スズキが公開した新型「スイフト コンセプト」を現行モデルと徹底比較

■キープコンセプトながらも随所にスズキらしい個性が光る

次期「スズキ スイフト」のコンセプトモデル
次期「スズキ スイフト」のコンセプトモデル

スズキが2023年10月3日、次期スイフトと思われる「スイフト コンセプト」を自社ホームページ上で公開しました。

同社は10月末に東京ビッグサイトで開幕する「JAPAN MOBILITY SHOW 2023」(JMS2023)に出展するとしています。

次期「スズキ スイフト」のコンセプトモデル
次期「スズキ スイフト」のコンセプトモデル

次期「スペーシア」のコンセプトモデルや、同社のEV世界戦略車第1弾となる 「eVX」「eWX」なども同時公開するようですが、やはりスイフトはスズキの看板車種だけに注目の1台となりそうです。

現行のスイフトは2016年12月に発売された4代目ですが、7年が経過する現在も国内で月平均2,000台以上の販売を維持しており、海外でもスズキの世界戦略車として重要な役割を担っています。

●新型と現行型の違いは?

新旧スズキ スイフト比較(上が次期仕様)
新旧スズキ スイフト比較(上が次期仕様)

5代目となる新型では、スイフトの新たな価値を提案すべく「デザイン」と「走り」だけではなく、「車と日常を愉しめる」という新しい価値を提供するモデルとして開発。

そのエクステリアはキープコンセプトながらも、スズキらしい個性的なデザインに仕上がっており、中でもフロントマスクを構成するユニークなフードパネル造形や、上下幅を抑え、6角形から8角形となった荒目の格子を内包するラジエターグリルが目を惹きます。

新旧スズキ スイフト比較(右が次期仕様)
新旧スズキ スイフト比較(右が次期仕様)

またサイドビューでは、車両後部まで力強く貫くベルトラインが印象的で、リヤドアハンドルを通常のドアパネル面に移設。Cピラー後部にスモーク調のクォーターウインドウを配した6ライトとなっているのが特徴で、後方視界に寄与しそうです。

リヤ周りでは“コの字”型に発光するテールランプなどが目を惹きますが、全体的にふくよかな現行モデルに対してやや大人しい印象を受けます。

新旧スズキ スイフト比較(上が次期仕様)
新旧スズキ スイフト比較(上が次期仕様)

一方、インテリアはセンターモニターがダッシュボード上に移され、視認性を重視した意匠となっており、上質感が高められているようです。

安全装備も充実しており、交差点等で自転車やバイクを検知できる衝突被害軽減ブレーキ“デュアルセンサーブレーキサポートII”やアダプティブハイビームシステム、車内カメラによるドライバーモニタリングシステムなどの先進安全技術を搭載。

●パワートレーンや車両価格はどうなる?

各種情報によると、車両サイズは現行比で全長が約110mm、全幅が25mm、ホイールベースが50mm程度それぞれ拡大される模様で、拡幅(初の3ナンバー)による操安性向上に加え、居住性の向上が図られるようです。

スイフトの現行プラットフォーム「HEARTECT」
スイフトの現行プラットフォーム「HEARTECT」

プラットフォーム「HEARTECT」にも大幅な改良が加えられているようで、パワートレーンには走行性能と燃費性能向上を両立する高効率エンジンを搭載。NAの1.2L直4エンジン仕様に加え、モーターを組み合せた1.2LマイルドHEV仕様が設定される模様。

現行スズキ スイフトのエクステリア
現行スズキ スイフトのエクステリア

スズキでは2023年内に正式発表、翌年早々の発売を目指しているようで、1年後には同車をベースにしたスポーティモデル「スイフト スポーツ」の発売が予想されており、こちらも1.4L直4エンジン+モーターによりマイルドHEV化される見通し。

現行スズキ スイフトのリヤビュー
現行スズキ スイフトのリヤビュー

気になる車両価格は標準モデルが180万円前後から、スイスポについても現行モデルが202.8万円(2WD/6MT)からと、比較的リーズナブルに設定されていることから、次期モデルがマイルドHEV化された場合も200万円台に抑えられると予想。

いずれにしても、10月末にスタートするJMS2023に向けてスズキが出展を予定している「スイフト コンセプト」はファンから大きな注目を集めそうです。

Avanti Yasunori

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Avanti Yasunori

大手自動車会社で人生長きに渡って自動車開発に携わった後、2011年5月から「clicccar」で新車に関する話題や速報を中心に執筆をスタート、現在に至る。幼少の頃から根っからの車好きで、免許取得後10台以上の車を乗り継ぐが、中でもソレックスキャブ搭載のヤマハ製2T‐Gエンジンを積むTA22型「セリカ 1600GTV」は、色々と手を入れていたこともあり、思い出深い一台となっている。
趣味は楽器演奏で、エレキギターやアンプ、エフェクター等の収集癖を持つ。
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