■京都工芸繊維大学が史上初の4連覇を目指し、クラウドファンディングを立ち上げ
学生フォーミュラ日本大会2023が、静岡県にあるエコパ(小笠山総合運動公園)でスタートしました。
学生フォーミュラは、1981年にアメリカで開催された「Formula SAE」がその始まり。学生自らが小型フォーミュラカーを使ったビジネスを構想し、車両の設計と製作を行ったマシンを使用し、用意されたコースでその走行性能を実証する教育競技会を通して、実際に製作された車両の走行の場での性能評価はもちろん、その車両を売り込むプレゼンテーションまで、さまざまな角度からの審査が行われています。
現在はほぼ同一のルールで、世界各国で開催されており、アメリカ・イギリス・イタリア・インド・オーストラリア・オーストリア・オランダ・カナダ・スペイン・タイ・チェコ・ドイツ・ハンガリー・ブラジル・ロシア・韓国・中国・日本で競技会が行われています。
日本大会は、2003年から開催されています。2020年大会は新型コロナウィルスの感染拡大を受けて、初の開催中止。2021年はオンラインで静的審査のみの開催、そして2022年から無事に通常開催されています。
日本大会は開催当初、富士スピードウェイ、ツインリンクもてぎ(現:モビリティリゾートもてぎ)での開催となっていましたが、2006年の第4回大会からは、エコパ(静岡県・小笠山総合運動公園)で開催されています。
今回で18年目となるエコパ開催なのですが、2024年はAichi Sky Expo(愛知県国際展示場)での開催が発表されており、今回がエコパでの最後の大会となります。
昨年の大会で優勝した京都工芸繊維大学は、過去に2012年、2016年、2017年と優勝を経験した超有力校です。優勝回数でいえば、上智大学とトップタイの4勝をマークしているチームです。そんな京都工芸繊維大学ですが、大会史上初の4連覇を目指し、クラウドファンディングを立ち上げました。
目標金額は120万円で、8月30日現在、32万9000円を集めているというクラウドファンディング。その目的はカーボンモノコックフレームの製作です。
これまで優勝を重ねてきた同チームですが、2022年大会の優勝からの4連覇を目指しています。しかし、今後予想される海外からの強豪の日本大会への参戦、そして電動車両の進化を見越し、さらなる車両性能引き上げのために、より軽量で高剛性の車両が必要となってくるという結論に至り、2024年にはこのカーボンモノコックフレームを導入するという計画だということです。
リターンとしては、車両やピットパネル、そしてチームHPへの名前の掲載はもちろん、ポロシャツや車両の3D模型などのオリジナルグッズも用意するといいます。
このクラウドファンディング自体、資金集めのスポンサー獲得とは異なる活動ですが、この活動によってより多くの方に、このチームのことを知ってもらいたい、そして学生フォーミュラも盛り上げたいというチームの思惑もあります。
学生フォーミュラ日本大会は、2023年9月2日(土)に最終日を迎え、上位6台によるエンデュランス競技が行われます。
(青山 義明)