■阪急電鉄が11年振りにモデルチェンジ
阪急電鉄は京都線に新型特急車両2300系、神戸線・宝塚線に新型通勤車両2000系を2024年夏から導入すると発表しました。
阪急電鉄の新型車両は2013年に神戸線・宝塚線用の通勤車両として登場した1000系と、1000系をベースとして京都線用通勤車両として導入した1300系(導入は2014年だが)以来、11年振りにモデルチェンジすることになります。
また、京都線の特急車両としては2003年から導入された9300系以来21年振りとなります。
2300系・2000系の開発コンセプトは「安心と快適、そして環境に配慮した新しい阪急スタイル」とし、2022年度グッドデザイン・ロングライフデザイン賞を受賞した阪急電車のイメージを継承しつつ、前面の窓ガラスに曲線を取り入れて「疾走感」を醸し出したデザインに変更します。
VVVFインバータ制御装置には高効率な半導体素子を採用。既存車両と比較して消費電力量を60%削減。車体側面の行先表示器のLEDを走行中に消灯させることで、消費電力量のさらなる低減を図っています。
車内の快適性を向上させるため、インバータ式空調装置を阪急で初めて採用。省エネルギー性能と静音性を向上させました。また、空気清浄機も阪急で初めて採用します。
特急車両の2300系はクロスシートとロングシートを配置したセミクロスシートを採用します。
通勤車両の2000系はオールロングシートを採用。座席端部の袖仕切りは半透明の素材に変更して開放的な空間作りをしています。また、座席端部と座席の中間部に握り棒を設置します。
バリアフリー設備も充実。車いすスペースは手すりを2段にして安全性と利便性の向上を図りました。車いす固定具も新設。優先席と吊り手は色覚の多様性にも配慮した配色に変更したほか、吊り手の高さを低くして利用しやすくしています。
先頭車両は車いすスペースを拡大してベビーカーや大型荷物も置きやすくしています。
●阪急初の座席指定サービスを導入
京都線の特急車両2300系では阪急で初めての座席指定サービスを導入します。座席指定車両は大阪方から4両目となる予定です。
近年関東では座席指定車両の導入が進んでいます。関西でも京阪電気鉄道が2017年から8000系に座席指定車両「プレミアムカー」を導入。2021年から3000系にも導入しました。「プレミアムカー」はリクライニングシートを1+2列で配置。定員は40人となっています。
現在は快速特急「洛楽」・特急・快速急行・通勤快急に「プレミアムカー」を連結しています。そのほか全車両が座席指定となるライナーも運行しています。
JR西日本も2019年から新快速用の一部に座席指定車両「Aシート」の連結を開始しました。「Aシート」は特急車両に準じたリクライニングシートを配置しています。
阪急の座席指定車両の詳細は後日発表されることになっていますが、今回のプレスリリースで定員は40名と発表されているので、京阪「プレミアムカー」のような、かなりグレードの高い座席が予想されます。今から登場が楽しみです。
(ぬまっち)