■同社の路線バス向けタイヤで史上最高レベルの低電費を実現
「DUNLOP(ダンロップ)」ブランドを擁する住友ゴム工業は、日本メーカー初のEV路線バス向け市販タイヤ「e. ENASAVE SP148」を2023年10月1日から発売します。
「e. ENASAVE SP148」は、同社の路線バス向けとして、史上最高レベルの低燃費(低電費)性能を実現したEVバス向けのリブタイヤです。発売サイズは「275/70R22.5」の1サイズで、価格はオープン。
都内でもよく見かけるようになったEVバス。全国でもEVバスを導入する流れが加速しているそうで、同タイヤは、EVの課題である一充電あたりの航続距離を伸ばすため、転がり抵抗を低減し、電費を抑えることを目的に開発されました。
転がり抵抗を低減するため、タイヤの骨格形状を最適化することで総ゴム量を削減し、軽量化を実現。具体的には、「軽量化ケースプロファイル技術」が、タイヤの骨格であるケースライン形状を最適化させることで余分なゴムをそぎ落とし、軽量化に寄与しています。
さらに、リブ同士が支え合う高剛性トレッドパターンの採用により、リブの動きが抑制され、転がり抵抗に起因するエネルギーロスの低減に大きく貢献します。
これらの異なるアプローチを組み合わせることで、転がり抵抗係数は、従来の汎用品DUNLOP「SP527」比で10%低減、同じく汎用品の「SP537」よりも25%も低減されています。
また、ショルダー部のラグ溝(タイヤの周方向に対し、ほぼ直角に刻まれた溝)をなくし、剛性が確保され、無駄な発熱も抑制されています。さらに、EVの駆動用バッテリー搭載による重量増には、高剛性トレッドパターンの採用で対応。トレッド全体で摩耗エネルギーを分散することで、優れたロングライフ性能も確保されています。
もちろん、耐摩耗性とウエット性能にも目配りされていて、摩耗によって溝幅が広がる丸底フラスコ型の溝形状技術である「フラスコグルーブ」が新開発されました。「フラスコグルーブ」によって溝幅が広がることで、摩耗中盤以降の溝面積が減ることによる排水性能の低下を抑制。摩耗末期まで優れた排水性能を維持するとしています。
外観にもこだわっていて、サイドウォールのロゴには、同社独自の黒色デザイン技術である「Nano Black(ナノブラック)」が用いられ、意匠と視認性の向上も盛り込まれています。さらに、トレッドパターンには、先進性を想起させる近未来的なデザインが採用されています。
(塚田勝弘)