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■これまでに公開した新型車予想CGの完成度を検証
クルマ好きのクリッカー読者の皆さんにとって、次期モデルの外観は大いに気になるところではないでしょうか。
そこで本稿では、新型車発表前に作成した予想CGがどの程度、的を得ていたのかを振り返ってみたいと思います。
今回は、中でも発売前から多くの憶測を呼んだ、トヨタ自動車の「クラウン クロスオーバー」と「プリウス」について検証してみました。
●クラウン クロスオーバー(2022年07月15日ワールドプレミア)
先代クラウン発売から3年に満たない時点で、次期クラウンのデザイン予想を開始したのは、中日新聞の「トヨタがクラウンの生産を現行型で終了し、SUVに似た車形の新型車として2022年に投入する方向で最終調整に入った」とする報道(2020年11月)や、当時の豊田章男社長による「今やどこにも聖域なんて無い。私は新型クラウンのデザイナーにこれまでの概念に捉われず、新しい視点で考えるようお願いした」とするコメントを目にした事が発端でした。
当初はクラウンがSUV化されるとは俄かに信じられず、トヨタ自動車が「バッテリーEV戦略に関する説明会」(2021年12月14日)で公開したクーペ風のコンセプトカー「bZ SDN」のデザインが最も次期クラウンのイメージに近いとみて予想CGを作成。同月に記事化しました。
6ライトのキャノピーや後方でキックアップしたベルトライン、リヤドア後方で収束する数本のキャラクターラインなどが特徴で、このモチーフは予想どおり、新型クラウンにも採用されていました。
とは言え、予想CGのベースにした「bZ SDN」は、車体がやや小ぶりな“ミニクラウン”といった印象で、その後に同車は中国市場向けのBEV「bZ3」だったことが判明。
引き続きリファインを加えたワールドプレミア目前の予想CGでは、当時の噂に基づいて大きく口を広げたスポーティなラジエターグリルなどを表現。これにより、新型クラウン クロスオーバーが持つワイルドなイメージに近付けることが出来ました。
一方、予想と異なっていた主な部位としては、フロントマスクにプリウスのように明確な“ハンマーヘッド”デザインが採用されなかったことや、クロスオーバー化に伴う“リフトアップ”+21インチ大径タイヤの採用、フロントマスクからフード、リヤエンドにまでおよぶ、斬新なバイトーン(2トーン)採用などが挙げられます。
●新型プリウス(2022年11月16日ワールドプレミア)
現行の5代目プリウスでは、ユーザー層からデザイン上の指摘が多かった先代モデルに対し、スポーティなクーペスタイルに一新されるとの噂が早期から囁かれていました。
そこで、2022年05月にデザイン面で評判の良かった3代目プリウスのサイドビューをベースに予想CGを作成。
フロントマスクにハンマーヘッド仕様のランプ類を設定するとともに、空力向上を目的にフロントウインドシールドの傾斜を強くしています。
続いて2022年9月には、主としてサイドビューを予想しており、フロントマスクには当時噂のあったbZ4X風のアンダーグリルを設定。
リヤドアハンドルをCピラー部に移設してスッキリとした印象に。
さらに新型デビュー目前の10月に入ると、各種情報を元にリヤビューの予想CGを作成。
リヤエンドをスパッと切り落としたようなダックテールに加え、LEDテールランプをハリアー風の細幅タイプにすることで、ある程度、新型プリウスに迫ることが出来たのではないかと思っています。
予想と実車の主な相違点としては、フロントドアの下方から後方へ跳ね上がる彫りの深いキャラクターラインや、前後フェンダーアーチ部へのプロテクター設定などが挙げられます。
●今後登場が予想される「GRプリウス」にも注目
ワールドプレミア後、2023年1月10日に正式発売された新型プリウスは、非常に完成度が高く、加速時の力強さやコーナーで踏ん張りつつも角の無い乗り心地など、ハイブリッド車もついにここまで来たか…と思わせるものがあります。
販売の方も月平均9,000台ペースで順調に推移している模様。
そうしたなか、トヨタ自動車は先頃フランスで開催されたル・マン24H耐久レース会場で、プリウスの高性能モデル登場を予感させるコンセプトモデルを公開しました。
同モデルに関連したGR仕様の登場が噂されており、こちらもどこまで実車に迫ることが出来ているのかが大いに気になるところです。