最高速仕様の『雨宮シャンテREターボ』が速すぎてヤバい! その2【OPTION 1982年6月号より】

■偉大なチューンドマシン! 最高速仕様『雨宮シャンテ・ロータリー・ターボ』

シャンテ・ロータリー・ターボ by RE雨宮自動車
シャンテ・ロータリー・ターボ by RE雨宮自動車

その1で「ゼロヨン仕様・RE雨宮シャンテRE」1号車をご紹介しました。見た目のインパクトやRE雨宮流の製作アイデアは、もう笑っちゃうくらいのド迫力でしたよね。さすがチューニング史のトップに君臨する名車です。今回の「最高速仕様・雨宮シャンテREターボ」も、軽の中でもよりコンパクトなシャンテでこの記録……やっぱりこのシャンテは偉大なチューンドマシンです。では、ドーゾ!

●最高速229.30km/h、まさに日本版ルノー5ターボだ

シャンテ・ロータリー・ターボ by RE雨宮自動車
最高速:229.30km/h / ゼロヨン:13.52秒

この超モディファイミニが、RE雨宮のシャンテ・ロータリーだ。すでにゼロヨン専用マシンとして12.54秒の記録を保持しているが、このマシンは第2号車である。外観からも分かるように、ストリートや最高速トライアルに使えるというから凄い。日本の改造車マシンブームもアメリカ並みになった観がある。

雨宮シャンテREターボのエンジンルーム
雨宮シャンテREターボのエンジンルーム

第1号車と違うのは、まずエンジンだ。12Aロータリーのサイドポートチューンなのは同じだが、こちらはKKK製のターボユニットが装着されている。ブーストは0.7kg/cm2にセッティングされていることから、220ps以上は確実。パワフルミニの最高峰に位置する。

その加速力は驚異的だ。1速、2速……と9000rpmまで一気に吹き上がる。約700kgの軽量ボディと相まり、ゼロヨンは13.52秒をたたき出した。1号車より遅いのは、ターボラグのためだろう。

雨宮シャンテREターボのコックピット
雨宮シャンテREターボのコックピット

しかし、ターボの実力は最高速で冴える。バンクを4速7500rpmで駆け降り、直線で8000rpmまで伸びた。229.30km/hだ。ウェーバーキャブのセッティングがベストなら「8500rpmは回るはず」というから恐ろしい。

シャンテRE2号車は、フロントストラットにRX-7用を使用
シャンテRE2号車は、フロントストラットにRX-7用を使用

さらに驚いたのは、高速安定性の良さである。シャンテRE2号車は、フロントストラットにRX-7用を使用。これはストロークを伸ばすためだが、ストラット支持部を溶接して作っており、高速走行で安定性は立証された。これはRX-7とシャンテのストラット下部が同じなので、ジオメトリー変化がないためだ。もしサスの型式を完全にモディファイする場合は難しいだろう。

このシャンテRE2号車なら、サーキット走行も可能と思えるほどの仕上がりと見た。

雨宮シャンテREターボのオーバーフェンダー
雨宮シャンテREターボのオーバーフェンダー

それにしても楽しいマシンだ。ボディの作りも素晴らしい、オーバーフェンダーは綺麗に叩き出され、サイドやリヤのウインドウガラスはアクリルに換えられているが、ウェザーストリップも装着されているほど。

軽自動車とは思えない力強さと改造美に満ちている。まさに、日本版ルノー5ターボだ。

OPTION 1982年6月号
OPTION 1982年6月号

このサイズで約230km/h!! 体感的にはオーバー300km/hなのではないでしょうか。しかもコレ、1982年のハナシですよ! やっぱり雨さん&シャンテREは、チューニング界の超レジェンドです!!

[OPTION 1982年6月号より]

(Play Back The OPTION by 永光やすの)

※2018年4月24日の記事を2024年1月5日に追記・再編集しました。

この記事の著者

永光やすの 近影

永光やすの

「ジェミニZZ/Rに乗る女」としてOPTION誌取材を受けたのをきっかけに、1987年より10年ほど編集部に在籍、Dai稲田の世話役となる。1992年式BNR32 GT-Rを購入後、「OPT女帝やすのGT-R日記」と題しステップアップ~ゴマメも含めレポート。
Rのローン終了後、フリーライターに転向。AMKREAD DRAGオフィシャルレポートや、頭文字D・湾岸MidNight・ナニワトモアレ等、講談社系車漫画のガイドブックを執筆。clicccarでは1981年から続くOPTION誌バックナンバーを紹介する「PlayBack the OPTION」、清水和夫・大井貴之・井出有治さんのアシスト等を担当。
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