目次
■ガソリンにブランドごとの違いはないらしい
●お気に入りの銘柄にこだわることには意味がある?
クルマを愛するユーザーの中には、ガソリンの銘柄にもこだわる人も多いと思います。
とくに高性能車や輸入車はハイオクが指定されていることが多く、お気に入りの銘柄にこだわりたくなる気持ちもわかります。では、そうした銘柄固定は意味があるのでしょうか。
●ブランドによる性能差はない
ハイオクというのは「オクタン価が高いガソリン」であり、基本的にはノッキングが起きづらい燃料です。かつては各ブランドでハイオク用添加剤の違いをアピールしていた時代もありましたし、性能が異なるというのが建前でした。しかし、じつは各社で融通することもあるということが明らかになっています。つまりガソリンスタンドのタンクの中で、複数社のハイオクが混じっていることもあるといえます。
完全に自社ブランドのハイオクだけにこだわっているブランドもありましたが、石油元売りの再編が進んだ今、ハイオクのブランド違いにこだわる必要はなくなっているのかもしれません。
●レギュラーガソリンは各社共通の仕様
ハイオクの差がほとんどなくなる以前から、レギュラーガソリンについては各社で共通の仕様となっていることは公言されていました。
ガソリンというのは基本的にJISで規格が定められていますから、異なるブランドのハイオクガソリンを混ぜたからといって問題が起きることはありません。同一銘柄にこだわることにネガはありませんが、とくにメリットもないといえます。そこまで神経質にならなくても問題が起きるとは思えません。
そもそも、自動車メーカーが燃料のブランドを指定しているというケースはありません。エンジンオイルについては指定銘柄が存在しますが、燃料にはそこまでこだわっていないのです。
つまりノーマルカーの話でいえば、燃料による性能差はほとんど出ないといえます。ギリギリの領域での違いは出るかもしれません。それを公道レベルの走りで感じられるかどうかは別の話です。ブランドを気にすることなく、近場や経路途中の安いガソリンスタンドに行くというのが2023年における給油の流儀です。
なお、ハイオク仕様のクルマは、ハイオクを入れたときに本来の性能が出るように設計されています。オクタン価が低いとノッキングの発生や出力の低下など、クルマのもつポテンシャルを十分に引き出せない可能性があります。また、ハイオク専用の指定がある場合、レギュラーを給油すると故障につながる危険も。誤給油にはくれぐれも注意しましょう。ちなみに、レギュラー仕様のクルマにハイオクを入れても問題はありません。
(文:山本晋也)
※2022年5月30日の記事を2023年9月29日に追記・再編集しました。
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