ヤマハが若手レーサー育成のための新レースを2024年から新設。アジア・大洋州から未来のMotoGPライダー誕生に期待

■参加者にはYZF-R3レース仕様車もレンタル

新レースは、MotoGPなど世界的レースで活躍するアジア・大洋州の若いライダーを育成するプログラムの一環(写真はヤマハ・ワークスのファビオ・クアルタラロ選手)
新レースは、MotoGPなど世界的レースで活躍するアジア・大洋州の若いライダーを育成するプログラムの一環(写真はヤマハ・ワークスのファビオ・クアルタラロ選手)

ヤマハ発動機(以下、ヤマハ)は、アジア・大洋州地域の才能ある若手レーシングライダーの発掘と支援を目的に、2024年シーズンからロードレースの新シリーズ「Yamaha R3 bLU cRU Asia-Pacific Championship」を新設することを発表。グループ企業であるタイ・ヤマハ・モーターの協力のもと、全6戦を開催することを明かにしました。

この新シリーズは、2023年にタイで開催されたヤマハ「YZF-R3」ワンメイクレース「Yamaha R3 bLU cRU Thailand Cup」を発展させたもの。開催地をタイから拡大するほか、参加者にはYZF-R3のレース仕様車をレンタル。ほかにも様々な育成プログラムが用意されているといいます。

●12歳〜18歳の若手ライダーが対象

ヤマハが今回発表したYamaha R3 bLU cRU Asia-Pacific Championshipは、前述の通りタイ国内で2023年に開催されたYamaha R3 bLU cRU Thailand Cupの発展版といえる新レースシリーズです。

参加者には、320ccスーパースポーツ「YZF-R3」をベースにしたレース仕様車も貸与(写真はノーマル車)
参加者には、320ccスーパースポーツ「YZF-R3」をベースにしたレース仕様車も貸与(写真はノーマル車)

新シリーズでは、対象国をアジア・大洋州地域とし、日本を含む17ヵ国の若手ライダーが参加できます。

参加資格は、12歳〜18歳(開幕戦の時点で12歳であること)で、国際レース出場の未経験者(募集人数20名)。開催地は、2024年シーズンからはタイだけでなく、様々な対象国のエリアで行う予定です。

また、この新シリーズではYZF-R3レース仕様をレンタルできるほか、アドバイザーによるライディング指導、メカニックサービスなど、様々なサポートを受けることが可能。

さらに、このシリーズでチャンピオンを獲得したライダーにはスカラシップ制度も用意されており、翌シーズンから2年間の「Yamaha R3 bLU cRU FIM World Cup」への参戦支援も受けられます。

ちなみに、このYamaha R3 bLU cRU FIM World Cupとは、市販車ベースの最高峰レース「スーパーバイク世界選手権」と併催されているもので、世界中のライバルたちと、早い段階から、よりハイレベルな戦いを経験することが可能なシリーズ。これにより、ヤマハは世界に通用するライダーをこのプログラムから輩出することを狙うといいます。

加えてプログラムでは、Yamaha R3 bLU cRU FIM World Cupのシリーズチャンピオンを、翌年からより上位クラスの「FIM Supersport 300 World Championship」へステップアップさせるスカラシップ制度も用意。

つまり、ヤマハが今回スタートする新シリーズは、アジア・大洋州のライダーが世界の大舞台で活躍するための段階的なステップアップ・プログラムの登竜門ということですね。

ヤマハのこうした取り組みにより、近い将来、世界最高峰2輪レース「MotoGP」で活躍する日本やアジアなどのライダーが出てくることに期待大。できれば、MLBの大谷翔平選手のような世界的トップアスリートが育ってくれるといいですね。

【Yamaha R3 bLU cRU Asia-Pacific Championship概要】

ヤマハがアジア・大洋州の若手レーサー発掘・支援に向けた新レースを開始
ヤマハがアジア・大洋州の若手レーサー発掘・支援に向けた新レースを開始

・2024年レースカレンダー(暫定)
4月2日:プレシーズンプラクティス(タイ)
4月26〜28日:Rd.1(タイ:Chang International Circuit)
5月17〜19日:Rd.2(タイ:Bira Circuit)
6月5〜7日 :Rd.3(タイ:Thailand Circuit)
8月:Rd.4(未定)
9月13〜15日:Rd.5(タイ:Chang International Circuit)
10月:Rd.6(未定)

・参加資格:12歳〜18歳(開幕戦の時点で12歳であること)
*国際レースに出場経験がある方は対象外
・募集人数:20名
・対象国:タイ、マレーシア、インドネシア、カンボジア、シンガポール、フィリピン、ブルネイ、ベトナム、ミャンマー、ラオス、中国、台湾、インド、韓国、日本、オーストラリア、ニュージーランド
・参加費:USD10,000

【参加費に含まれるもの】
・レーシングスーツ、グローブ、ブーツ、胸/背中プロテクター(シーズン終了後贈呈)
・マシン貸与(YZF-R3レース仕様、メカニックサービス・タイヤ・燃料費を含む)
・アドバイザーによるライディング指導
・パドックパス
・昼食(ライダーのみ)
・ユニフォーム(ポロシャツ・Tシャツ)

【参加者が準備するもの】
・FIM NMFP (National Meeting with Foreign Participants)ライセンス
・スタートパーミッション
・ライダー保険
・保護者1名
・ヘルメット(別途定めるR3 bLU cRU Asia-Pacificレギュレーションに基づく)
・移動費・宿泊費

※上記内容は予告なく変更となる場合があります
※募集要項を含め詳細な情報は、2024年1月以降に順次ヤマハ発動機のホームページにて発表予定

(文:平塚 直樹

【関連リンク】

ヤマハ発動機 レース情報
https://global.yamaha-motor.com/jp/race/

この記事の著者

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平塚 直樹

自動車系の出版社3社を渡り歩き、流れ流れて今に至る「漂流」系フリーライター。実は、クリッカー運営母体の三栄にも在籍経験があり、10年前のクリッカー「創刊」時は、ちょっとエロい(?)カスタムカー雑誌の編集長をやっておりました。
現在は、WEBメディアをメインに紙媒体を少々、車選びやお役立ち情報、自動運転などの最新テクノロジーなどを中心に執筆しています。元々好きなバイクや最近気になるドローンなどにも進出中!
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