■パワートレインは、「CLE 53」新型から流用されるマイルハイブリッドに
メルセデスAMGのパフォーマンスクーペ「GT」シリーズに新たな廉価モデルが加わることは報道しましたが、その最新プロトタイプを捉えるとともに詳細が見えてきました。
今夏発表されたばかりのAMG GT新型では、最高出力476psを発揮する「55 4MATIC+」と、最高出力585psを発揮する「63 4MATIC+」をラインナップ。どちらも4.0リットルV型8気筒ターボエンジンを搭載しています。
そしてこの第2世代GTに、より廉価なモデルが加わりますが、その車名がAMG「GT 53クーペ」である可能性が高いことがわかりました。
厳冬のスカンジナビアで捉えたプロトタイプは、基本的に63と同じですが、重要な変更も見てとれます。フロントエンドでは、サイドに小さなエアインテークと新設計のメルセデス「パナメリカーナ」グリルを備えたバンパーレイアウトが採用されます。
足回りには、「SL 43」で使用しているスプリット5スポークの20インチホイールに、ミシュラン冬用タイヤを装着しています。前輪の後部には、AMG GT 63の垂直開口部よりもSLのものに近い小さなエアベントが見えます。後部では、63に似たディフューザーが確認できますが、下部エクステンションは見当たりません。
リアバンパーコーナーには、後輪ダクトがあるはずの場所に雪がカモフラージュになっているようですが、以前のスパイショットからは、ダクトが63から引き継がれないことを示唆しています。また、固定スポイラーはありませんが、代わりに格納式スポイラーが装備されます。
そして、よりパワーの低い53であることを最も明白に示しているのは、クワッドエキゾーストパイプで、63の四角いデザインではなく、円形デザインが特徴です。
ボディには、フィラーフラップが1つしかなく、これがプラグインハイブリッドではないことを示唆しています。予想されるパワートレインは「CLE 53」新型から流用されるとみられます。
これは、マイルドハイブリッド技術を用いた直列6気筒エンジンで、最高出力は63の585psを下回る469ps、最大トルク700Nmが予想されますが、それでも0-100km/h加速は3.9秒となるでしょう。
GT 63には、アダプティブダンパー、リアアクスルステアリング、電動リミテッドスリップディファレンシャルに加え、車の車高を制御できる油圧式アンチロールバーシステムが装備されています。この技術的システムが53にどれだけ反映されるかは不明ですが、この一部をオプションとして追加できる可能性は高いと思われます。