ヤマハ発動機のグループ会社クーリメイトがタンザニアでラストマイルデリバリー事業を開始

■二輪車などのモビリティ、配送物の常時トラッキング機能、宅配専用アプリなどを活用

日本だけでなく世界でラストワンマイル配送などが急速に普及する中、物流網の維持や拡大など課題は多くあります。

世界で幅広く事業を展開しているヤマハ発動機は、グループ会社のCourieMate(クーリメイト)がタンザニアでラストマイルデリバリー事業を行う新会社の「CourieMate Tanzania」を設立しました。タンザニアで物流の高効率化や雇用創出への貢献を目指す構えです。

ヤマハ発動機のグループ会社クーリメイトがタンザニアでラストマイルデリバリー事業を開始
ヤマハ発動機のグループ会社クーリメイトがタンザニアでラストマイルデリバリー事業を開始

CourieMateは、アフリカ東部でラストマイルデリバリー事業を行っていて、2017年からウガンダで事業を展開。ラストマイルデリバリーサービスに必要なノウハウやITシステムの知見を蓄積してきました。

より大きな市場潜在力があるというタンザニアでの事業展開を見据え、2023年1月から実証実験を進めてきたそうです。その結果、CourieMateがウガンダで構築した事業モデルがタンザニア市場でも機能することが確認できたこと、現地の宅配需要を十分見込めたことから、2023年7月に新会社が設立されています。

タンザニアなどのアフリカ各国では、高効率な物流システムが十分に普及しておらず、経済成長を妨げる要因のひとつになっているそうです。

CourieMateは、ヤマハ発動機の強みである二輪車など機動力のあるモビリティ、配送物の常時トラッキング機能、宅配専用アプリなどの活用により、信頼性が高く、高効率なラストマイル物流を実現しています。

また、ECサイト運営による宅配需要の喚起や職業ドライバーの雇用創出を通じて、地域の社会課題解決と経済成長に貢献するとしています。

ヤマハ発動機は、2022年に発表された中期経営計画(2022~2024年)で、新規事業と成長事業を戦略事業領域と位置づけ、将来のコア事業として育てるための経営資源を積極的に配分するポートフォリオマネジメントを推進しています。

新規事業のひとつであるモビリティサービスビジネスでは、雇用機会不足などの社会課題に対して、二輪車事業の知見を活かしたサービスの提供により、人々の暮らしが豊かになる環境づくりが進められています。

経済的に厳しい状況にある人に対してモビリティ獲得の障壁を下げるアセットマネジメント事業、獲得したモビリティを使って収入を得るための仕事を生み出すラストマイルデリバリー事業により、地域経済の活性化、職業ドライバーの雇用創出を掲げています。

(塚田勝弘)

この記事の著者

塚田勝弘 近影

塚田勝弘

1997年3月 ステーションワゴン誌『アクティブビークル』、ミニバン専門誌『ミニバンFREX』の各編集部で編集に携わる。主にワゴン、ミニバン、SUVなどの新車記事を担当。2003年1月『ゲットナビ』編集部の乗り物記事担当。
車、カー用品、自転車などを担当。2005年4月独立し、フリーライター、エディターとして活動中。一般誌、自動車誌、WEB媒体などでミニバン、SUVの新車記事、ミニバンやSUVを使った「楽しみ方の提案」などの取材、執筆、編集を行っている。
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