歴代アル/ヴェルを乗り継ぐオーナーの新型トヨタ「アルファード」の評価は90点! マイナス10点の理由とは?【Owner’s Voice】

■レクサスLMも視野に入れてディスプレイの大きさや操作系がレクサスと同じになった

2013年6月21日に発表された、新型トヨタ・アルファード/ヴェルファイア。今回は事前予約がなく、6月21日の発表と同時に受注を開始し、すぐに生産枠が埋まり受注停止となるほどの人気となっています。

トヨタ・アルファードHV Z 4WDのフロントスタイル
トヨタ・アルファードHV Z 4WDのフロントスタイル

新型トヨタ・アルファードとヴェルファイアはフロントマスクだけでなく、ヴェルファイアはボディに補強を加えて、走行性能に磨きを掛けるなど、個性を明確化したのが特徴です。

搭載されているパワートレインも2.5Lエンジンのハイブリッドシステムは共通ですが、アルファードのZグレードには2.5L直列4気筒ガソリンエンジン+CVT。ヴェルファイアのZプレミアグレードには2.4L直列4気筒ガソリンターボエンジン+8速ATを搭載しているように差別化が図られています。

今回、幸運にも厳しい抽選をくぐり抜けて、新型トヨタ・アルファードHV Z 4WDが納車されたばかりのオーナーに、新型アルファードの良いところとイマイチなところを聞いてみました。

●リアルオーナーに聞く、新型アルファードとは?

今回取材したオーナーは、関東地方にお住まいの原 治さんです。原さんは20型アルファードを前期、後期。そして30型はヴェルファイアと、3台のトヨタ・アルファード/ヴェルファイアを乗り続けたヘビーユーザーです。

トヨタ・アルファードHV Z 4WDのリアスタイル
トヨタ・アルファードHV Z 4WDのリアスタイル

今回はトヨタ・アルファードHV Z 4WDを購入した原さんですが、本当はトヨタ・ヴェルファイア2.4Zプレミアが希望だったそうです。あいにく、原さんが購入している販売店にはヴェルファイアの枠がなかったとのこと。

そして、事前情報としてトヨタ・アルファードHVのZグレードが最も生産される台数が多いということをキャッチしていて、それが見事に的中し、発表から1ヵ月半で納車されたのです。

新型になってハイブリッド車にも2WDを設定
新型になってハイブリッド車にも2WDを設定

今回、トヨタ・アルファードHV Z 4WDに、オプションのユニバーサルステップ、デジタルインナーミラー、左右独立ムーンルーフ、トヨタチームメイトなどのオプションを加えて、支払総額は約730万円。30型ヴェルファイアより100万円アップしたそうです。

現在、原さんが所有しているクルマは新型アルファードのほか、レクサスRX350 Fスポーツ、LX600オフロード、そしてUX300eという、レクサス3台所有の大のトヨタ&レクサスファンなのです。当然、新型アルファードへの期待が高い分、評価も厳しくなることは間違いありません。

サイドのメッキ処理が高級感を向上
サイドのメッキ処理が高級感を向上

取材は、納車からわずか1週間というタイミングで行いました。そんなタイミングだったので、アルファードのシートにはビニールが付いた状態で、新車の香りが車内に充満していました。

原さんが新型アルファードに乗って、旧型から進化したと感じた点は、同じ2.5Lエンジンのハイブリッドシステムでも、システム最高出力が250psにアップしたこともあり、より加速性能がスムーズになったそうです。

豪華さが増したセカンドシート
豪華さが増したセカンドシート

また静粛性もアップしているそうで、エンジンが作動した際の振動や音もほとんど感じないため、軽く加速したつもりでも、スピードメーターを見ると一瞬驚くほどの速度に達してしまうとのことでした。旧型モデルで感じることのあった、加速が鈍い、アクセルをガバッと踏むと振動やエンジン音がうるさい、という感覚は、今のところ皆無だそうです。

セカンドシートに乗っても、旧型では床面の振動が気になることがあったそうですが、新型では見事に改善されているし、サードシートに座って移動しても、タイヤからの衝撃は抑えられていて、居住スペースも十分確保。加えて、運転席とサードシートの乗員の会話明瞭度も高いと高評価続出です。

そして、高速道路を大人3人、子ども1人が乗車して約50km走行し燃費を計測したところ、燃費は17.0km/Lを実現。カタログのWLTCモード・高速道路モードと同じ数字を軽く達成したそうです。

インプレションが終わり、オーナーの原さんに新型トヨタ・アルファードHV Z 4WDの良いところ、もう一つのところを聞いてみました。

●新型アルファードの良いところ、今一つなところはどこですか?

センターディスプレイの操作系がレクサスと同じ
センターディスプレイの操作系がレクサスと同じになった

まず良いところは、内外装で高級感が向上したところだそうです。外装では、ボディサイドのメッキパーツとエンブレムのデザインに高級感を感じるそうです。またインテリアでは、レクサスLMもこの後登場することもあり、センターディスプレイの操作系がレクサスRXと同じになったことを挙げてくれました。

サイドにあるリアハッチの操作ボタンは○
サイドにあるリアハッチの操作ボタンは○

そのほか操作系では、リアハッチの操作ボタンがサイドのリアコンビネーション下に設置されたこと。そして、6万6000円のユニバーサルステップは、乗り降りするのに役立つこと。そして、グリップ調が620mmのセンターピラーロングアシストグリップは、誰にでも優しい装備と高く評価しています。

運転席周りでは、高い位置にカップホルダーを設置していること。そして両側リアスライドドアの操作パネルが、フロントシート上部にあるのも非常に便利で○とのことです。

620mmのセンターピラーロングアシストグリップは○
620mmのセンターピラーロングアシストグリップは使い勝手が抜群

リアシートでは、リアのエアコン操作パネルがルーフに設置されていることをはじめ、サンシェードの操作が可能なスーパーロングオーバーヘッドコンソールは、非常に使い勝手を考えていると高く評価しています。また、セカンドシート前のセンタコンソール裏の高い位置に電源コンセントがあること。セカンドシートのカップホルダーが肘掛けに内蔵されていることを○なところとして挙げてくれました。

サードシートが手動式なのはマイナスポイント
サードシートが手動式なのはマイナスポイント

一方、改善してもらいたいところとして、最初に挙げてくれたのがサードシートの収納です。これほどの価格帯なので、跳ね上げ式だから難しいと思うものの、オプションでも良いので電動で行える機能が欲しかったそうです。そして、2列目のエグゼクティブパワーシートですが、リクライニングやオットマンは電動ですが、スライドは手動という点。

電動スライドが欲しいのであれば、エグゼクティブラウンジを購入してください。ということなのでしょう…と、ちょっとご不満の様子でした。

セカンドシートの前後スライドが手動なのはマイナス
セカンドシートの前後スライドが手動なのはマイナス

良いところ、改善してもらいたいところを聞いた上で、新型アルファードは何点かと聞くと90点とのこと。

マイナス10点の理由は、2列目シートのスライドが電動でないこと。そして3列目シートを畳むのが手動であること。そして、運転席にあるスライドドアの操作ボタンの間にバックドアのボタンがあり、たまに操作ミスして開けてしまうことがあったから、ということでした。

5穴PCD120という専用ホイールはまだ販売されていないのがマイナスポイント
5穴PCD120という専用ホイールはまだ販売されていないのがマイナスポイント
ユニバーサルサイドステップはマストアイテムとのこと
ユニバーサルサイドステップはマストアイテムとのこと

そして、標準装着されているアルミホイールのPCDが5穴120という専用というのも、スタッドレスタイヤを装着するためのホイールが購入できないというのもマイナスポイントと挙げてくれました。

さすが、歴代アルファード/ヴェルファイアを乗り継ぎ、レクサス3台を所有するオーナーだけに評価は厳しめ。

では、レクサスLMが登場したら、購入するのか?と聞いてみました。

搭載されるパワートレイン次第だそうで、クラウンクロスオーバーや、レクサスRX500hに搭載されている、2.4Lターボハイブリッドならば心が動くかもしれないとのこと。その時はアルファードから乗り替えを検討するそうなので、レクサスLMに乗り替えるアルファードオーナーが多ければ、中古車が狙い目になるかもしれませんね。

(文、写真:萩原 文博)

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この記事の著者

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萩原 文博

車好きの家庭教師の影響で、中学生の時に車好きが開花。その後高校生になるとOPTIONと中古車情報誌を買い、免許証もないのに悪友と一緒にチューニングを妄想する日々を過ごしました。高校3年の受験直前に東京オートサロンを初体験。
そして大学在学中に読みふけった中古車情報誌の編集部にアルバイトとして働き業界デビュー。その後、10年会社員を務めて、2006年からフリーランスとなりました。元々編集者なので、車の魅力だけでなく、車に関する情報を伝えられるように日々活動しています!
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