トヨタ新型「クラウン・スポーツ」登場! 流麗なエクステリアデザインと走りが魅力

■2.5Lハイブリッドから発売し、2023年12月頃にプラグインハイブリッドを追加

1955年の初代登場から、その名は残しながらも歴代史上最大の大変革を遂げたクラウン。現行型はグローバルモデルになり、とくにエクステリアはご先祖様たちからは想像つかないほど大きく変わっています。

トヨタ・クラウン・スポーツのサイドビュー
トヨタ・クラウン・スポーツのサイドビュー

2023年10月6日、新型クラウン・スポーツのハイブリッド車が発表されました。同日から注文の受付が開始され、11月頃の発売予定。プラグインハイブリッド車(PHEV)は、同年12月頃に発売予定。

なお、クラウン・セダンは、2023年11月頃、クラウン・エステートは、2023年度内の発売予定になっています。

トヨタ・クラウン・スポーツのリヤまわり
トヨタ・クラウン・スポーツのリヤまわり

クロスオーバーと同様に、FFベースとなるクラウン・スポーツ。ショートデッキが際立つエクステリアは、「新しいカタチのSUV」を謳っています。

いまや、クーペやスポーツカーとSUVを融合させたようなクロスオーバーモデルは、巷にあふれかえっています。そんな中でクラウン・スポーツは、ショートデッキでありながらも、流麗な線を描くボンネットフードから伸びやかに続くベルトライン、そして後方に行くほど天地高が短くなるサイドガラスと、短く見えるDピラーが印象的。

トヨタ・クラウン・スポーツのリヤまわり
トヨタ・クラウン・スポーツのリヤまわり

トヨタでは、このDピラーからリヤタイヤにかけて大きく張り出したフェンダーが最大の特徴と説明しています。フェンダーがダイナミックで低重心な印象を高め、大径タイヤが存在感を高め、スタンスの良さにも寄与。

また、フロントは、クロスオーバーから進化させたというハンマーヘッドフェイスを採用。レンズ幅を薄くしたデイランプが黒色部内に集約され、よりシャープで精悍な表情を生んでいます。また、ワイドに構える表情も印象的です。

足まわりはクロスオーバーと同様に、21インチタイヤ(アルミホイール)が設定されていて、上質な乗り心地を担保しつつ、さらに広幅かつ大径化され、スポーツの美しさが表現されています。

●乗降性や静粛性にも磨きをかける

島(アイランド)のように配置するデザインである「アイランドアーキテクチャー」を採用
島(アイランド)のように配置するデザインである「アイランドアーキテクチャー」を採用

インパネは、ディスプレイやシフトなどの各機能をひとくくりにして、島(アイランド)のように配置するデザインである「アイランドアーキテクチャー」を基調に、運転席と助手席は、アシンメトリーなデザインになっています。

運転席側は、運転に集中しやすいようにブラックに統一されています。助手席側はくつろげるように、特別な素材と配色が用意されています。左右非対称といっても、水平基調のセンターディスプレイやインパネ中央を貫くシルバー調の加飾などにより、すっきりとした視界が確保されているようです。

トヨタ・クラウン・スポーツのキャビン
トヨタ・クラウン・スポーツのキャビン

乗降性や快適性にも配慮されていて、大径タイヤにより得られた高いヒップポイントによって乗り降りがしやすく、サイドのロッカーの高さ、段差やリヤドアトリム形状にもこだわり、足さばきのしやすさも追求されています。

快適性では、乗員同士の言葉がダイレクトに伝わり、会話がしやすい空間を実現するため、室内音を反射する「調音天井」をトヨタで初採用したとしています。どういったNVH(Noise/Vibration/Harshness:雑音振動低減)対策なのかも気になるところです。

足まわりでは、クラウン・スポーツの名にふさわしい走りを得るため「DRS(ダイナミックリヤステアリング)」をキャラに合わせて最適にチューニング。低速域では軽快感を、高速域ではさらに安定感を高め、ハンドリングの良さも追求されています。

フロントサスペンションは、マクファーソンストラット式
フロントサスペンションは、マクファーソンストラット式

パワートレーンをチェック。2.5Lシリーズパラレルハイブリッドシステムは、クロスオーバーと同様に、高効率と高性能が両立されています。電気エネルギーを有効活用することで、低速でのレスポンス向上、中・高速域でのダイレクトな加速を実現。もちろん、燃費性能や静粛性にも配慮されています。

リヤサスペンションは、マルチリンク式
リヤサスペンションは、マルチリンク式

2.5Lプラグインハイブリッドシステム(PHEV)は、出力密度の高い駆動用モーターが搭載され、加速フィールだけでなく、微妙なアクセルワークで前後の荷重移動や車速のコントロールができる駆動力が得られるそうです。

また、新開発の大容量リチウムイオンバッテリーの搭載により、車内空間を犠牲にせずにEV走行の航続距離を拡大。日常生活の大半をEV走行でカバーできるのも魅力です。

●最新の「トヨタ・セーフティ・センス」とテレマティクスを用意

最先端の先進安全装備も揃っています。最新の「Toyota Safety Sense(トヨタ・セーフティ・センス)が標準化され、先行車やコーナーに対しての減速支援と、操舵の支援を行う「プロアクティブドライビングアシスト(PDA)」を搭載。

さらに「アドバンストドライブ(渋滞時支援)」と「アドバンストパーク(リモート付)」からなる「トヨタチームメイト」も設定されています。高速道路渋滞時に一定条件下での運転負荷軽減、そして最新の駐車支援機能を享受できます。

クラウン・スポーツのカラーバリエーション
クラウン・スポーツのカラーバリエーション

そのほか、「ブラインドスポットモニター(BSM)」「パノラミックビューモニター(PVM)」も標準装備されています。「BSM」のセンサーを活用した「安心降車アシスト(SEA)」や後方車両接近通知、追突防止サポート機能も搭載。

最新のテレマティクスやユーザーインターフェイスも用意されています。「トヨタスマートセンター」と連携するセンター通信型コネクティッドナビの対応に加え、通信が途切れ、地図情報の外に出てしまった場合でも、続けてナビ機能が利用できる車載ナビ機能も搭載されていますので、初めての道でも安心。さらに、高精細の12.3インチHDワイドディスプレイの採用により、鮮明な地図描画と美しい映像を享受できます。

ボディカラーは、モノトーンカラー6色とバイトーンカラー(2トーン)5色展開。バイトーンは、デザインの美しさを強調し、独自の世界観を表現。また、多様な好みに応える内装色として、走りを楽しめることをベースに新色の「サンドブラウン」と「ブラック」が設定されています。

●ブランド拠点、全モデルの展示拠点「THE CROWN」をオープン

「THE CROWN」の店舗イメージ
「THE CROWN」の店舗イメージ

なお、今回のクラウン・スポーツの発売に合わせて、ユーザーの多様なライフスタイルに寄り添うブランド拠点、全モデルの展示拠点として、「THE CROWN」横浜都筑(ウエインズトヨタ神奈川)、福岡天神(福岡トヨタ)が10月6日に同時開業しました。

合計5店舗の展開が予定されていて、23年度中に愛知(愛知トヨタ)、24年度には千葉(千葉トヨタ)、東京(トヨタモビリティ東京)が開業される予定。「THE CROWN」店舗のみで購入可能な特別仕様車も用意され、第1弾(クロスオーバーRS Advancedがベース)は、2023年12月頃の発売予定になっています。

「THE CROWN」特別仕様車の(コンセプトモデル)
「THE CROWN」特別仕様車の(コンセプトモデル)

2023年10月7日から、クラウン・スポーツをはじめ、4つのクラウンが体験できる「CROWN STYLE PARK」が六本木ヒルズアリーナで開催されます。4つのクラウンの展示、スペシャルゲストによるトークセッションなど、クラウンの魅力を感じられるイベントです。

また、新車のサブスクである「KINTO」にも新型クラウン・スポーツがラインナップされています。お馴染みになったKINTOでは、自動車保険(任意保険)や自動車税、メンテナンスなどの諸費用が月額利用料に含まれているため、とくに任意保険料が高くなりがちな若い層にメリットがあります。

販売店に加えて、オンラインでも見積もりから契約までの一連の手続きが可能で、新型クラウン・スポーは月額6万6550円から手軽に乗ることができ、中途解約も可能です。この月額料金は、SPORT Zグレード(2.5L HEV)の最安値パッケージ、追加オプションなしの場合。初期費用フリープランの7年契約、年2回のボーナス月の月額へ16万5000円の加算を選択したケースで、7年間の合計金額は790万200円(税込)になります。

●ボディサイズ:全長4720×全幅1880×全高1565mm
●パワートレーン:シリーズパラレルハイブリッドシステム(A25A-FXS 2.5L)
●駆動方式:E-Four(4WD)
●WLTCモード燃費:21.3km/L
●クラウン SPORT Z 価格:590万円

(塚田 勝弘)

この記事の著者

塚田勝弘 近影

塚田勝弘

1997年3月 ステーションワゴン誌『アクティブビークル』、ミニバン専門誌『ミニバンFREX』の各編集部で編集に携わる。主にワゴン、ミニバン、SUVなどの新車記事を担当。2003年1月『ゲットナビ』編集部の乗り物記事担当。
車、カー用品、自転車などを担当。2005年4月独立し、フリーライター、エディターとして活動中。一般誌、自動車誌、WEB媒体などでミニバン、SUVの新車記事、ミニバンやSUVを使った「楽しみ方の提案」などの取材、執筆、編集を行っている。
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