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■立体エンブレムやバーチカルツインなどを継承
1960年代に北米や日本で大きな人気を博し、伝説を作ったカワサキ「W」シリーズの前身として、未だに語り継がれているのが、1924年に登場した「メグロ」ブランド。
約1世紀前にも遡る伝説のメーカーですが、その血統を受け継ぐモデルとして、2020年の発売から根強い人気を誇る「メグロK3」に2024年モデルが登場しました。
ネオクラシックモデル「W800」をベースとする773cc・空冷バーチカルツインエンジンや、職人が手作業で塗装するという燃料タンクの立体エンブレムなど、基本的スペックや装備を継承し、2023年9月22日(金)に発売されます。
●カワサキ伝説の源流がメグロ
メグロK3は、昭和レトロな雰囲気を持つスタイルと、最新の装備を融合させたカワサキのネオクラシックモデルです。
カワサキなのになぜメグロ? 最近バイクに乗り始めた人などには不思議なネーミングかもしれませんが、実はこのモデルは、1960年代に伝説となった624ccモデルのカワサキ「650-W1」、通称「W1(ダブワン)」の前身ともいえる「500メグロK2」の後継車といえるバイクなのです。
メグロとは、1924年に創業したオートバイメーカー「目黒製作所」がリリースしていたバイクたちに付けられたブランド名のこと。目黒製作所は1960年代初頭にカワサキ(当時の川崎航空機工業)に吸収合併されたのですが、その後に発売されたのが500メグロK2というバイクなのです。
そして、W1は、その500メグロK2が原型だといわれていますから、まさにカワサキの「W」伝説を作るきっかけとなったモデルなのです。
その血統を受け継ぐバイクとして、2020年に登場したのがメグロK3。大きな話題を呼んだこのモデルは発売直後、あっという間に完売となったほどの人気モデル。その後、2021年に復活し、継続販売されることがアナウンスされました。
主な特徴は、個性的でクラシカルな造形と高級感溢れる装備の数々。エンジンには、W800と同様の773cc・空冷バーチカルツインを搭載。美しい空冷フィン形状が魅力のパワートレインは、最高出力52psを発揮。低中回転域を重視したトルクフルなパワー特性により、幅広いスキルのライダーがライディングを楽しむことを可能とします。
また、エンジン右側には、シリンダーヘッドを美しく見せるベベルギヤ駆動式カムシャフトを装備し、レトロな雰囲気を強調。さらに、赤く縁取ったベベルギヤカバーのリングが、メグロK3の個性を強調しています。
加えて、燃料タンクには、高度な塗装技術が要求される銀鏡塗装とハイリーデュラブルペイントを施すことで、高級感を演出。アルミ型押し成型のオリジナルエンブレムは、職人が手作業で塗装しているそうで、このモデルにさらなる特別感も醸し出しています。
ほかにも、「メグロ」のカタカナロゴを配した2眼アナログメーター、力強いサウンドと鼓動感を発するエキゾーストシステムなども装備。グリップヒーターやETC2.0車載器などを標準装備することで、快適な走りやツーリングなどでの高い実用性も誇ります。
●スペックや装備、カラーなどを継続採用
その2024年モデルでは、基本的な装備をそのまま継承。2021年12月発売モデルで最新の排気ガス規制に対応したエンジンなどのスペックも先代モデルと同じです。
また、カラーリングも、2020年モデルから継続している「ミラーコートブラック×エボニー」を採用。燃料タンクのツートンカラーや、赤い「メグロ」のロゴが入ったブラックのサイドカバーなども同様です。
価格(税込)は、4万4000円アップの139万7000円。前述の通り、2023年9月22日(金)に発売される予定です。
(文:平塚 直樹)