■京都線の特急車両に連結する「PRiVACE(プライベース)」
阪急電鉄は10月6日付のプレスリリースで京都線用新型特急車両2300系を2024年夏に導入するとともに、阪急初に座席指定サービスを実施すると発表していましたが、11月21日付のプレスリリースで座席指定サービスの名称を「PRiVACE(プライベース)」に決定したと発表しました。
「プライベース」は「日常の“移動空間”を、プライベートな空間で過ごす“自分の空間”へ」をコンセプトとし、PRIVATE(プライベート)とPLACE(プレイス)を掛け合わせた独自のネーミングとしました。「プライベース」車両は中央部に乗降ドア・デッキを配置したⅠドア車として、デッキの前後に客室を設けています。また、乗降ドア部分には「プライベース」のロゴを配しています。
車内の詳細についてはまだ発表されていませんが、10月6日付のプレスリリースでは定員が40人だと発表しています。
また、デッキのイメージイラストによると通路がオフセットして配置されているので、リクライニングシートを1+2列で配置していると思われます。
「プライベースは」2024年夏にデビューする京都線の新型特急車両2300系のほか、現在運行している特急車両9300系の一部に連結します。
連結する位置は大阪側から4両目となります。
「プライベース」を連結する列車は京都線大阪梅田〜京都河原町間を運行する特急・通勤特急・準特急です。「プライベース」を利用するためには運賃とは別に座席指定料金が必要となり、料金などは今後発表される予定です。
「プライベース」を連結した列車の運行頻度は1時間当たり2〜3本。その後順次編成を増備し、2025年度には1時間当たりの運行頻度を4〜6本に拡大する予定となっています。
●京阪間移動の新しい魅力に
阪急京都線が走る京阪間にはJR京都線(東海道本線)と京阪電気鉄道も運行。それぞれに特色があります。
JR京都線は大部分が阪急京都線と競合していて、戦前からライバル関係にありました。現在も京都〜大阪間を最高速度130km/h、所要時間29分で結ぶ新快速を15分間隔で運行し、速達面では優位に立っています。
また、京都以東は米原・敦賀、大阪以西は神戸・姫路・播州赤穂と広範囲なネットワークを形成しているのが新快速の強み。なお、新快速には有料座席指定席「Aシート」も設定されていますが、運行本数は少ないため今後の増強が期待されています。
京阪は淀屋橋・京橋〜三条・出町柳を結んでいます。運行ルートは淀川の東岸を走るため、阪急やJR京都線とは離れています。特急は12〜15分間隔で運行。
淀屋橋〜出町柳間の所要時間は50分以上となりますが、メインとなる京橋〜七条間の所要時間は約38分となっています。
京阪特急に使用されている8000系・3000系には有料座席指定席「プレミアムカー」を連結し、好評を博しています。また、8000系にはダブルデッカー車を連結していて、こちらも人気です。
阪急特急は大阪梅田〜京都河原町間を概ね10分間隔、所要時間42〜45分で運行。所要時間面ではJR京都線の新快速より長いですが、京都の中心地への利便性を考えると阪急特急も遜色ありません。
土休日には観光客向けの快速特急「京トレイン 雅楽」も運行。「京トレイン 雅楽」は和風の車内で高い人気を誇っています。
2024年夏から導入される座席指定サービス「プライベース」は京阪間移動の新たな魅力となることは間違いないでしょう。
(ぬまっち)