清水和夫はレクサス「LM500h」(プロトタイプ)のどこに座る?「ショーファーだけど運転したい!と思わせるドライバーズカーだわ」

■アルヴェルのレクサス版?「LM500h」を前後列で初体験してみた

●ショーファーカーがこんなに運転楽しくていいの?

レクサス未発表のプロトタイプを清水和夫が一気乗り!
レクサス未発表のプロトタイプを清水和夫が一気乗り!

ヤリスクロスのレクサス版「LBX」。SUV3列シートで北米地域専用モデル、新センチュリーのレクサス版?「TX350」「TX500h」。ランクルも真っ青の本格オフローダー「GX550」。水素エンジン搭載のバギーカー「ROV Concept」。

そして今回ご紹介するアルヴェルのレクサス版?、4座仕様のショーファーカー「LM500h」。

この全てが、日本ではまだ売っていないのと、売る予定は無いレクサスたちです。

そんなレクサスたちを特別試乗したのは、国際モータージャーナリスト・清水和夫さん。興味深いスペシャル試乗レポート動画を、順次お届けしています。

レポートその1は、レクサスのヤリスクロス、LBX
レポートその1は、レクサスのヤリスクロス、LBX

第1発は、2023年内にも日本発売を予定している、ヤリスクロスのレクサス版「LBX」。第2発は3列シートで北米地域専用モデル、新センチュリーのマジものSUV版?の「TX350」「TX500h」

そして今回は、アルヴェルではまだまだ満足できない?、ビッグなミニバン・ショーファーカー「LM500h」を、リヤシートインプレッション多めでご紹介します。

レポートその2は、レクサスの新センチュリー「TX350」「TX500h」
レポートその2は、レクサスの新センチュリー「TX350」「TX500h」

新GA-Kプラットフォームを採用、後席はプライバシーを確保し、多彩な利用を想定した大型48インチワイドディスプレイも装備。

気になる発売時期(ウワサでは今秋?)や価格、4座仕様以外の設定などは公表されていませんが、レクサスの『お・も・て・な・し』を清水さんが初体験! 日本国内では、4人乗り仕様(2.4L直4ターボハイブリッドシステム[eAxle])から導入予定です。


●レクサス「LM500h」とトヨタ「アルファードExecutive Lounge」サイズ比較

清水さんのインプレッションの前に、気になるLM500hとアルファード(前回、清水さんが試乗したグレード)とのサイズ比較は以下の通りです。

LM500hのボディサイズ
LM500hのボディサイズ

・レクサス LM500h(プロトタイプ)
全長×全幅×全高:5125×1890×1955mm
ホイールベース:3000mm
タイヤサイズ:225/55R19
価格:……


アルファードのボディサイズ
アルファードのボディサイズ

・トヨタ ALPHAED Executive Lounge E-Four(ハイブリッド)
全長×全幅×全高:4995×1850×1935mm
ホイールベース:3000mm
タイヤサイズ:225/65R17
価格:8,720,000円(税込)

ホイールベースは同じですが、全体的に、LM500hのほうがチョイひと回りほど大きいですね。LM500hの価格はまだ分かりませんが、多分…1000万円超えるのか?と想像。

●『レクサス・ブランド』に一貫性はあるのか、感じてみる

清水和夫×レクサスLM500h
清水和夫×レクサスLM500h

今日は、富士スピードウェイのこの素敵なホテルとサーキットでレクサス2023年のショーケース。これだけ売ってないレクサスを集めていっぺんに乗せるというのは、今までなかった。自動車メーカーってブランド持っているので、単品で試乗会とかプロトタイプを乗せられても、よく分からないとこもある。

LM500hのリヤビュー
LM500hのリヤビュー

たとえば、ジャガーとかBMW、ポルシェとか、1度に乗ると、やっぱりそのブランドが何を目指してるのかが分かるんです。今回、レクサスは、単品バラ売りじゃなくて、一同にいっぺんに乗ることができますから、果たしてレクサス・ブランドの筋が通ったか、乗り味が一貫してるか、デザインはもう見て分かりますけど、かなりコンシステンシー、一貫性というのが出てきたと思うんです。

大事なのは、乗った時の味がBMWは何に乗ってもBMW、メルセデス・ベンツは何に乗ってもメルセデス・ベンツ、レクサスは何に乗ってもレクサスだね!っていうような味があるかどうか、それを今日1日楽しみたいと思います。

●ショーファーカーLM500hをリヤシートで味わったら社長さん気分満載♪

いやいいな、これ。

社長さん用の高級タクシーにも採用か?
社長さん用の高級タクシーにも採用か?

こういうなんかショーファーの車ってね、いろいろ選択肢があって、昔からの3ボックスセダン、トヨタで言えばセンチュリーとかレクサスLSとか。クロスオーバーSUVみたいなちょっと背高い系。あとミニバンベースで2列にしてゆったりと走らせる。いろんな選択肢があるんだけど。

言うまでも無いけど、足元は広々。オットマン付き
言うまでも無いけど、足元は広々。オットマン付き

どれがいいかっていうのは多分、乗ってみたら分かる。まぁ値段次第ってところもあるけど。センチュリーのデカいやつ、セダンじゃないやつね。あれが2500万円からスタートなので、オプションつけて3000万円ぐらいだから多分、アレが一番、乗り心地はいいと思うんだけどね。

モニターもデカい!
モニターもデカい!

このレクサスLMがどのくらいの値段かまだ発表してないけど、これも多分1000万円以上するかなと思います。じゃないとアルファード/ヴェルファイアが売れなくなっちゃう!

でも、乗り心地は圧倒的にアルヴェルよりもいいですね。

これ、エンジンは2.4Lターボのクラウン スポーツと一緒かな。リアは誘導モーター付けたE-Fourを持ってますね。エンジンは静かで、遮音がいいからね、キャビンに音が入ってこない。

LM500hの2列目は解放感もあり
LM500hの2列目は解放感もあり

まぁ何だろう、ちょっとリアサスがこうフンワカフンワカ、上下に動いてるところがあるけど、これはしょうがないかな。

もっと重厚感のあるドシッ!としたショーファーカーに乗りたかったら、センチュリー。長距離走るんだったら、やっぱりでかい方がいいと思う。

足もレクサスに合わせてちゃんとセッティングしてあるし、タイヤはミシュランが付いていますからね。

ただ気になるのは、2.4Lターボなので、海外では多分、2モーターのTHSもあると思う。日本は燃費ではなくて、むしろ1モーターを選んだっていうのは、最初のステージとしての選択肢なんだろうけど。やがてTHSも選ばれるのかなという気はします。当然、ソッチの方がエンジンの振動とか少ないし、燃費も良くなりますよね。

2列目シート。贅を尽くしています
2列目シート。贅を尽くしています

でも、インテリアよく作り込んでるな。

段差乗り越えた時のハーシュ(振動)の音がちょっとします。この辺は、やっぱりFFアーキテクチャーの、いくらリヤにモーターがあるとはいえ、基本設計はフロントヘビーの車なので、ちょっとやむを得ないところがあります。

今のLSがあんまり進化してないっていうかFR。まあでもLSのFR・3ボックスセダン、止めちゃうのかな。なんか1コ残しておきたい気がしますけどね。

段差などを乗り越えると…ドタンッ!
段差などを乗り越えると…ドタンッ!

ン~やっぱり、ハーシュの音が気になります。お! またドタンという感じね。マンホール踏んだり舗装のつなぎ目で、ちょっとリヤがドドン!という。

アルファード/ヴェルファイア、そしてこのレクサスLMと3つ並ぶんだけど、これは3列シートじゃなくて2列シートなので、贅沢なタクシーが採用するかな。

まぁでも、いろんな選択肢があっていいかなと思いますけどね。

これなんかいろいろ付いてるけど、オットマンが出ましたね!ここで仕事もできる。

ということで、まぁ乗り心地はまずまずかな。

●運転手はワタシ! それくらい走って楽しいよ♪

ショーファーカーなのにこんなに運転が楽しいなんて!
ショーファーカーなのにこんなに運転が楽しいなんて!

これはね、後ろの席より運転席のほうが楽しい。これはショーファーというよりもドライバーズカーに近い。

清水和夫×レクサスLM500h
清水和夫×レクサスLM500h

ミニバンの2列シートなんだけど、こんなにドライバーズカーにしちゃっていいのかな?っていう気はする。これ、やっぱTHSにして、後ろの居住性をもっと上げた方がいいんじゃないかな。

LM500hのコクピット
LM500hのコクピット

どっちに乗りますか?っていったら、元気がある時は後ろに座るよりも、私だったら運転席、座りたくなっちゃうな。

足も悪くないよね、運転すると悪くない。後ろの席に座ってると、ちょっとハーシュが辛いかな。

結論! 意外にこのレクサスのミニバンLM500hは、ドライバーズカーでした!!


和夫さん、運転ヨロシク♪
和夫さん、運転ヨロシク♪

そうですか、このショーファーカーは運転して楽しい仕上がりになっているんですね! じゃ清水さん、運転ヨロシク! 私はリヤシートでシュワシュワ飲みながらのんびりします(笑)。

■LEXUS LM500h プロトタイプ諸元
全長:5125mm
全幅:1890mm
全高:1955mm
ホイールベース:3000mm
タイヤサイズ:225/55R19

(試乗:清水 和夫/動画:StartYourEnginesX/アシスト:永光 やすの

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この記事の著者

清水和夫 近影

清水和夫

1954年生まれ東京出身/武蔵工業大学電子通信工学科卒業。1972年のラリーデビュー以来、スーパー耐久やGT選手権など国内外の耐久レースに参加する一方、国際自動車ジャーナリストとして活動。
自動車の運動理論・安全技術・環境技術などを中心に多方面のメディアで執筆し、TV番組のコメンテーターやシンポジウムのモデレーターとして多数の出演経験を持つ。clicccarでは自身のYouTubeチャンネル『StartYourEnginesX』でも公開している試乗インプレッションや書下ろしブログなどを執筆。
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