塚田勝弘 
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■21インチ径広幅タイヤとマットブラック塗装のアルミホイールを用意
クロスオーバーからスタートした現行クラウンは、スポーツ、セダンと続々とバリエーションが追加されています。2023年12月19日、新型クラウン スポーツのプラグインハイブリッド車（PHEV）が発売されました。クラウン スポーツは2.5Lハイブリッド（4WD）からデビューし、今回、2.5LのPHEVが加わったことになります。
トヨタは、クロスオーバーのハイブリッド、スポーツのプラグインハイブリッド、スポーツのハイブリッド、セダンのハイブリッドと燃料電池車（FCEV）を、カーボンニュートラルに向けた重要な選択肢のひとつと位置づけています。
エクステリアはクラウン スポーツの美しさを足元から支える21インチ大径広幅タイヤと、マットブラック塗装が目を惹く専用アルミホイールが特徴です。印象的なトリプルスポークと細いレイヤースポークは高級感があり、スポーティな雰囲気をも漂わせています。
インテリアは、華やかな「ブラック＆センシュアルレッド」が運転席と助手席で左右非対称に配色されてるのが特徴です。運転への高揚感をより高めるとともに、個性とスポーティさを強調。
また、新開発の光輝材を入れた表皮が用意され、強い陰影と鮮やかな発色を実現しています。前後席のシートベルトにも赤色が用意されています。シートはスポーツタイプで、高いホールド性に加え、運転への高揚感を高める赤いステッチが施されています。
●ガソリンタンク容量は55Lで、航続距離は1200km以上
2.5Lプラグインハイブリッド（リダクション機構付のSeries Parallel Plug-in Hybrid／A25A-FXS型2.5Lダイナミックフォースエンジン）は、出力密度の高い駆動用モーターが搭載され、システム最高出力は225kW（306PS）に達し、モーターを最大限活用することでシームレスで力強い加速を実現しています。
車体中央床下に51Ahの大容量リチウムイオン電池が配置され、室内の広さを損なわずに実用的なEV走行航続距離を確保。日常生活の大部分をEV走行でカバー。満充電状態でEV走行距離は90km・ハイブリッド燃費は20.3km/Lに到達しています。ガソリンタンク容量は55Lで航続距離は1200km以上と、超ロングドライブでも安心です。
駆動方式は先述したようにE-Four（電気式4WDシステム）で、プラグインハイブリッドシステムが生み出すハイパワーは、余すことなく四輪に配分されます。走行安定性の高さによりコーナリング中をはじめ、降雪時や雨天時の走りでも安心感を向上させました。
「SPORT Z」グレードをベースにフロアトンネル部へのブレース追加など、ボディの最適な剛性バランスがさらに追求されています。最適化されたボディ剛性に対して、前後ショックアブソーバーの摩擦特性と減衰力特性も最適化。
路面状況や運転操作に応じ、ショックアブソーバーの減衰力を4輪独立で制御するAVS（Adaptive Variable Suspension）が採用され、しなやかなで接地感のあるフラットな乗り味を実現します。
操作性では、手元の操作でスムーズなシフト操作が可能なパドルシフトが用意されています。足元は、前輪は20インチベンチレーテッドディスクブレーキを用意。
また、専用20インチ対向6ピストンアルミキャリパーが設定され、制動力を向上させるとともにスポーティイメージも引き上げられています。フロント、リヤともにブレーキのキャリパーにレッド塗装が施されています。
●充実した発電、給電機能
PHEVらしく発電、給電機能も充実しています。普通充電時にパワースイッチをオンにすると、外部電源を使いエアコンやオーディオが使える「マイルームモード」を搭載。エンジンをかけずに車内で快適に過ごすことが可能。車内をもう1つの部屋として、テレワークや休憩などに活用できます。自分だけのスペースが欲しい際に重宝しそうです。
もちろん、停電や災害時などの緊急時、キャンプなどのアウトドアで使える最大1500W（AC100V）の外部給電機能も標準装備されています。センターコンソールボックス後端とラゲッジに設置されたアクセサリーコンセントに加え、付属のヴィークルパワーコネクターを充電インレットに差し込むことで、AC100V／1500Wの外部給電コンセントとしても活用できます。
普通充電に加え、急速充電も設定されています。充電時間も普段の200V用充電ケーブルを使った場合と比べて、約38分（満充電量の約80％）と大幅に短縮できます。
車に蓄えた電気を住宅に供給する仕組み「V2H（ブイツーエイチ）」にも対応しています。災害などの停電時でも走る蓄電池として活用できます。急速充電インレットに、外部給電機能（V2H）が設定され、V2H機器（別売）と接続することで、駆動用バッテリーに蓄えた電力を家庭用電力として使用できます。
加えて、住宅の太陽光発電などで生じた余剰電力を車両の駆動用バッテリーに蓄電することも可能で、ムラのない電力の需要と供給に効果も期待されます。
レジャーやアウトドアで役立つ、バッテリーにためた電力を外部に給電できる「EV給電モード」、停電や災害などの非常時に車を電源として活用できる「HEV給電モード」を設定。
ハイブリッド給電モードでは、スタートはバッテリーのみで給電し、バッテリーが一定の残量を下回るとエンジンがかかり給電を継続。バッテリー満充電、ガソリン満タンの状態から約6.5日分（一般家庭が日常使用する電気量。1日当たり10kWhで換算）の電力を供給可能。給電用の装備として、車内への虫などの侵入や雨天での雨水の侵入を防ぐ外部給電アタッチメントが標準装備され、ドアガラスを閉じたままでの外部給電が可能になっています。
●SPORT RS価格：765万円
（塚田 勝弘）
