フェラーリ「SF90XXストラダーレ」は世界799台限定生産、価格は約1億2000万円〜でも安く感じる!?

■ラ・フェラーリに迫る高い空力効率を発揮する空力モンスター

2023年9月20日、F1シンガポールGPで2023年の初勝利を飾ったフェラーリが、その勢いそのままに新たなスペシャルモデルのフェラーリ・SF90XXストラダーレを発表しました。

フェラーリSF90XXストラダーレと登壇者2名との3ショット
フェラーリSF90XXストラダーレと登壇者2名との3ショット

フェラーリには、488ピスタや812コンペティツィオーネといった、公道を走行できるモデルのパフォーマンスを、高いレベルへと向上させるスペシャル・バージョンを生み出すプログラムがあります。

これと並行して、XXというプログラムもあります。これはFXX-K EVOのような、選り抜きの専門的なカスタマー・ドライバーを対象に、公道走行はできないものの、サーキットで限界走行が行える究極のモデルを生み出すプログラムです。

フェラーリSF90XXストラダーレのフロントスタイル
フェラーリSF90XXストラダーレのフロントスタイル

今回発表された、限定799台が生産されるフェラーリ・SF90XXストラダーレは、この2つの分野で得た経験を活かして、両プログラムのエンジニアリング・コンセプトを最大限に実現した、公道走行可能なモデルなのです。簡単に言うと、公道を走行できるレーシングカーということでしょう。

フェラーリSF90XXストラダーレのリアスタイル
フェラーリSF90XXストラダーレのリアスタイル

フェラーリ・SF90XXストラダーレのベース車は、PHVのスーパーカー、SF90ストラダーレ。

これをベースに、サーキットを限界域で走る胸躍る驚異のドライビング・エクスペリエンスを、新たな高みに押し上げたモデルとなっています。

ベース車のSF90ストラダーレとSF90XXストラダーレの外観を比べてみると、リアにF50の時代以来となる固定リアスポイラーを装着するなど、大幅に空力性能を向上。纏った空力パーツにより、車速250km/h時に530kgというダウンフォースを発生します。

50以来となる固定式リアスポイラーを採用
50以来となる固定式リアスポイラーを採用

このSF90XXストラダーレは、フェラーリ史上、どのロードカーよりも効率的の高い空力パフォーマンスを誇り、これに迫るのはラ・フェラーリのみとのこと。

タイヤはフロントが255/35ZR20、リアは315/30ZR20
タイヤはフロントが255/35ZR20、リアは315/30ZR20

またSF90XXストラダーレは、アルミニウム製のリトラクタブル・ハードトップ(RHT)を採用。わずか14秒で開閉できるだけでなく、車速45km/hまで走行中でも開閉操作が可能で、フェラーリV8サウンドをダイレクトに味わうことができます。

システム合計1030psを発生する4LV8のPHVシステム
システム合計1030psを発生する4LV8のPHVシステム

SF90XXストラダーレに搭載されているパワートレインは、最高出力797psを発生する4L V型8気筒ツインターボと、最高出力233psを発生するフロントに左右独立した2つのモーター、そしてリアに1つのモーターを搭載した、システム合計出力1030psを発生するPHVシステムを搭載しています。

フェラーリSF90XXストラダーレのインテリア
フェラーリSF90XXストラダーレのインテリア
左ドア後方にある充電ジャック
左ドア後方にある充電ジャック

組み合わされるトランスミッションは8速ATで、モーターのみでの航続距離走行可能距離は約25kmとなっています。

4点式シートベルトが標準装備
4点式シートベルトが標準装備

ベース車とシステム合計出力や、モーターのみでの航続距離走行可能距離の変更はありませんが、吸排気ダクトのポリッシュで効率性を高めたのをはじめ、エンジンの燃焼室への特殊な機械加工、新ピストンの採用によって、圧縮比を引き上げています。

さらに、二次空気導入装置を排除することで、エンジン重量を3.5kg軽量化しています。

センターコンソールにあるシフトセレクター
センターコンソールにあるシフトセレクター

伝説のラ・フェラーリに次ぐ、高い空力パフォーマンスを発揮するSF90XXストラダーレ。世界限定799台の生産で車両本体価格は約1億2000万円から。ベース車のSF90ストラダーレの約5,340万円の2倍となっています。

フェラーリのレーシングカーを購入すると考えると、約1億2000万円からというプライスも割安に感じてしまうのが不思議です。

(文、写真:萩原 文博)

この記事の著者

萩原 文博 近影

萩原 文博

車好きの家庭教師の影響で、中学生の時に車好きが開花。その後高校生になるとOPTIONと中古車情報誌を買い、免許証もないのに悪友と一緒にチューニングを妄想する日々を過ごしました。高校3年の受験直前に東京オートサロンを初体験。
そして大学在学中に読みふけった中古車情報誌の編集部にアルバイトとして働き業界デビュー。その後、10年会社員を務めて、2006年からフリーランスとなりました。元々編集者なので、車の魅力だけでなく、車に関する情報を伝えられるように日々活動しています!
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