロボロに崩れている箇所もあり、不注意からヒットしようものならホイールやサイドウォールを傷つけてしまうかもしれません。

隆起したマンホールは危険極まりない
隆起したマンホールは危険極まりない

液状化といえば、マンホール等が突出する現象があります。「3.11」の際も千葉県浦安などの湾岸地域で見られたことを思い出します。埋め立て地である新潟市内でもアスファルトを突き破るように突出していました。路肩では、歩行者が歩きにくそうに避けていました。

車道は問題がないが、歩道側に大きなダメージが
車道は問題ない状態の場所でも、歩道側には大きなダメージが

地下水が噴出し地面もぬかるんでいたりすると、よろめいた歩行者が車道側にはみ出すこともあります。車で走る際は、ふだん以上に路肩に注意をはらうことが重要です。

●傾いた電柱の脇は、素早く通り過ぎる事もできにくい

土砂の噴出の仕方についても、それぞれの道でさまざまです。道路脇の塀が、まるで蟻地獄のように凹んでいる箇所がありました。足をとられてしまってはひとたまりもありません。

液状化により根本から傾いた電信柱
液状化により根本から傾いた電信柱

幸いだったのは雪のこの時期は、新潟県民は長靴を履くことがデフォルトになっているので、ふだんの靴よりは歩くための耐性はある、といっても、やはり危険です。

路肩にたまった土砂はかなり危険
路肩にたまった土砂はかなり危険

ゆるゆるになった土壌は、電柱を傾かせています。電柱そのものの倒壊も恐ろしいですが、垂れ下がった電線がもたらす発火や感電などの二次災害にも気をつけなければなりません。

かしいだ電柱と、狭くなってしまった車道
かしいだ電柱と、狭くなってしまった車道

すみやかに通り過ぎたいところですが、現場の渋滞や道路の亀裂・ぬかるみなどにより思うように走れない環境ですと、傾いた電柱の脇を走り抜けるのにすら肝を冷やします。

●簡単に倒壊してしまうのがブロック塀

ひとつ残らず崩落してしまったブロック塀
ひとつ残らず崩落してしまったブロック塀

さらに危険をはらんでいるのはブロック塀です。鉄筋のない旧いタイプの塀は、いとも簡単に崩壊しています。

地震がいったん落ち着いてからはカラーコーンが置かれるなど注意喚起が行われわかりやすくなりますが、それまではドライバーが注意するしか術がありません。余震が続くほどに倒れる塀が増えていきます。

今にも倒れてきそうな塀
今にも倒れてきそうな塀

ふだん使いの道が、アスファルトがめくれていたり亀裂があったりと走れなくなっています。迂回のためどうしても走り慣れない道を選ばざるを得ないケースもあります。そんなところに危険が潜んでいます。

●復旧のため集積された土砂も車線を狭くする

また、家屋への導線を確保するために避けられ積み上げられた土砂により、車線が狭くなっています。

退けられた土砂が山積みに
退けられた土砂が山積みに

さらに復旧が進めば、こんどは土のう袋が積まれていきます。

土砂を収納する土のう袋も大量発生
土砂を収納する土のう袋も大量発生

今回の地震は元旦の夕刻だったこともあり、災害ゴミの回収までにも時間を要しました。また断水のため水道の水を使うことができず思うように片付けが進まない地域は、こうした通行が困難な時期がしばらく続くことになります。

陥没箇所を避けて走るなど、ふだんの道にも気遣いが必要だ
陥没箇所を避けて走るなど、ふだんの道にも気遣いが必要だ

陥没した路面がそこかしこにあればそれを避けながら通ることになるので、ふだん使いの道でも同じように走ることはできません。

●地下水が噴出してできた水たまりは、深さが読めない

もっとも気を付けなくてはいけないのは、水たまりを走る時です。

地下水の溜まった下が陥没していることも
地下水の溜まった下が陥没していることも

液状化により噴出しできた水たまりは、ただの水たまりではありません。たまった水の下の路面が、陥没していることがあるからです。文字通りの“落とし穴”です。その深さは目視では測れません。そこにはまってしまいレッカーで引き揚げられている車両を何台も目撃しました。ふだん使いの道がひょう変するのが震災です。

●駐車場が被災したなら、無理しての脱出は避ける

充分な備蓄があれば話は別ですが、震災直後に日用品や飲料水、暖を取るための灯油を調達しに自宅を出ることもあるでしょう。今回は自宅車庫や駐車場にダメージがおよんだ事例も多く目撃しました。

車庫から出庫ができない状態も
車庫から出庫ができない状態も

車庫が土砂で埋まってしまうケースでは、泥の質もさまざまでぬかるみの程度もさまざまです。この時期の新潟はほぼすべての車両がスタッドレスタイヤを装着していますが、溝が泥で埋まったスタッドレスのグリップは過信は禁物です。

アスファルトが大きくめくれ、車の行く手を阻むような被災も数多くありました。人の手ですぐに避けられるような気がしますが思いのほか重量があるのがアスファルトです。角も鋭利になっているので無理に動かすのは怪我を招きます。

幹線道路に出るにあたって、大きく段差ができているケースもありました。ここを無理矢理、乗り越えようとして前にも後ろにも動かせなくなった車も目撃しました。

スーパーの入り口も一早く閉鎖された
スーパーの入り口も一早く閉鎖された
被災地周辺のガソリンスタンドは大渋滞
被災地周辺のガソリンスタンドは大渋滞

出掛けた先のスーパー、コンビニ等でも、駐車場が液状化していることがあります。被災地域では、一早くガソリンスタンドが閉鎖するので、近隣のスタンドがとても混雑し、長蛇の列を作っていました。非常食の備蓄ももちろんですが、ふだんから余裕をもって給油しておくのも大事だと感じました。

(文・写真:畑澤清志)