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■資源エネルギー庁が提唱する3つのコツ
ガソリン価格の高騰が止まりません。資源エネルギー庁が2023年8月16日に発表したレギュラーガソリンの全国平均価格は、8月14日時点で181.9円/Lと、前週の180.3円/Lから1.6円/Lの値上がり。5月15日以来13週連続で値上がりを続けているうえに、2週間連続の180円台と実に15年ぶりの高水準を記録しています。
車を使う人にとって、お財布的にかなり痛い状態が続いていますよね。しかも、円安が続いていることや、政府が価格を抑えるための補助金を徐々に減らし、9月末には終了させる方針であることなどで、こうした値上がりは今後も続くことが予想されています。
そんな中、資源エネルギー庁が公式ホームページなどで提唱しているのが「省エネ運転」。直近のレギュラーガソリン全国平均価格181.9円/Lで換算すると、年間で1万5000円以上も節約できる方法など、主に4つの運転術を挙げているので、ちょっと紹介してみましょう。
●発進時はふんわりアクセル
まずは、発進時に、アクセルをふんわりと踏み込むこと。車はスタート時により多くの燃料を使いますから、その際に無駄にアクセルを踏み込み過ぎると燃費が悪くなるので、できるだけマイルドにアクセル操作をするということですね。
目安は「5秒間で20km/h程度に加速」する感じだそうで、その場合は「年間でガソリン83.57Lの省エネ」となるそうです。
これを、直近のレギュラーガソリン全国平均価格181.9円/Lで換算すれば、年間で1万5201円(小数点以下切り捨て)の節約になります。出発時はもちろん、信号待ちからの再スタート時も、アクセル操作をちょっと気にしてみるのもいいかもしれませんね。
●加減速を少なくする
次は、走行時は加減速を少なくすること。これは、たとえば、市街地などを巡航する際に、前の車との車間距離を十分に取り、前方の状況を把握しつつ、できるだけ一定速度で走ろうということですね。
車は、アクセルのオンオフを頻繁にやるだけでも、燃費が悪くなってしまうもの。特に前走車との車間距離が短いと速度調整も難しく、ついついアクセルを踏んだり戻したりをしがち。また、ブレーキも頻繁に使うことが多く、真っ直ぐ走っているだけでも速度の変化が大きくなり、燃費が悪化してしまいます。
そうした速度変化をできるだけ少なくするためには、加減速を抑えることが有効だということです。
そして、この場合、資源エネルギー庁によれば「年間でガソリン29.29Lの省エネ」になるとのこと。直近のレギュラーガソリン全国平均価格181.9円/Lで換算すれば、年間で5327円(小数点以下切り捨て)の節約になるということですね。
●早めのアクセルオフ
前方で停止することが分かっているような場合は、早めのアクセルオフも省エネ運転につながるといいます。
これは、たとえば、信号が赤に変わりそうな時などに停止位置がどこかを予測し、そこに合わせてゆっくりと止まるように、アクセルペダルを踏んでいる足を早めに離すイメージですね。
それにより、車を惰性で進ませつつエンジンブレーキでゆっくりと減速し、停止位置に近づいたら、やんわりとブレーキを踏む感じです。
車が惰性走行すれば、その分、ガソリン消費量を抑えることが可能ですから省エネになりますね。また、ハイブリッド車の場合はエンジンブレーキの代わりに回生ブレーキが働き、バッテリーへ充電してくれますから、充電効率を高めることにも繫がります。
なお、この場合「年間でガソリン18.09Lの省エネ」が可能なのだとか。これもレギュラーガソリンの全国平均価格181.9円/Lで換算すれば、年間で3290円(小数点以下切り捨て)の節約になりますね。
●アイドリングストップ
最近、多くのモデルに装備されている「アイドリングストップ」機能。信号待ちなど車両が止まった状態のときに、エンジンを停止し燃料消費を抑えるもので、アクセルペダルを再び踏めばエンジンが始動し、再スタートが可能となります。
ちなみに、近年は停止時にブレーキペダルを踏み続けなくても、停止状態を維持するオートブレーキホールド機能付きモデルも増えてきて、ストップ&ゴーが連続する渋滞時などでも便利ですよね。
そんなアイドリングストップですが、資源エネルギー庁では、5秒の停止といった短い時間のエンジン停止でも省エネ効果があるのだといいます。そして、この機能を使うことで「年間でガソリン17.33Lの省エネ」が可能なのだとか。
これを、直近のレギュラーガソリン全国平均価格181.9円/Lで換算すれば、年間で3152円(小数点以下切り捨て)の節約になるということですね。
アイドリングストップ機能はオフにすることも可能なモデルもありますが、省エネやお金の節約という観点からは、できるだけ使った方がいいようです。
●エアコンの温度やタイヤの空気圧などにも注意
省エネ運転術は、今回挙げたほかにも「カーエアコンの温度を下げすぎない」「ムダなアイドリングをしない」なども車の燃料消費量を抑える効果があると言われています。
また、「タイヤの空気圧を適正値に保つ」ことや、「不要な荷物を乗せないことで車をできるだけ軽くする」ことなども、燃費向上などに効果があるようです。
ともあれ、ガソリン価格の高騰が止まらない今、できる範囲の自衛策をほどこすことで、お金の節約をするとともに、地球環境にも優しいカーライフを送りたいものです。
(文:平塚直樹)*写真はすべてイメージです
【関連リンク】
資源エネルギー庁 公式ホームページ「無理のない省エネ節約 自動車」
https://www.enecho.meti.go.jp/category/saving_and_new/saving/general/howto/car/